「夕日のギャングたち」鑑賞

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セルジオ・レオーネの「Giù la testa 」こと「Duck, You Sucker」こと「A Fistful of Dynamite」こと「夕日のギャングたち」を観る。レオーネの映画って邦題で損をしているようなところがあると思うんだが、どうだろう。まあこの作品は原題も「伏せろ、間抜け」というアレな題名なんだけど。

レオーネの他のウェスタンにくらべて時代設定が新しく、革命をテーマにしているところが特徴か。時代的にはこれが「ワンス・アポン・タイム・イン・アメリカ」につながっていくわけですね。銀行強盗を模索する前半がどことなくコメディ・タッチなのに対して、メキシコ革命が焦点になってくる後半は政治色が強くやや整合性に欠けるところもあるかもしれないが、時代の流れに翻弄される男たちの世界が十分に満喫できる。元IRAの爆弾使いの主人公を演じるジェームス・コバーンがカッコいいのなんのって。クールに決めつつもマシンガンをぶっ放し、ダイナマイトをピンポイントで爆破させる姿は実に豪快。まあその反面「ウェスタン」や「続・夕陽のガンマン」における緊張感満点の撃ち合いなんかはなく、やや大味なところもあるけどね。

目のクローズアップを多用するレオーネ独特の演出も効果的に使われているほか、「ウェスタン」でもあった登場人物ごとに音楽のテーマが決まっているという手法が使われていて、エンニオ・モリコーネによる音楽がそれだけで物語を語っているというのが見事。特に主人公のアイルランドでの回想シーンなんて、音楽だけで一切セリフがないのに登場人物の心情が手に取るように分かるという演出の素晴らしさ。こういう演出が出来る人って最近じゃまずいませんぜ。

「続・夕陽のガンマン」や「ワンス・アポン・タイム・イン・アメリカ」にはやや劣るものの、傑作であることは間違いない作品。

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