「The Goode Family」鑑賞


2009年にABCで放送されたマイク・ジャッジによるアニメーション・シットコム。放送開始から人気は芳しくなく、視聴率も低迷して13話であっという間に打ち切りになった作品だが、今度DVDボックスが出るとのことで第1話を観てみたら意外と面白かった。

話の主人公となるのはグッド家という非常にリベラルなライフスタイルを貫いている一家で、ジェラルドとヘレンの夫婦は稼ぎが少ないものの「政治的に正しい」生活ができるよう務めており、家庭農園で有機野菜を栽培したり自転車通勤を心がけている次第。長男のユブンツはアフリカからの養子で、てっきり黒人の子供が来るかと思ってたら南アフリカの白人の子が来てしまったもの。また長女のブリスは両親の押し付けがましいリベラリズムに反抗的であり、もっとコンサバな暮らし方に興味を抱いていたりもする。さらに一家のスタイルは飼い犬のチェにも及んでおり、ベジタリアンなエサしかもらえないので裏では近所のペットを捕獲して食べている。

こんな一家のほかにも、彼らの信条がいっさい理解できないアメリカンな性格のヘレンの父親とか、ジェラルドの職場の同僚とかが出てきてドタバタを繰り広げる内容になっていて、基本的には過度なリベラリズムを茶化したものになってるのかな。リベラルな人のあいだにも見栄が存在することもちゃんと描いていて、自然食品の店でマイバッグを忘れたヘレンが「マイバッグだだって第3世界で作られてるのよ!」と言い訳して商品を手で抱えて運ぶシーンなどは秀逸。マイク・ジャッジほど小市民の暮らしを巧く描ける人はそういないだろうな。同じような家族を使い回してるセス・マクファーレンとはえらい違いで。もちろん保守系の人たちの風刺もされていて、第1話では禁欲を説くグループの集いに参加してそのバカらしさに仰天するジェラルドとブリスが話の中心になっていた。

まあABCはこういうトンがった番組はあまり支援しないし、アニメとなるとなおさらなのですぐに打ち切られたのも無理はないが、もうちょっと長続きしてればカルト人気を集めたかもしれない番組。マイク・ジャッジは最近また「ビーバス&バットヘッド」を作ってるようですが、また新しい作品(実写でもアニメでも)にとりかかってほしいところです。

One thought to “「The Goode Family」鑑賞”

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