「RAY DONOVAN」鑑賞


こんどShowtimeで開始されるテレビシリーズ。ビデオキャストで提供されてた第1話を観たら、セリフの半分くらいが規制のため無音状態であった。つまりそんな言葉が行き交う内容の番組です。

レイ・ドノヴァンはハリウッドのセレブたちを顧客にするフィクサー。有名俳優やスポーツ選手を相手に、死んだ娼婦の始末やスキャンダルのもみ消しなど、表沙汰にできないことを引き受けていた。無骨な彼だが妻と2人の子供といちおう仲良く暮らしているし、障害を抱えた弟たちの面倒も見ている人物であり、ストーカーに狙われている少女に仕事とは関係なしに警告してあげるなど、暗いなりに規律を持った男であった。クセのある人物たちに囲まれながらも黙々と仕事をこなすレイだったが、筋金入りのゴロツキである父親が20年ぶりに刑務所から出所し、彼のもとにやってきたことでレイの人生は大きく変わることになる…というようなプロット。

なんか不幸な人がてんこ盛りの内容になっていて、レイの妻は彼との生活に不満を抱いているし、娘や息子は学校でいじめられていることが示唆され、レイの2人の弟のうち1人は病気持ちでもう1人は子供のこと神父に性的虐待を受けたトラウマからアル中になっている始末。さらにレイの妹(なのかな?)は以前に自殺したらしく、身内のほかにも親に搾取されたティーンのアイドルとか、女性ファンに大人気なのに男に手を出してしまうスターとか、いろいろ悩む人たちがたくさん出てきてます。でもみんな悪態ついてるだけで、キャラクターに深みがあるわけでもないのですが。

LAノワールというかハードボイルドっぽい描写もあり、どぎつい暴力シーンなどもあるのだが、じゃあそれらが実際にストーリーを前に進めているのかというとそうでもなくて、あくまでも「それっぽい」描写が並んでいるだけで、今後はどういう方向に行きたいのかがよく分からないんだよな。出所してレイのもとに戻ってきた父親も相当なワルであることは分かるのですが、父親との確執がテーマになるのか、レイのフィクサー稼業に焦点があてられるのか、いまいち分からず。第1話ですべてを説明する必用もないけど、今後の展開へのつかみを残しておくことは重要でしょう。

主人公のレイ・ドノヴァンを演じるのはリエヴ・シュライバー。まあ妥当なキャスティングだよね。その父親を演じるのがジョン・ヴォイトで、他にもエリオット・グールドやピーター・ジェイコブソン、デニス・クロスビーなどとそれなりに知られた役者が名を連ねている。今後はジェームス・ウッズもゲスト出演するのかな?ただやはりキャストが豪華でもストーリーが面白くないとどうにもならんので、あと数話のうちにシリーズの方向性を打ち出さないと、他のShowtimeの番組と肩を並べられるほどの人気を獲得するのは難しいのではないか。

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