MICHAEL JACKSON BEATS IT

隣国の裁判だってのに、ここカナダの新聞もマイケル・ジャクソン無罪のニュースで盛り上がってる。「MICHAEL JACKSON BEATS IT」つまり「マイケルが打ち勝った」なんて見出しをチラホラ見るけど、これが有罪だったら「MICHAEL JAKSON: BAD」とかになってたんだろう。 でもアメリカって毎日のように自国の兵士がイラクで攻撃されてるわけで、そんなのを尻目にポップスターの裁判で大騒ぎをしてるのって絶対なんか変だよな。第二次世界大戦中にアメリカが「ファンタジア」を製作してるのを知った日本の軍人が「戦争中にマンガ映画なんて作ってる余力のある国に勝てるはずがない」と敗戦を悟ったという逸話を聞いたことがあるが、これと同様にイラクの抵抗分子も「俺たちは必死で戦ってるのに、アメリカじゃ話題にもなんねえ」と無力感を抱いたりするのかしらん。

イラクとマイケル・ジャクソンといえば、「スリー・キングス」の尋問シーンが印象に残ってる。

ナイアガラ訪問

トロントに住んで半年以上になるものの、まだ行ったことなかったナイアガラを訪れる。 料金が安かったんでチャイナタウンから出てるカジノ行きのバスに乗ったんだけど、平日の昼間だってのにバスはいい年した男女で満席。当然みんな観光などでなくカジノが目的なので、日本で朝っぱらからパチンコ屋の前に並んでる連中のような、何とも言えないタルさが車内に蔓延してたのでございます。

それから2時間もせずにナイアガラへ到着。観光以外に何ら取り柄のない町とはいえ、熱海の秘宝館のごとき悪趣味なアトラクションが立ち並ぶその光景に圧倒される。コニー・アイランドとかに比べれば非常に活気のある所なんだけど、ものすごく似てないアンジェリーナ・ジョリーのロウ人形とかが店先に飾られてるのを見ると、あんなので喜ぶ人がいるのかって本気で考えてしまう。「凶悪犯罪者のロウ人形の館」なんて、誰がカネ払ってまで見に行くんだろう。

とりあえずそんなアトラクションは無視してナイアガラの滝へ。谷底へ2つの滝が流れ込む光景はさすがに壮大。付近を歩いてるだけでも水しぶきがとんでくるほど。遊覧船にも乗り込んで滝のふもと付近までいったら、水しぶきがすごくて、事前に配られたレインコートを着ててもずぶ濡れになる。暑い日に行ってよかった。

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それから後はバスの時間まで町をブラブラする。しかしろくな説明もなくバスが1本キャンセルされ、おかげで2時間も待つことに。しかもやっと来たバスでは待ってる人全員を乗せられないため、誰が先に乗るかで中国語と英語が入り交じる大騒ぎに。とにかく最低のバス会社だった。 バスを待ってる際にカジノで小勝ちしたのはよかったんだけどね。

「COMICBOOK: THE MOVIE」鑑賞

マーク・ハミルがギーク心まるだしで監督・製作・主演した映画「COMIC BOOK: THE MOVIE」をDVDで観る。 作品の形式はいわゆる疑似ドキュメンタリー。高校教師で熱心なコミックファンの主人公ドナルド・スワン(ハミル)は、彼の大好きなコミック「コマンダー・カレージ」がハリウッドで映画化されることになったため、映画会社にコンサルタントとして雇われる。そして彼は映画の関係者や「カレージ」の原作者の孫たちを連れてコミック・コンベンションの製作発表会へと向かうものの、映画の内容が徹底的に「ハリウッド化」され、彼の愛する原作とはまるで別物にされることを知ってこれを阻止しようとするが…というのが大まかなプロット。

原作者の孫を演じるビリー・ウエストをはじめ、主な出演者はハミルの声優仲間で揃えられているほか、サンディエゴのコンベンションなどでカメオ出演するメンツの顔ぶれがすごい。スタン・リーやケヴィン・スミスといった「定番」をはじめ、ヒュー・ヘフナーやブルース・キャンベル、マット・グレーニング、ピーター・デイビッド、ブルース・ティム、ロイド・カウフマンなどなど。本来ならばマーク・ハミル自身がコンベンションの目玉になりそうなものだけど(だってルーク・スカイウォーカーだぜ)、スワン役になりきって有名人たちにインタビューする姿が見てて笑える。

低予算のビデオ用作品なので、映画としての出来は必ずしも優れてるとは言えず、映像が不鮮明だとか脚本が練りきれてないとかいった欠点もあるものの、それを補って余りあるくらいにコミックに対する愛情にあふれた内容なので、つい観てるうちに主人公に感情移入してしまう。この作品を面白いと思うかどうかで、観る人のギーク度が測れるかも。主人公がコマンダー・カレージのコスプレをして、製作発表会まで駆け抜けるラストには不覚にも感動してしまった。あと全米最大のコミック・コンベンションの様子を知るのにも格好の作品かと。

それにしてもビリー・ウエスト(「フューチャラマ」のフライ役の声優)があんな中年オヤジだとは知らなかった。

ニューヨーク・ドールズ ライブ鑑賞

こないだ書いた「NXNE」の一環である、ニューヨーク・ドールズのライブを観に行く。 もうかれこれ30年以上前に結成されたバンドなので、生存してるオリジナル・メンバーが2人しかいないとか、年のせいかデビッド・ヨハンセンが歌詞カード読んでるとかといった点もあるものの、そんな些細なことがまるで気にならないくらいに活力にあふれたライブだった。「TRASH」や「FRANKENSTEIN」といった曲のほかにもジャニス・ジョプリンの「PIECE OF MY HEART」などを演奏しながら、ラストは「PERSONALITY CRISIS」で締め。おまけにベースが元ハノイ・ロックスのサム・ヤッファときては喜ばずにいられまい。写真がピンぼけで失礼。
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「WERNER HERZOG EATS HIS HIS SHOE」鑑賞

ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才ヴェルナー・ヘルツォークがアマゾンの奥地で怪作「フィツカラルド」を撮影する姿を記録したドキュメンタリー「BURDEN OF DREAMS」のDVDを借りたので、特典としてついていた短編「ヴェルナー・ヘルツォーク、自分の靴を食う」を先に観る。 これはヘルツォークが知り合いの若き学生に映画製作を勧めて、「君が作品を完成させることができれば、私は靴を食べてみせよう」と約束したことから始まったもので、実際にその学生が作品を完成させたため、その試写会において靴を食べてみせたというもの。マンガみたいな話だけど、実際にやってのけるところがヘルツォークらしい。

ニンニクやトマトとともに5時間くらい煮込まれた革靴を、細かく切って黙々と食べていく姿が笑える。片方しか食べてないとか、靴底を食べてないとか細かい不満はあるものの、まあいい。

ちなみに彼が映画製作を勧めた学生とは、後に「フォッグ・オブ・ウォー」でアカデミー賞を獲得するエロール・モリス。彼が大成したのはヘルツォークのおかげ、ということになるのか。