「COMICBOOK: THE MOVIE」鑑賞

マーク・ハミルがギーク心まるだしで監督・製作・主演した映画「COMIC BOOK: THE MOVIE」をDVDで観る。 作品の形式はいわゆる疑似ドキュメンタリー。高校教師で熱心なコミックファンの主人公ドナルド・スワン(ハミル)は、彼の大好きなコミック「コマンダー・カレージ」がハリウッドで映画化されることになったため、映画会社にコンサルタントとして雇われる。そして彼は映画の関係者や「カレージ」の原作者の孫たちを連れてコミック・コンベンションの製作発表会へと向かうものの、映画の内容が徹底的に「ハリウッド化」され、彼の愛する原作とはまるで別物にされることを知ってこれを阻止しようとするが…というのが大まかなプロット。

原作者の孫を演じるビリー・ウエストをはじめ、主な出演者はハミルの声優仲間で揃えられているほか、サンディエゴのコンベンションなどでカメオ出演するメンツの顔ぶれがすごい。スタン・リーやケヴィン・スミスといった「定番」をはじめ、ヒュー・ヘフナーやブルース・キャンベル、マット・グレーニング、ピーター・デイビッド、ブルース・ティム、ロイド・カウフマンなどなど。本来ならばマーク・ハミル自身がコンベンションの目玉になりそうなものだけど(だってルーク・スカイウォーカーだぜ)、スワン役になりきって有名人たちにインタビューする姿が見てて笑える。

低予算のビデオ用作品なので、映画としての出来は必ずしも優れてるとは言えず、映像が不鮮明だとか脚本が練りきれてないとかいった欠点もあるものの、それを補って余りあるくらいにコミックに対する愛情にあふれた内容なので、つい観てるうちに主人公に感情移入してしまう。この作品を面白いと思うかどうかで、観る人のギーク度が測れるかも。主人公がコマンダー・カレージのコスプレをして、製作発表会まで駆け抜けるラストには不覚にも感動してしまった。あと全米最大のコミック・コンベンションの様子を知るのにも格好の作品かと。

それにしてもビリー・ウエスト(「フューチャラマ」のフライ役の声優)があんな中年オヤジだとは知らなかった。

ニューヨーク・ドールズ ライブ鑑賞

こないだ書いた「NXNE」の一環である、ニューヨーク・ドールズのライブを観に行く。 もうかれこれ30年以上前に結成されたバンドなので、生存してるオリジナル・メンバーが2人しかいないとか、年のせいかデビッド・ヨハンセンが歌詞カード読んでるとかといった点もあるものの、そんな些細なことがまるで気にならないくらいに活力にあふれたライブだった。「TRASH」や「FRANKENSTEIN」といった曲のほかにもジャニス・ジョプリンの「PIECE OF MY HEART」などを演奏しながら、ラストは「PERSONALITY CRISIS」で締め。おまけにベースが元ハノイ・ロックスのサム・ヤッファときては喜ばずにいられまい。写真がピンぼけで失礼。
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「WERNER HERZOG EATS HIS HIS SHOE」鑑賞

ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才ヴェルナー・ヘルツォークがアマゾンの奥地で怪作「フィツカラルド」を撮影する姿を記録したドキュメンタリー「BURDEN OF DREAMS」のDVDを借りたので、特典としてついていた短編「ヴェルナー・ヘルツォーク、自分の靴を食う」を先に観る。 これはヘルツォークが知り合いの若き学生に映画製作を勧めて、「君が作品を完成させることができれば、私は靴を食べてみせよう」と約束したことから始まったもので、実際にその学生が作品を完成させたため、その試写会において靴を食べてみせたというもの。マンガみたいな話だけど、実際にやってのけるところがヘルツォークらしい。

ニンニクやトマトとともに5時間くらい煮込まれた革靴を、細かく切って黙々と食べていく姿が笑える。片方しか食べてないとか、靴底を食べてないとか細かい不満はあるものの、まあいい。

ちなみに彼が映画製作を勧めた学生とは、後に「フォッグ・オブ・ウォー」でアカデミー賞を獲得するエロール・モリス。彼が大成したのはヘルツォークのおかげ、ということになるのか。

「厳戒態勢「宇宙戦争」試写の理由…業界裏メール」

日本武道館での「宇宙戦争」の試写の中止は「単なる自意識過剰か。作品への自信のなさ」なんていってる記事があった。 スピルバーグやトム・クルーズの弁明をする気はさらさらないが、この記事に書かれてる「せりふのある人物以外はすべてボカシが入っている版、つまり完全な本編を見ずに字幕を付けさせられた」なんてことは知る限り5年以上前から大作映画に対して行われてることで、珍しいことでもなんでもない。海賊版の流出を防ぐために、日本語版制作において最低限必要な未完成の素材しか渡されないというわけだ。

ハリウッドにとって日本なんてのは、中国や台湾のような「海賊版天国」だと思われてるわけで、そこで世界初公開なんか大規模にやったらマズいだろう、と判断されて試写が中止になったというのが今回の真相ではないか。それを自意識過剰だの自信が無いだの、変に勘ぐられてもねえ。

でも最近あった「エピソード3」の流出(タイムコード付きの完全版)なんかを見てると、アジアでの海賊版流出を心配するよりも、身内の横流しに目を光らせたほうがいいんじゃないの、と思ってしまう。

「MIX TAPE」鑑賞

昨日から今週末にかけて、ここトロントでは「NORTH BY NORTHEAST」(略称NXNE)という音楽のフェスティバルが行われていて、いろんなライブハウスに無名のバンドがわんさか出演して、一つの盛り上がりを見せているのであります。テキサスでやってる同様のフェスティバル「SOUTH BY SOUTHWEST」を意識して始めたものだろうけど、あちらは20年の歴史を誇る大御所なのに比べてこちらは5年ほどだから、大手メディアの取扱いも天と地ほどの差があったりするわけだ。それでも元ストラングラーズのヒュー・コーンウェルとかニューヨーク・ドールズとか、ちょっと興味をそそられるミュージシャンも来ていたりする。 そしてライヴだけでなく音楽関係の映画やドキュメンタリーの上映会もちょろっと行われるということで、2003年のインディペンデント映画「MIX TAPE」を観に行ったんだが…。とってもつまらない作品でした。

前評判からは「ハイ・フィデリティ」みたいに、ミックス・テープ作りに全力をそそぐ男たちの心情を深く突いた内容かと思ってたんだけど、ただ単に音楽好きでチャラチャラしてるシカゴの男女を延々と描いただけの内容で、撮影・音響・演技のどれもが素人まるだしなので嫌気がさして途中で退席する。これに比べると「SLACKER」がいかにきちんと製作されていたかが実によく分かる。いくら超低予算でビデオ撮りしか出来なかったとはいえ、世の中にはレイモンド・ペティボンの「SIR DRONE」みたいな傑作も存在するわけだから、もっと作り込むか凝縮しろっての。

また本編の上映前にはトロントで撮影されたアマチュア・バンドのミュージック・ビデオも紹介されたが、これも男女がカラオケパブとかで踊ってるだけのお粗末な内容だった。映像作品の発表っていうと何か敷居が高いような気がするけど、とりあえず「発表したもの勝ち」のときもある、ということを学んだという意味ではいい勉強になったかもしれない。