八丈島旅行


最近はいまさら夏休みモードになっててブログの更新が滞ってるのですが、週末に八丈島へ個人旅行してきたので簡単な手記を。

羽田から早朝の便に乗ったら1時間もしないうちに到着。オンボロなレンタカーを借りて島巡りをすることに。コンビニやマックなどが無いことは聞いてましたが、飲食店やスーパーなども数えるほどしかなく、本屋は一軒、パチンコ屋が二軒くらい。当然映画館やDVDレンタルなども無く、ここは本当に東京都なのかと思うばかりの過疎っぷり。かといって観光客向けの設備などが充実してるわけでもなく、看板や標識が色褪せた、時代に取り残された感の強い島でしたね。郵便局と駐在所は多かったかな。

そんな町なかを通ってから三原山をぐるっと廻り、底土のビーチへ。ビーチといっても火山島なので黒い火山岩がむき出しになってるわけで、沖縄みたいな遠浅の砂浜のようなものはなし。足のつかない深さのうえに海流の流れが速く波も強いので、スノーケルだけで潜ったら結構怖かったよ。スキューバダイビングするとウミガメとかが見られて楽しいようですが。でも魚がチラホラいました:

あまりビーチで長居することもできず、あとは民俗資料館に向かう。江戸時代から罪人の流刑地として「発展」した島ということで、詐欺で捕まった商人によって芋焼酎がもたらされたとか、島の風俗文化を書き記した偉い人がそもそも江戸で女子供を含む7人を惨殺してたとか、なかなか裏のある歴史が面白かったですよ。島人の起源は漂着した妊婦が息子と交わってできた子供たち、という手塚治虫の「火の鳥」を彷彿とさせる伝承も興味深いな。島流しの場所なのに、そこで罪を働いた人は横の八丈小島(生活環境が過酷すぎて現在は無人島)にさらに島流しにされたらしい。

ホテルに一泊したあとは八丈富士を目指す。車で行ける登山口から頂上までは300メートル程度ということで余裕こいてたものの、山道の傾斜がきつくてすぐバテる。それでもどうにか辿り着いた山頂は、火山なのでカルデラになっており大きな窪みに木が生い茂ってるジャングル状態。火口のなかに神社があったり、カルデラ一周のコースなどもあったのだがサンダル履きではキツかったので下山することに。見晴らしはよかったですよ:

あとは水着で入る露天風呂に入ったり、時間を適当につぶして夕方の便で帰る。スキューバとか釣りといった目的があればもっと楽しめたんだろうけどね。とりあえず1泊2日でぜんぶ見て回れるような場所でした。

「The Random Adventures of Brandon Generator」鑑賞


マイクロソフトがエドガー・ライトと組んで立ち上げたウェブ上のプロジェクト。公式サイトはこちら。当然ながら「IE9で観るのがいちばんいいよ!」なんて書かれてるんだが、うちのマックのsafariでも普通に観られました。

2週間ごとに1話がアップされていく全4話のウェブシリーズで、第1話の脚本がエドガー・ライト、アートがアメコミ・アーティストのトミー・リー・エドワーズ…って久しぶりに名前を見た気がするな。他にも音楽がデビッド・ホルムズでナレーションが「マイティ・ブーシュ」のジュリアン・バラットとスタッフがやけに豪華だったりする。

内容はいわゆるモーションコミックで、主人公のブランドンはライターズ・ブロックに苦しむ作家で、優れた作品を書いてみたいと思うものの何も思いつくことができず、「ヒューゴ」みたいな狭い部屋に住んでコーヒーをガブ飲みしながら空白のPC画面を見つめる日々を過ごしていた。そんなある日彼はPCの前で居眠りをしてしまうが、目覚めるとPCには文章が書かれ、ノートにはイラストが描かれ、音声メモには録音が残されていた。これらについて全く記憶がないブランドンだったが、果たしてこれはすべて彼の手によるものなのか、そして彼が書いた文章とは一体どんなものなのか…というようなプロット。

このあとはどうも読者参加型の形式になるらしく、読者(視聴者?)はサイトを通じて文章やイラストを投稿でき、そこから選ばれたものが次の話に組み込まれる形になるらしい。ファンとしては最初から最後までライトに話を書いて欲しいところなんですが…。個人的にはこういう読者参加型の仕組みって一貫性を欠いたものになりがちであまり好きではないのですが、今回のはどんな結果になるんだろうね。でもまあうまくいけばあなたの作品が世界に認められてライトたちと友達になれるチャンスかもしれないので、腕に自信のある人は何か投稿しているのもいいんじゃないでしょうか。

謹賀新年2012


みなさま明けましておめでとうございます。

昨年は震災を筆頭にいろいろ多くのことがあった年でしたが、まあこうして新年を迎えられているわけで、人間しぶとく生きていけるものだと思うこのごろです。決して楽観論者ではありませんが、やれ日本が終わるだの世界が終わるだの唱えている連中には感心しませんね。震災のボランティアにやってくる多くの人たちを見て、みんなやるじゃんと昨年は思いましたよ。

とはいえ先行きが見えない時代に生きているという実感は明らかでして、自分も仕事が今年は正念場かなあと。まあ養う妻子もいないし家のローンとかもないから根本的には気楽なものですが。健康には気をつけたいところです。

それでは今年もよろしくお願いいたします。

震災ボランティア


勤めてる会社(のグループ)が震災のボランティアを募ってたのでこないだ宮城県まで行ってきたのだよ。旅費とか宿泊費は会社持ちということだったので、1日数時間の労働と引き換えに仙台とか観光できればめっけもんかな、と不埒な気分で行ったわけですが、炎天下のなかで不慣れな労働をしたらフラフラになって観光どころじゃなかったですね(帰りはちゃっかり途中で塩原温泉に泊まってきましたが)。でも仙台は通りが広くてきちんと整備されたいいところでしたよ。

仙台市街とかはもう震災の被害は殆ど感じられないものの、北仙台駅の近くの神社では鳥居が崩壊していたりして地震の脅威を物語っていたほか、市街地から離れるとフェンスがひん曲がったり壁が崩れた建物がちらほら見かけられるほか、海の近くではクシャクシャになった車が転がってたり、あちこちにガレキの山が見受けられたな。7月とかに比べてもずいぶん片付けられたらしいけど、元のようになるにはまだまだ時間がかかるでしょう。これは政府がチンタラやってるせいなのか、それとも地震の被害があまりにも大きかったせいなのかは俺には分からない。たぶん後者だと思うけど。

そして俺らが行ったのは石巻のちょっと西にある七ヶ浜という町で、丘の上のボランティアセンターにおいて与えられた仕事は個人宅の片付けというもの。浸水した家の家具でも運び出すのかな、と思ったら全然違って、津波によって土台を除き家屋がぜんぶ流されたお宅のガレキ掃除をするというもの。ちゃんと海の前には数メートルの高さの堤防があって、その後ろには松林があったりするんだけど、海沿いの家はみんな跡形もなく流されていた。そこからちょっと先にある高台の上の家はみんな無事であるのを見ると、もう低地には住みたくないという被災者の意見はよく分かる気がする。

家の跡地の地面はどれだけ掘ってもガラスの破片や欠けた茶碗などが次々と出てきて、七ヶ浜がかつてのような海水浴場になるには長い時間がかかるだろうなあ。そんななかで子供の玩具や家族の写真とかが埋もれてるのを見ると、何とも言えない気分になりますね。七ヶ浜のキャッチフレーズは「うみ・ひと・まち」だそうだけど、それが津波によって文字通り一緒になったというのはどうも皮肉なものですな(失礼)。清掃作業は前述したように結構しんどかったけど、どうにか避難して仮設住宅に暮らしてる家主さんがジュースとか差し入れてくれるのを見ると、ぶっ倒れてでも作業しようという気になるわけで。

企業からのボランティアは俺らのほかにもソニーや京セラなどが数十人規模で社員を派遣していたほか、大学生の団体などが来てましたね。あとは皆でお金を出し合って名古屋からやって来た市民グループとか、個人でやってきた人たちもいたな。和歌山からやってきたという老夫婦なんて、七ヶ浜に来る前は福島に物資を届けてたらしい。皆それぞれの理由とか思想とかあるんだろうけど、その行いにはただただ頭が下がる思いです。

ガレキの転がる空き地のなかでは子供たちが遊んでいたし、近くのコンビニは割れたウィンドウにブルーシートを貼って営業したりして、被害にもめげずにみんな以前の生活に戻ろうとしていたな。それに帰りの新幹線からは福島を見てきたけど、閑散としている一方で人々はめげずに日常の暮らしを続けているわけで、やれ放射能が怖いだの今までの日常は終わっただの騒いでる人たちこそ東北の状況を見てくるべきじゃないですかね。

僅かながらも人の役にたったという満足感を得た一方で、もっと手際よく作業ができたんじゃないかという奇妙な罪悪感を抱きながら被災地をあとにしたわけですが、また機会があればぜひ行ってみたいところです。

お肉の情報館

たまには社会見学でもしよう、ということで品川の中央卸売市場食肉市場へと行ってくる。あれって品川駅のすぐ近くにあるのね。本当は屠殺場とか肉のセリを見たかったのだが、当然ながら個人での見学はできず、敷地内にある「お肉の情報館」だけ見てきた。

ビルの一角を使った展示室といった感じで決して広くはないのだが、日本の食肉の歴史とかブタやウシの模型などが展示してあって、食肉のことはひととおり分かるものになっている。動物を屠る作業の流れも詳しく説明してあり、でっかいナイフやフックなんかも飾られていた。動物を殺す作業は洗練されているようで、数年前までは脊髄にワイヤーを通して神経を破壊して暴れないようにしていた、なんて解説を読むとうーんと考えてしまいますね(いまは電流を流してるらしい)。

あとは畜産業に関わる人たちの人権の解説にも多くのスペースが割かれていて、関係者に送られてくる誹謗中傷の手紙なんかも展示されていた。モリッシーみたいなハードコアなベジタリアンが書いてるのかと思いきや、「ブタは韓国で殺して肉を飛行機で持ってこい!」みたいなことが書いてあったりして、結局肉は食いたいのかよ!といった感じでした。要するに食肉というよりも部落差別がされているんだよな。ネット上の書き込みに比べ、リアルな手紙に書き連ねられた罵詈雑言というのはインパクトありますね。ただし食肉業界もイメージの向上を気にするあまり、横山光輝の「三国志」における肉屋の描写に抗議して変更させるなんて行為は矛先が違うと思うよ。

俺自身は家ではなるべく肉を食べないようにしているのですが、人間が他の動物を食べるというのは、これはもう歴史的にも文化的にも仕方ないことだと思うのですね。米トラベル・チャンネルの「Bizarre Foods」という世界のゲテモノ料理を紹介する番組があってよく観ているのだけど、世界のあちこちで気のいいオバちゃんたちがニコニコしながら動物をさくっと屠って伝統料理を作る(ただし内臓や皮などは一切無駄にしない)のを観ると、まあ人間というものは食べられる物はなんでも食べることで生き延びてきたのだ、と思わずにはいられないのですよ。とはいえ食べ物が豊富になった(はず)の文明国では食肉を控えても十分に生活できるわけだし、それが環境保護につながるという意見もあるわけで、まあいろいろ考えさせられる一日でした。