SF映画の続編で一番ヒドいのは?

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Slashdotの投票コーナーで「SF映画の続編で一番ヒドいのは?」というのをやっていて、次の8つが挙げられている:

「ロボコップ3」
「スター・トレック5」
「スター・ウォーズ エピソード1」
「エイリアン4」
「マトリックス・レボリューションズ」
「ターミネーター3」
「エスケープ・フロム・LA」
「20 Million Miles to CowboyNeal」

8番目の「20 Million Miles to CowboyNeal」というのはネタ用の架空の映画だから除外ね。全部観たことのある作品ばかりなので個人的な感想を述べていくと:

「ロボコップ3」は「ロボコップ」シリーズの中では一番面白いぜ!「家族のことを考えろ」と言われて「俺は家族の誇りなんだ」と言って警察バッジを投げ捨てて市民たちの味方につく警察所長たちのシーンなんて、フランク・ミラーの男泣きのテイストがバリバリで最高じゃないの。あと「ロボコップ2」も一般的な評判は悪いけど、フィル・ティペットによるストップモーションでガシガシ暴れまくるロボコップ2のシーンは実に素晴らしいと思う。さらに言うと「ロボコップ3」のあとに出来たTVシリーズもなかなかの出来で、「ロボコップ」シリーズは後になるほど面白さが増してったと思うんだが、これって俺だけだろうか。

「スター・トレック5」は劇場まで観に行ったけど、まあ確かに突然現れるスポックの兄とか、ウフーラのダンスとかダメな点はいろいろある作品なんだけど、キャストが楽しそうに演じてるからいいんじゃないの?「スター・トレック:叛乱」のほうが駄作だったと思うけど。あと「ネメシス」は一般的に言われてるほどヒドい映画ではなかったと思うよ。

投票で一番人気(?)の「スター・ウォーズ エピソード1」は作品の出来が云々というよりも、個人的にちょっと仕事で関わったことがあって、いろいろ学ばせてもらった映画なので口が裂けても駄作とは言えんなあ。

「エイリアン4」は問題外。あれは傑作。「エイリアン3」だったら1票入れたかも知れんけど。

「マトリックス・レボリューションズ」が投票では2番人気か。決して悪い映画ではなかったけど、確かに第1作の人気にのっかって悪ノリしてるような内容だったことは否めない。俺が第1作を好きなのは、あれがグラント・モリソンのコミック「インビジブルス」をかなり明白にパクっているということなんだけど(これについては諸説あり)、2作目と3作目は「機械と人間の対決」を中心に持ってきてしまい、「インビジブルス」のように「現実とは何か」というテーマを扱わなくなってしまったのが非常に残念なところだった。

そして「ターミネーター3」。「ターミネーター2」もそんなに好きじゃなかったけど、こちらは明らかに肉体的衰えが見える主役、まるで怖く悪役、観客の期待を裏切るような結末と、「この映画はつくる意味があったのか?」と考えさせるような出来のものだったんで、とりあえず俺はこれに投票しときました。ニック・スタールはアレキサンダー・シディグにしか見えないし。

「エスケープ・フロム・LA」は濃いオヤジ俳優が総出演してた前作の足下にも及ばなかったけど、意味もなく表れるピーター・フォンダとか、相変わらずお美しいパム・グリアーとかが良かったので及第点。

あとスラッシュドッットのコメント欄では「ハイランダー2」こそ最悪の続編ではないか?という意見が多く出てるみたい。確かに前作と何のつながりもないストーリー、自分で島流しにした主人公をわざわざ追いかけてくる悪役、悪ふざけで演技してるとしか見えないショーン・コネリーなど、見てて腰が抜けるような展開が満載の映画だけど、単に駄作として片付けるにはあまりにも勿体ないというか何というか。ディレクターズ・カット版は面白いという話だけど、ホントかいな。

ちなみに「SF映画の続編で一番優れてる」のは何と言っても「グレムリン2」だよなっ。あれをSF映画と見なすかどうかは微妙なところだけど。

「ザ・スピリット」のポスター

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ここ最近は「シン・シティ」や「300」のヒットによりハリウッドでの株価がグンと増してきたフランク・ミラーが、ついに(なぜか)監督を務める「ザ・スピリット」のポスターが発表されてた。絵はもちろんミラーによるもの。

「ザ・スピリット」というのは何かというと、アメコミの神様のような故ウィル・アイズナーが1940年代に創作したコミックおよびその主人公の名前のこと。従来のスーパーヒーローものとは一線を画したその洗練されたスタイルにより、アメコミの金字塔と見なされている作品なのです。

生前のアイズナーと親交の深かったミラーが監督をやりたがるのは自然なことなんだろうけど、前にも書いたようにここ最近のミラーの作品はとっても大味なものになっているので、アイズナーの真面目なんだけれどどこかユーモラスなスタイルをちゃんと映像化して欲しいところです。

そもそもポスターの絵がスピリットに見えないんだけど…。

「STARDUST」トレーラー

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ニール・ゲイマン&チャールズ・ヴェスによるイラストつき小説「STARDUST」の映画版のトレーラーが公開されていた

ヴェスの絵ってあんまり好きじゃないんで(嫌いでもないが)原作は読んだことないんだけど、なんか普通のアクション映画になってそうな予感…。ロバート・デ・ニーロにミシェル・ファイファー、ピーター・オトゥールにイアン・マッケランとキャストはやけに豪華だけど、どんなもんでしょ。お姫様がクレア・デーンズだというのが何か微妙かも。

アラン・ムーアやフランク・ミラーに引き続き、今度はゲイマンの作品がどっと映画化されることになるのかな。

誰が「ウォッチメン」を観るのか?(たぶん多くの人)

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アメリカでは「300」が予想外の大ヒットとなったおかげで、ザック・スナイダーによる「ウォッチメン」の映画化もずいぶん現実味が出てきたみたいだ。売れっ子監督は何でもできる業界だからねえ。

早くもロールシャッハのイメージ画像(上の写真)が公開されたり、オジマンディアスにはトム・クルーズが配役されるという噂が流れるなど、製作準備は着実に進んでいるみたい。アメコミ映画の聖杯だった「ウォッチメン」もついに映像化されてしまうのかあ。でもやっぱりあの話を2時間とかに詰め込むのは無理だと思うんだが。

あと個人的にはやはりスナイダーではなくテリー・ギリアムやダレン・アロノフスキーに映画化して欲しかったと思うことしきり。

「シン・シティ2」の撮影が始まるらしい

「シン・シティ」の続編の撮影がそろそろ始まるそうな。脚本はほぼ完成してるんだとか。今回はやはり「A Dame to Kill for」が映画化されるほか、映画版オリジナルの話が使われるらしい。「A Dame〜」のエイヴァ役にはレイチェル・ワイズが起用されるって話があるけど、あの悪女役にはアンジェリーナ・ジョリーがピッタリだと思ってたのでちょいと残念。

んでオタクの興味としては原作の残りの話がいつ映画化されるのかってことになるんだけど、あんまり面白くない「Hell and Back」は「シン・シティ3」として映画化されらしい。そうなると「Family Values」はどうなってしまうんだろう。俺はあの話大好きなのに。

これらの映画化にあわせてフランク・ミラーは再び「シン・シティ」ものの執筆をはじめるらしいけど、最近の彼の作品て「All Star Batman & Robin」みたいにダメダメな作品が多くなってるから、「Hell and Back」よりも面白くないものになったらイヤだなあ。