「BORED TO DEATH」鑑賞

ジェイソン・シュワルツマン主演のHBOの新作コメディ・シリーズ。今だと特別プレビューということでポッドキャストで視聴できるぞ。

原作はジョナサン・エイムズとかいう作家によるもので、シュワルツマンが演じるのはフィクション化されたエイムズ。さえない作家である彼は酒とマリファナばかりやってたためにガールフレンドに逃げられたばかりで、気晴らしに「こちらアマチュア探偵。安い値段で事件を解決します。」なんて広告をネットに掲載したところ、実際に依頼の電話がきたために右も左も分からないまま事件に巻き込まれていく…というのが主なプロット。

シュワルツマンが主演ということでウェス・アンダーソン的なものを期待してしまうけど、内容はあれほどシュールではなくて普通にオフビートなコメディといった感じ。HBOのドラマって地上波のものとは違う独特のクセがあって、作品の雰囲気を十分理解するのに数話かかることが多い気がするんだが、この作品もその1つかな。でも個人的にガムシューものは好きなので人気が出て欲しいところです。あとシュワルツマンの脇を固める共演者がザック・ガリフィアナキスとテッド・ダンソンだというのがやけに豪華ではある。

ちなみに探偵小説とかではおなじみの、酒場のバーテンとかに金をちらつかせて情報を聞き出すシーンが出てくるんだけど、実際にああいうやり方で口を割らせる奴なんているのかね。そもそもいったい幾らくらい渡せばいいんだろう。フィリップ・マーロウは5ドルとか10ドル札を使ってたような記憶があるけど。

「FREEJ」鑑賞

youtubeで鑑賞。ドバイで国民的人気を誇るCGアニメだそうな。古風な考えをもった4人のおばあちゃんたちと、急速に近代化していく周囲の環境とのギャップを描いた内容らしい…英文字幕のある動画を見つけられなかったんだけど、ざっと観た限りでは普通の家族向けアニメという感じか。原作者はボストンに留学中に「サウスパーク」などを観てこの作品を発案したそうだけど、あそこまで過激なネタとかはないみたい。でもイスラム教を風刺したギャグが問題になったりもしたんだとか。

CGの出来は意外と良くて、アメリカとかでも十分通用しそうなクオリティではあるけど、いかんせん主人公がみなヴェールをまとっているのが違和感あるよなあ。イスラムのれっきとした文化だというのは承知してるのですが、表情による感情表現が分かりにくいのはアニメとしてどうかと。

でもこういう番組はイスラム圏のみならず欧米のイスラム人口にも需要があると思われるので、世界市場的には日本のアニメと競合することになるのかもしれない。

「THE WIRE」シーズン5鑑賞

ついに来たよ最終シーズン。今回は現代社会における新聞およびジャーナリズムの意義とその没落を軸に、財政難にあえぐ警察において危険な賭けに出る刑事たちと、麻薬組織の最後の対決を描いていく。

ボルチモア市議会による大幅な予算削減のために警察の予算も大きく削られ、スタンフィールド一味による犯罪への捜査もままならない状況になっていた。これに業を煮やしたマクノルティはホームレスを狙った連続殺人鬼がいるという話をでっちあげ、犯罪捜査への予算を引き出そうとする。これに便乗して地元新聞紙「ボルチモア・サン」の記者が扇動的な記事を書いて名声を得ようとするものの、当然ながら殺人鬼は存在しないので記事を捏造することになり…というのが大まかな展開。これに絡めて領地の拡大を狙うマルロ・スタン フィールド一味と彼らを狙うオマーとの対決、そして財政不足という泥沼にはまった市長たちの物語などが語られていく。

シーズン4では殆ど登場しなかった暫定主人公のマクノルティが戻ってくるんだけど、あいつだけ保身に走らずに本能で行動するから、良くも悪くも周囲から浮きまくってるんだよな。彼による連続殺人鬼のでっちあげというアングルはちょっとリアルさに欠けるかな。またシリーズの原案者でボルチモア・サン紙の記者だったデビッド・サイモンによるジャーナリズムの描写はシニカルすぎる気がしなくもないが、発行部数の低下のためにセンセーショナルな記事を求めようとする上層部と、あくまでもプロのジャーナリストとして記事の裏付けや情報源の確認などを求めるベテラン記者の葛藤は非常に見応えがあった。おかげで新聞記事の見方が変わったよ。

そして最終シーズンということで麻薬組織との対決にある程度の決着がつくものの、当然ながら一件落着ですべてが終わるわけもなく、警察も麻薬組織も去る者がいる一方で、彼らの跡を継ぐ者たちが出てくるという描写が巧い。あれだけ登場人物が多い作品ながら、皆がそれなりの結末を迎えたわけで。

これで5シーズン全60話を観終わったわけだが、まるで重厚な小説を読んでるかのような感じであった。こういう作品はもう地上波ネットワークからは出てこないでしょうね。HBOも再度このようなシリーズは作れないかもしれない。それだけ見事な作品であった。

ちなみにこないだイギリスであったテレビ関係のフェスティバルで、デビッド・サイモンは「広告や視聴率に縛られているようではテレビ番組はダメになってしまう」みたいなことを語ったそうな。その一方では、同じフェスティバルでジェームズ・マードックが「BBC
はウェブ上でタダでニュースを提供していてけしからん!」といったことを言ったらしいが、あんたの親父のところだって低俗なニュースをタレ流してるじゃんかよ!

俺ってクール?

今週から「デイリーショー」と「コルベアー・レポー」が三週間の夏休みに入ってしまい寂しい限りなのですが、この2番組を熱心に観ている人の20%が「この番組を観ている俺ってカッコいい」と感じているということがリサーチで判明したそうな。

まあコメディ・セントラルによるリサーチらしいので手前ミソ的な感じは拭えないのですが、確かにほかのトークショーよりも若者向けだし情報量も多いので視聴者に優越感を与えるのかな。ということは俺も20%くらいは自分をクールだと思ってるのかしらん。

ちなみにこないだ「デイリーショー」のゲストにオバマの医療保険政策に反対する医療団体のオバハンが出ていて、ジョン・スチュワートに完璧に論破されたかと思ったら、次の日に辞職したというニュースには笑った。

「Glenn Martin, DDS」鑑賞

ニコロデオンの新作ストップモーション・アニメ。マイケル・アイズナーが製作に関わっている…ので当然のごとくツマらない。

歯医者でアナログなオヤジと、その妻子たちによるドタバタを描いたコメディだが、ニコロデオンの作品にしてはやたらジョークが下品だし、随所に挿入されてるラフトラックも非常に耳障り。おまけに第一話はアーミッシュを露骨にバカにしていて、観ていて非常に不快な限り。

別にニコロデオンの番組は人畜無害であれと言う気はありませんが(「レン&スティンピー」とかは斬新だったし)、こんなゴミを作る意味はないでしょう。ストップモーションの出来は優れてるだけに残念なところ。これを観ると、アイズナーのもとでディズニー作品がダメになった理由がよく分かるような気がする。