「The Mob Doctor」鑑賞


フォックスの新シリーズ。

シカゴの病院に務めるグレースは有能な外科医だったが、彼女は暗い秘密を抱えていた。ギャンブルにはまって多額の借金を抱えた弟を放免してもらう代わりに、彼女はマフィアの一味のために医療行為を行うことになったのだ。当初はケガしても病院に行けない構成員の治療などを行っていたのだが、ついには入院中の裁判の証人を殺すように命じられ…というようなプロット。

主人公のグレースを演じるのはジョルダーナ・スパイロ。って誰だ。若いわけでも美しいわけでもなく、うーんといった感じ。彼女の運命を握るマフィアの大物をウィリアム・フォーサイスが演じていて、まあビッグネームではあるのだが体型がもう緩みきっていて、全然凄みとかが感じられないのはどうかと。

そしてマフィアに従うことになったグレースはなんかオロオロしているだけ。気が強い女性だという描写はいくつもあるんだけど、じゃあ不遇な自分の運命をどう切り開いて行くのか、という決意のようなものが無いんだよな。その一方でマフィアとは関係ない病院の仕事でも患者を優先するあまりに上司にタテ突いたり、規程を無視したりして周囲に迷惑をかけまくっていたりする。マフィア絡みでは母親を危険にさらしたりしているし、主人公としてはどうも情けない。

どうも実話に基づいた暴露本をベースにしているらしく、ライフタイムあたりの2時間ドラマにしてたらコンパクトに収まったんだろうが、この設定でシリーズが続けられるとは思えんな。医療ドラマと犯罪ドラマをかけあわせたら、どっちつかずの凡作になってしまったという好例か。

「GUYS WITH KIDS」鑑賞


NBCの新シットコム。クリエーターにジミー・ファロンが名を連ねている。

内容は題名そのまんま。子連れの3人の男性が、子育てをしつつも自分たちの好きなように生きようと悪戦苦闘するコメディ。それって「Raising Hope」とか「Up All Night」で間に合ってますから。3人のなかには離婚したばかりのシングルファーザーとか、4人も子供がいて貧乏な一家の父親とかがいるんだけど、その貧乏親父が黒人だというのがステレオタイプ的でちょっとひっかかるな。

その黒人の父親を演じるのがアンソニー・アンダーソンで、彼ってコメディから始まって最近はもっとシリアスな役を演じているイメージがあったんだけど、まわりまわってまたシットコムに戻ってきたのか。でもこんな程度の番組にもどってきてもねえ。NBCって視聴率が凄惨なくらいに低迷しているとはいえ「30ロック」とか「Community」などといった熱心なファンを持つシットコムを揃えているのは強みいいと思うんだが、そのなかにこんな凡庸な内容の番組を持ってきてどうするんだろ。

最近はめっきり減った、観衆の前で撮影するマルチカメラのシットコムのスタイルをとっていることは褒めたいのですが、それ以外は何も特筆するところが無いような番組。

「Revolution」鑑賞


こんどNBCで始まる、「スーパーナチュラル」のクリエーターによるシリーズ。プロデューサーにJJエイブラムスが名を連ねていて、第1話の監督をジョン・ファブローが務めていた。

ある日突然、世界中のあらゆる技術が停止し、電力はおろかエンジンや電池も使用できなくなる「ブラックアウト」と呼ばれる現象が発生する。これによって世界の文化は壊滅し、人々は中世並みの暮らしを強いられることになった。そして舞台は15年後。若き少女チャーリーが暮らす集落に、その一帯を支配する私設軍の一味がやってくる。彼らはチャーリーの父親が「ブラックアウト」の原因について何か知っていることをつきとめ、彼を確保しにきたのだ。しかし生じた小競り合いによって父親は死亡し、チャーリーの弟は私設軍によって誘拐されてしまう。チャーリーは弟を救出するため、父親の言葉に従ってシカゴに住むという叔父を探しにいくのだが…というような話。

最近はめっきり減った「LOST」ライクな話で、文明が廃れた世界を舞台にしてる点は「ジェリコ」に似てるかな。ボウガン持って戦う少女が主人公なのは「ハンガーゲーム」あたりも意識してるんだろうか。エンジンが使えないのに銃は使えるとか、原始的な暮らしをしてるのにみんな化粧はバッチリで、夜はロウソクをふんだんに使った優雅そうな暮らしをしてるとか、いろいろツッコミどころがあるのには目をつぶろう。

むしろ気になるのは世界観がどうもみみっちいことで、集落からシカゴまで一昼夜くらいで到着するし、シカゴであっという間に叔父を見つけるし、どうも世界規模の話というよりも箱庭で行われてる物語という感が否めないんだよな。文明が荒廃したあとの世界の描写は「ウォーキング・デッド」や「フォーリング・スカイ」のほうがずっとリアルだったような。

キャストには「ブレイキング・バッド」で圧倒的な威圧感をもった悪役を演じたジャンカルロ・エスポジートがここでも私設軍の士官という悪役を演じてるけど、やはり「ブレイキング・バッド」と比べると地上波向けというか怖さが全然無いですね。あとのキャストはよく知りません。

「ブラックアウト」の原因についていろいろ伏線が張られたりはしているのだけど、「THE EVENT」や「フラッシュフォワード」みたいにどうにか1シーズン続いて、適当に謎が解決されて終わるような番組じゃないかなあ…。視聴率が低迷しているNBCに、こういう話がズルズル作品は向いてない気もするのだが。まあでも「LOST」ライクな番組ということで日本ではどこかの局がいずれ放送するのでは。

「ドクター・フー」シリーズ7開始


やっと始まりましたよシリーズ7。最近はイギリスとアメリカで同日に放送されるようになったので欧米の人たちはみんな首を長くして待っていて、知らぬは極東の日本人のみ。

前にも書いたようにシーズン6はサイレンスやらリバー・ソングやら「宇宙最古の質問」などといった謎というか伏線が乱雑していていまいちスッキリ楽しむことができなかったのですが、少なくともこのシリーズ7の第1話はサスペンスが満載で、最後にホロリとさせてくれる優れたエピソードであった。

今回のシリーズに先駆けてウェブで公開されたミニエピソードで示唆されたようにエイミーとローリーの夫妻が別居状態でいるところから話が始まり、ドクターが2人の仲を修復しようとするばかりでなく、ダーレクの集団に3人は拉致され、ダーレクの監獄だという惑星に送り込まれることに。そこで彼らが出会ったのは…という話。エイミーとローリーに代わってシリーズ途中から新しいコンパニオンになる女の子も出てきて、あれ彼女はクリスマス・スペシャルで初登場するんじゃ…と思いきや意外な展開が待ち受けていて面白かった。ジェナ=ルイーズ・コールマン演じる新しいコンパニオンは可愛くていいなあ。ドブスのローズの時代から大きく進展しましたな:

このあとはまた話がいろいろ複雑になってくるんだろうが、リチャード・E・グラントやダイアナ・リグなどといった俺好みの役者が出てくるらしいので期待せずにはいられない。そろそろ謎を一つくらい解決してくれてもいいような気もするけどね…。

「The New Normal」鑑賞


こんどNBCで始まるシットコムで、クリエーターは「GLEE」のライアン・マーフィー。

ブライアンとデビッドは幸せに暮らすゲイのカップルだったが、子供を持ちたいと考えて代理母の候補をあたるうちに、ウェイトレスとして働くゴールディーというシングルマザーに出会い、彼らの子供を出産してくれるように依頼する。しかし口うるさいゴールディーの祖母はそれを好ましく思わず…というようなプロット。

ゲイとレズビアンのカップル、代理母、シングルマザー、ドラッグクイーン、身体障害者などアブノーマルな人たちがいろいろ出てきて、「アブノーマルこそ新しいノーマルだよ!」と劇中で高らかに宣言されるという、ライアン・マーフィーの主義主張が露骨に反映された内容になっている。主張自体は結構なのですが、そのおかげでストーリーが割りをくってしまってるのはいかがなものかと。「GLEE」もシーズン2の半ばあたりからゲイの主張がやたら幅を利かせるようになって辟易したのですが、マーフィーはそこらへんもうちょっと控え目にすればいいのにね。

キャストはゴールディーの祖母をエレン・バーキンが絶妙な毒々しさをもって演じているほかは、よく知らない人たちばかりかな。ゴールディーを演じるジョージア・キングってイギリスの女優さんらしいですが、ちょっとブサカワイイところが薄幸なシングルマザーの役に似合ってますな。

こういう内容の番組が放送されるあたり、シングル・マザーが登場するだけで非難されてた「マーフィー・ブラウン」の時代に比べるとアメリカのTV事情もずいぶん寛容になったなと思うものの、例によってユタの放送局からは放映を拒否されるというゴタゴタも起きているようなので、視聴率的には苦戦するかも知れない番組。