「Political Animals」鑑賞


軽快な番組が多いUSAネットワークにしては珍しい政治ドラマ。これミニシリーズ扱いになるのかな?

エレイン・バリッシュは民主党出身の大統領のファーストレディーだったが、ホワイトハウスを離れてからはイリノイの州知事を勤め、やがて自身が民主党の大統領候補に立候補するものの、ライバルのポール・ガーセッティに破れてしまう。その直後に彼女は女たらしの夫に愛想を尽かして彼と離婚するが、ガーセッティに手腕を買われて国務長官として彼の政権に参加することに。こうして彼女は世界中のさまざまな危機に対処しながら、自分の家族(口うるさい母親、優等生の長男とゲイで落ちこぼれの次男、さらには元夫)をまとめあげようとするのでした…というようなストーリー。

このあらすじからお分かりだと思うが、主人公のモデルはヒラリー・クリントン。そこまで経歴を真似ますか?と思ってしまうくらいにヒラリーさん。彼女自身はやり手の政治家として描かれているものの、元夫(要するにビルだ)なんて若い女の子にばかり手を出し、酒を飲んでひたすら汚い言葉を口にするグータラですからね。アメリカ国民にとってビル・クリントンってやはりそんなキャラなのかなあ。

話の焦点は政治だけでなく家庭にも向けられていて、みんなクセのありそうな一家の面々をスキャンダルから守りながら、平穏な家庭を築こうとする主人公の苦労も描かれている。決してコメディではないんだが、ドタバタのノリもあるのはUSAネットワーク的といえばいいのかな。第一話の終わりで主人公が「私はまた大統領の座を目指すわ!」なんて決意したりするし、リアリティよりもフィクションを重視したドラマだと思えばいいのかも。

主人公のエレインを演じるのはこれがTVシリーズ初主演(だよね?)のシガニー・ウィーバー。ちょっと肩に力が入りすぎてるかもしれないが、さまざまなトラブルに見舞われた国務長官を好演しているぞ。最近のウィーバーはチョイ役が多かった気がするので、彼女が存分に演技してる姿が見られるのはいいですね。そして共演はキーラン・ハインズにエレン・バースティンにジェームズ・ウォルク、カーラ・グギノ、そしてディラン・ベイカーと俺好みの役者ばかり。ベイカー演じる副大統領は悪役めいた存在になるみたい。またコリン・パウエルの娘なんてのも出演してるらしい。

第1話は比較的凡庸な内容だったけど、キャストも豪華なんだから脚本によっては傑作になる可能性のあるシリーズじゃないですかね。

「Hit & Miss」鑑賞


クロエ・セヴィニー主演のイギリス製のTVシリーズで、クリエーターは「シェイムレス」など崩壊家庭ものを得意とするポール・アボット。

ミアはマンチェスターを拠点とする美しき殺し屋だったが、実は彼女はトランスジェンダーの男性であり、昔の恋人の女性がガンで亡くなったことと、自分には彼女とのあいだに11歳の息子がいることをある日突然知らされる。そして彼女が息子のところに赴くと、そこでは息子のほかに3人の子供たちが母親のいない家で細々と生活していた。ミアに対して敵対感を抱く子供たちだったが、母親の遺言でミアが彼らの後見人に指名されていたこともあり、彼女はそこで暮らすことになって奇妙な共同生活が始まる…というようなストーリー。

クロエ・セヴィニーはイギリス訛りを(どうにか)流暢に使用しているほか、偽チンコをつけたヌードを披露するなど体を張った演技を見せてくれるのだが、格闘シーンではどうも腰が引けてるのが興醒め。ヒジを曲げたパンチはあまり痛そうではないぞ。あと彼女は田舎の家に移り住んだあとも殺人の依頼を受け続けるんだが、日帰り出張するヒットマンになるんですかね。

サスペンスかというとそうでもないし、家族ドラマかというと殺人シーンがいろいろ出てきてどうも不思議な感じ。そもそも2つあった原案を1つにしたシリーズなんだそうな。イギリスのドラマらしくジメッとした雰囲気のなか話が進んでいくのですが、かなり異質な設定ということもあり、今後の展開はそれなりに気になるところです。

こないだまでYoutubeで第1話が公開されてたんだが、もう観れなくなっていた。

「THE NEWSROOM」鑑賞


「ソーシャル・ネットワーク」に「マネーボール」、そしてスティーブ・ジョブスのやつと、最近は伝記映画の脚本家という印象が強いアーロン・ソーキンによる、ニュース番組の裏側を描いたHBOの新作シリーズ。第1話の監督はグレッグ・モットーラだった。

ケーブル局のニュース番組でキャスターを務めるウィル・マカヴォイは政治的に中立のスタンスを保ち、自分の意見も口にしない人物であったが、大学の討論会で「アメリカが偉大な国である理由は何だと思いますか?」と質問されたときにブチ切れて「アメリカは偉大な国じゃないんだよ!かつてはそうだったかもしれないけど、いまの世代は最悪だ!」とぶちまけたために大センセーションを起こし、しばらく休業するはめに。そして職場に復帰すると自分のスタッフの大半は別の番組に異動しており、それを見かねた上司で恩師のチャーリーはウィルの元彼女でプロデューサーのマッケンジーを招聘してウィルをサポートさせるのだが…というようなプロット。

ソーキンは以前にもスポーツ番組の裏側を描いた「SPORTS NIGHT」とかコメディ番組の製作陣を扱った「STUDIO 60」とかを作った人なので、また自分の土俵に戻ってきたなあ、という感じ。よってソーキン節が炸裂していて、最初から最後まで出演者が凝ったセリフを喋りっぱなし。「STUDIO 60」ではこのノリに視聴者がついてけなくてすぐ打ち切りになってしまったわけだが、今回はどうなるんだろう。

でも海岸の油田事故を報じるニュースのシーンなどはものすごく緊迫感があって、派手な展開があるわけでもないのにウィルが事故の責任者を詰問していくあたりはジャーナリズムの重要性を巧みに打ち出していて流石に見応えがあったな。スタッフの姉が石油会社に勤めていたために重要な情報がリークされてくるという展開はちょっと都合が良すぎたけど。

主人公のウィルを演じるのがジェフ・ダニエルズで、共演がエミリー・モーティマーやデヴ・パテル、オリヴィア・マン、サム・ウォーターストンと結構豪勢な面子。今後はジェーン・フォンダも出てくるらしくて、リベラル寄りの出演者で固めてんなあ。

例によって全体的に衒学的というか説教くさいところがあって、良くも悪くもソーキンの作品ではある。アメリカの評判も2つに別れているみたいだけど、個人的には結構楽しめた作品でしたよ。ちなみにエドワード・R・マローやウォルター・クロンカイトといったニュースキャスターたちの伝統が劇中で語られるんだが、日本ではそういう伝説的なキャスターがいないのでちょっと憧れますね。

「DALLAS」鑑賞


TNTで始まった、過去に13シーズンも続いた大ヒットドラマの続編。リメークではなく続編だあるところがポイントで、前作のキャストがそのまま出演していたりする。「JR」役のラリー・ハグマンなんて80歳ですよ。日本でも80年代初頭に放送してたのはぼんやり憶えてるんだけどね、ろくに観たことないっす。

話の内容も当然ながら前作を踏襲したものになっていて、テキサスの富豪一家であるユーイング家を舞台に、石油に絡んだ利権とか肉親同士の争いとか男女間の嫉妬とか、そうしたドロドロした展開が繰り広げられるらしいんだが…誰が誰だか全然分からんのよ。各キャラクターの説明もろくにされず、前作からそのまま話が進んでいくものだから、誰と誰が肉親でどういう関係にあるのかもよく分からない次第であった。まあこれは俺の方に問題があるわけですが。

そして話の内容は典型的なナイトタイム・ソープで、ガンを隠す家長とか、かつて恋仲にあった男女とか、怪しい目的を持った女性とか、まあベタな要素がてんこ盛りであったよ。こういうドラマの元祖が「ダラス」であることを考えると当然の展開であるわけだが、どうも自分の好きなジャンルのドラマではないな。

また21世紀になっても石油に固執してるのはいかんと考えたのか、家族の1人が代替エネルギーとしてメタンハイドレートの掘削を中国で行ってるんだけど、それが大地震を誘発する可能性があることがわかり、やっぱりメタンって頼れないよねという結果になったんだが、メタン掘削ってそういうものなんですか?

ベタな内容とはいえ第1話はケーブル局の番組として今年度最高の視聴率を稼いだそうで、やはりアメリカでは国民的な番組なんでしょうね。今回もJRが撃たれたりするのかしらん。一方で日本では前作が3シーズンで打ち切られたとのことなので、この新シリーズも放送される可能性は低いような気がする。

「SAVING HOPE」鑑賞


NBCの新作シリーズで、カナダからの輸入品。カナダ製の製作費が安いドラマが放送されるようになると、あー夏が始まったなという気分になりますね。尤もNBCは普通のシーズン中も「THE FIRM」とか放送して視聴率稼ぎを放棄してたわけだが。

チャーリーはトロントのホープ病院の優秀な医師だったが、同じ病院で働く恋人との結婚式に向かう途中に交通事故に遭い、昏睡状態になってしまう。そして気付くと彼は自分の体を離れて精神体として自在に動き回れるようになっており、病院で亡くなった人たちとの霊と話せるようになっていた…というようなプロット。

こういう設定ならば普通は話がオカルトっぽくなるか、「Life on Mars」みたく主人公が必死に現世に帰ろうとするか、あるいはその能力を活かして患者を救うことをしそうなものだけど、何と主人公は突っ立ってるだけで何もしないでやんの。自分を蘇生しようとする恋人の姿を眺めたり、死者の霊と話したりするだけで、何をしたいのかが全然分からないのですよ。別に「ハウス」よろしく毎回患者を救えとは言わないが、単に病院の日常を描くだけならこんな設定は不要だったろうに。

チャーリーを演じるのはマイケル・シャンクス…って「スターゲイト SG-1」の人か。スピリチュアルな雰囲気を出すためか青い光が強調されてるんだけど、CGによるレンズフレアが加えられまくっていて目障りな限り。J・J・エイブラムスの「スター・トレック」以上にフレアがうざったいぞ。

TVムービーとかならまだしも、この設定で1シーズンひっぱるのは相当厳しいんじゃないだろうか。ちなみにカナダってアメリカと異なり公的医療保険が存在しているんだけど、アメリカの視聴者は番組を観ていてそこらへんが気になったりしないのかな。