「BUNHEADS」鑑賞


ABCファミリーの新作ドラマ。「ギルモア・ガールズ」のクリエーターとして知られるエイミー・シャーマン=パラディーノによる作品で、あの畳み掛けるような素早いセリフまわしは健在だぞ。

ミッシェルは才能あるダンサーだったが運に恵まれず、ラスベガスのダンサーとして細々と暮らしている女性。ミュージカルのオーディションも受けられず落ち込んでるところに、熱心なファンであるハベルという男性の求婚を受け、つい承諾してしまう。こうして結婚した彼女たちはハベルの家がある海辺の小さな町に向かうが、そこではバレエの教師をしているハベルの母親が待ち構えており、息子の結婚を好ましく思っていなかった。そのためミッシェルと彼女は反目しあうものの、やがてダンスへの情熱で通じ合って仲良くなるのだが…というようなプロット。

バレエに打ち込む少女たちが出てきてダンスのシーンが多分にフィーチャーされてるあたりは「GLEE」を彷彿とさせるものの、あそこまで派手ではなくてあくまでもストーリー主体といった感じ。ミッシェルを演じるサットン・フォスターってブロードウェイで活躍してる女優ということでダンスの腕前もさることながら、絶妙なコメディエンヌぶりを発揮していてとてもいい感じ。

あとはABCファミリーなのでダンス教室の生徒の少女たちにも焦点があてられていて、「MAKE IT OR BREAK IT」みたいなベタな感じにもならず、女の子たちの情熱とか葛藤とかがうまく自然に描かれてるんじゃないかな。

マイノリティの出演者がいないことと第1話の終わり方が少し気になるけど、個人的にはとても楽しめた番組でしたよ。手慣れたクリエーターによる手堅い作りの作品といった感じですかね。

「BURNING LOVE」鑑賞


コメディ集団「THE STATE」のケン・マリノが日系人のカミさんと作ったウェブシリーズ。米ヤフー!のサイトで配信中で、日本から観るにはIPアドレスをゴニョゴニョする必要あり。

同じくウェブシリーズとして始まった「CHILDRENS HOSPITAL」が「ER」のような医療ドラマのパロディであるのに対し、こちらは「The Bachelor」のような恋愛もののリアリティー・シリーズのパロディで、独身の消防士マークの妻の愛を求めて、10数人の女性たちが競い合うという内容になっている。

それで集まった女性たちがみんなクセもの揃いで、妊娠中だったり80代だったりパンツ履いてなかったりと、いろんなネタが仕込まれていて結構笑える。なぜかケン・チョンが女装して紛れてたりするし!あと盲目の女性がいてきわどい差別ギャグの対象になってたんだけど、あれいいのかな。そして彼女たちは徐々に花嫁候補から脱落していき、やがて勝者が決定されるみたい。

マークが女性たちの特徴にまるで気付かぬままシュールな展開が繰り広げられていくんだけど、ゲストに出てくる俳優陣がとても豪華で、前述のケン・チョンのほか「THE STATE」のマイケル・イアン・ブラックが番組の司会者役で出演していたり、ベン・スティラーやアダム・スコット、さらにはジェニファー・アニストンがチョイ役で出てたりするぞ。

「CHILDRENS HOSPITAL」同様に、ろくにストーリーなど設定せずに、短い尺にギャグをぎっしり詰め込んでるのが面白いですね。今後のアメリカのコメディ番組って、視聴率や放送時間枠に左右されずに番組を作れるウェブシリーズがどんどん伸びていくのかもしれない。

「MEN AT WORK」鑑賞


TBS(アメリカのケーブル局だよ)の新作シットコムで、クリエーターは「Franklin & Bash」のフランクリンことブレッキン・メイヤー。

マイローはニューヨークの雑誌の編集部に務めるナイーブな男性だったが、ガールフレンドにふられてひどく落ち込んでしまう。そんな彼を3人の同僚が慰め、奮起させようとするのだが…というのが第1話のプロット。

男4人がただダベっているだけの、ひどく凡庸なシットコムだなあといった感じ。「SATC」みたいにウィットが効いているわけでもないし、男の本音を描いてるわけでもなく、東海岸のマスコミ関係者が酒飲んでたわむれてるだけで、共感できるようなところが全然ないんだよね。第2話ではJKシモンズとかイーサン・スプリーなどと豪華なゲストも登場するものの、あまりまっとうに使われてなかったような。

ケーブル局なんだからもっと幅広いネタが扱えただろうし、ブレッキン・マイヤーって若い頃から映画業界にいるんだからもうちょっとオリジナリティのある作品にしても良かったと思うんだけどね。本国のメディアにも叩かれてるようなのであまり長続きはしないでしょう。

「COMMON LAW」鑑賞


USAネットワークの新作シリーズ。

いわゆるバディ・コップもので、トラビスとウェスはLAPDの殺人課に務める敏腕な刑事たちだったが、微妙にウマが合わずケンカをしてばかり。しまいには銃まで出てくる大ゲンカをしたことからカップル向けのセラピー教室に通うよう上司に命じられ、渋々参加した教室ではゲイのカップルだと勘違いされつつも、どうにか協力して今日も事件を解決していくのだった…というようなプロット。

こういう作品って主人公の2人の掛け合いにすべてがかかってると思うのだけど、その点ではどうも全体的にもったりとしてる感じがするのは俺だけでしょうか。神経質な白人と気さくな黒人のコンビ、そして両者の振る舞いに頭を抱える小太りの上司、というのも非常に典型的で目新しさが無いような。第1話では俺の好きなジョン・シェアが出てるのにすぐにいなくなってしまうのも何か残念。

まあ典型的なUSAネットワークの作品といった感じで、それなりに長続きはするかもしれないけど、あの局のバディものだったら「サイク」のほうがずっと面白いよね。

「The Legend of Korra」鑑賞


ファンや批評家たちに絶賛されつつも(シャマランの映画版と一緒にするなよ)2008年に終了した、ニコロデオンのアニメ「アバター 伝説の少年アン」の続編シリーズ。

舞台となるのは前作から70年後の世界。風・土・火・水の4元素を自在に操ることのできる「アバター」となったアンによって世界の平和は取り戻され、長い年月のあとアンはその寿命を全うしていた。そして水の国に生まれた少女コラは次のアバターとなる才能を秘めた存在であり、アバターとして大成する修行を積むために大都市リパブリック・シティに向かうのだが、そこでは謎の仮面の男が率いる、反アバターの勢力が勃興していた…というようなプロット。

アンの息子とかも出てきて、前シリーズを観てないとちょっと話がつかみにくいところもあるものの、全体的にとても楽しめる内容になっている。前作は幼い少年のアンが主人公だったのでお子様向けの印象が強かったんだが、今回は主人公コラの年齢がハイティーンになったこともあり、より幅広い年齢層が楽しめるんじゃないかな。アクションありロマンスありコメディありの絶妙な脚本に加え、20世紀初頭の中国の都市をイメージした風景も非常に美しい。

そして圧巻なのはアニメーションの出来で、プロの格闘家を雇ったという格闘シーンなどは絵が動く動く。ジャパニメーションの影響を受けていることは間違いないんだが、日本のアニメでもここまで絵が動く作品って少ないんじゃないだろうか。よくある「口や目だけ動くシーン」などは皆無で、髪の毛とかもユサユサ動くあたり、かなりの労力がかかってるんじゃないかと。CGの使い方も巧いし。あと第1話ではゲスト声優になんとエヴァ・マリー・セイントを起用してました。

女の子の成長を描いた健全な冒険譚だし、これNHKとかで放送すればいいと思うんだけどね。日本はニコロデオン作品がなかなか普及しないのが残念なところです。