「シンデレラマン」鑑賞

「シンデレラマン」を劇場へ観に行く。ロン・ハワード&ラッセル・クロウのコンビってあまり個人的には興味がなく、実は「ビューティフル・マインド」もまだ未見だったりする。クロウの前作「マスター&コマンダー」は傑作だったけど。 これはアメリカの恐慌時代に活躍したボクサー、ジム・ブラドックの姿を描いた伝記映画。彼は貧困やスランプに悩まされながらも、妻や子供たちに励まされてリングに復帰し、やがて世界チャンピオンのマックス・ベアーに挑戦するのだった…という、まあ、それだけの話。

とにかく内容がベタ。展開がまるで少年マンガのようで、かなり先まで読めるストーリーになってしまっている。いくら事実をもとにした話とはいえ、もうちょっとヒネリを加えても良かったのに。上映中に時計を見て「あと30分くらい暗い状況が続いて、次の30分は主人公が再起して、残りの15分くらいがクライマックスの試合かな」と考えたら、大体そんな感じで話が進んでいった。あと夜中に両親が悩んでるところを陰から見つめる娘とか、子供たちから隠れて涙を流す母親とか、日本のテレビドラマ並みに古くさい演出がされているのも興ざめだった。

主要な登場人物はクロウ演じる主人公と、その妻役のレネー・ゼルウィガー、およびセコンド役のポール・ジアマッティしかいないのだが、クロウは抑え気味の演技がそこそこ効果的であるものの、ゼルウィガーはただ役をこなしてるって感じ。家族がどんな極貧状態にあってもやけに恰幅が良く、疲れ果ててるような印象が全く伝わってこない。もうちょっと薄幸そうな女優さんが役を演じれば良かったのに。またジアマッティも今回は演技が過剰気味で、いつもの良さがあまり出てないような印象を受けた。

でも話のポイントとなるボクシングのシーンはなかなか迫力があって楽しめる。特にラストの試合は両者がボコボコに殴り合ってる雰囲気が伝わってきて良かったかな。ボクシング映画としては「レイジング・ブル」の足下にも及ばないが、「ミリオンダラー・ベイビー」よりかは面白かった(後者をボクシング映画と呼べるかは不明だが)。ベタな内容とはいえ一種のサクセス・ストーリーなので、娯楽作品だと割り切って観ればそれなりに楽しめる作品でしょう。

ちなみに自分がこの映画を観にいった一番の理由は、撮影がここトロント、しかも家の近くの通りで行われていたということ。俺がトロントに来る前(去年の夏)のことなので撮影自体は見ていないものの、話を聞く限りでは建物に1930年代風の飾りをつけたりして相当大がかりなセットを作ったらしい。エキストラもかなり雇ったらしいので、参加したかったなあ。

初夏バテ

トロントにいられるのもあと2週間ほどだってのに、暑さにやられてあまり外に行く気がしない日が続いている。もっとも暑いったって25度くらいなんだけど、長く寒い冬を経験した後のせいか、なんか体がダルい。でも家のすぐ近くの湖畔では日光のなかを老若男女が気ままに散歩してたりしていい感じ。 これくらいの暑さにやられてるようじゃ、日本に帰ったら適応するのに大変だろうなあ。

Apple、Intelプロセッサ採用を正式発表

「ソニー、アップルを買収」とか「ロングホーンの発売日決定」くらいに長くつづくガセネタだと思ってたけど、本当に正式採用だと。うーん。確かにここらへんでより広いマーケットを狙いたい気持ちは分かるんだけど、パワーPCに思い入れのある人間としては、良いんだか悪いんだか判断できない。アップルはハードウェアの会社なので、すぐさま「ウィンドウズマシンでOSXが走る!」なんてことにはならないだろうが、ウィンドウズ系アプリとPPCアプリの垣根が低くなったことは確かだろう。大きなミスにならないことを願うばかりである。 ちなみにIntel移行のプロジェクト名は「Star Trek: The Next Generation」だったりして。分かる人にしか分からないネタですが。

アメコミ映画 雑記

レビューとか個人の独断と偏見で判断する限り、スーパーヒーローものに関して言えば、「バットマン・ビギンス」は傑作、「ファンタスティック・フォー」は駄作、「V FOR VENDETTA」もダメそう、ということでしょうか。観てない映画について多くは語りませんが。 あと「X3」の監督が交代して、ヴィンス・ヴォーンからブレット・ラトナーになるとか?あまり興味ないけど。

むしろニール・ゲイマン原作の「THE BOOKS OF MAGIC」の映画化がいつのまにか進められているらしい。「いずれ強力な魔法使いになる、眼鏡をかけた少年」が主人公なので「ハリー・ポッターの元ネタでは?」とウワサされたこともある作品だが(ゲイマンはこのウワサを一笑)、同じワーナーで映画化となるとどう脚色するんだろう。もっともゲイマンの手がけたミニ・シリーズ版はDCコミックスの魔法キャラが総出演する内容なので(ジョン・コンスタンティンがえらくカッコいいのです)、版権の都合からその後の通常シリーズの内容をもとにするのかもしれない。

しかしゲイマンといえば、その代表作「サンドマン」の映画化はどうなったんだろう。

STOCKSTOCK FILM FESTIVAL 2005 追記

下に書いた「STOCKSTOCK FILM FESTIVAL 2005」の細かい日程が決まったということで、通知のメールが送られてきた。メーリングリストに登録した覚えはないんだが。まあいい。 6月20日に受付開始で7月11日に元ネタとなるDVテープを送付、8月22日が作品受付の締め切りだとか。詳しくは公式サイトを参照あれ。個人的には帰国したばかりでゴタゴタしてる時期だと思うので、参加するかどうかは微妙。