大相撲九州場所 雑感

ちょっと遅いけど、思ったことを少々。 朝青龍の優勝・7連覇は予想通り。琴欧州の快進撃・大関昇進も予想通り。プレッシャーに明らかに弱いところを見ると大関になっても苦労するかな、とは思うけど、現在の大関陣が何のために相撲やってんだか分からない状況であることを考えると、彼が新しい風となることを願う。

意外にも小結以上が全員勝ち越したそうで、他にも黒海や朝赤龍といった俺のひいきする力士が勝ち越したのも嬉しい。成績を見る限り、あまり波乱の少ない「手堅い」場所だったかな。安馬が7−8で負け越したのが残念。十両では把瑠都・白石といった若手が休場したのが惜しまれる。しかし闘牙が今さらになって優勝かい。

それにしても九州は会場がガラガラだったそうで、相撲ファンとしては何とも寂しい限りである。朝青龍が強すぎるとか、話題になる力士が少ないとか、そんなとこが人気に響いてるのかな。有望な若手はずいぶん育ってきてると思うんだが。
あと他の格闘技に比べ、どうしても伝統に縛られて地味な感じが一般人にはするのかもしれない。強い日本人の力士がいないという不満もよく聞くけどさ、ハワイ勢→モンゴル勢→欧州勢と移り変わった外国人力士の移り変わりを見てると、まるでアメリカのボクシングのチャンピオンがユダヤ人→アイルランド人→黒人と変わっていったのを彷彿とさせるようで、相撲こそアメリカン・ドリームならぬジャパニーズ・ドリームを具現化したスポーツだと思うんだけど、どうなんだろう。

「THE FAST AND THE FURIOUS」 鑑賞

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ロジャー・コーマン大先生が1954年に製作した映画「THE FAST AND THE FURIOUS」(「速き者、激しき者」)をarchive.orgからダウンロードして鑑賞する。こんな作品まで無料で入手できるんだから、パブリックドメインて本当にいいよなあ。 ユニバーサルののアクション映画「ワイルド・スピード」(「THE FAST AND THE FURIOUS」)がタイトル使用権を買い取ったことで知られる映画だが、内容は全然違う。無実の罪で刑務所に入っていた男が脱走し、女性レーサーを人質にとって逃避行を敢行。そして2人はレースに紛れ込んでメキシコに逃亡しようとするのだが…というのが大まかなストーリー。話の展開が都合良すぎるとか、前半のスリリングな逃避行シーンに比べて後半の展開がが少したるむ感じがあるものの、主演のジョン・アイアランド(監督も兼任)とドロシー・マローンの演技が手堅いことや、最後のレース・シーンがちゃんと迫力的であることなどから、低予算映画とはいえ十分鑑賞に値する作品になっている。ちなみにコーマンによると「ワイルド・スピード」のストーリーは、彼の別の作品「T-Bird Gang」をパクったものなんだとか。本当かどうかは知りませんが。

観るだけ時間のムダだった「ワイルド・スピード」なんぞよりもずっと面白い作品。

サッカー=マンU名選手ベスト氏が死去

なんか1つの時代が終わったという感じ。サッカーは必ずしも大好きなスポーツではないけれど、全盛期のジョージ・ベストのプレーといったら、そりゃもうホレボレとするくらい活気と才能に満ちていて凄かったんだから。有名になりすぎたために、酒と女に溺れて若くして身を持ち崩してしまったのが何とも残念だけど、オヤジになった後もどことなくユーモラスな雰囲気を漂わせてるところがあって、必ずしも悲劇的な人物ではなかったと思う。ベルファスト・ボーイよ永遠に。 あと訃報といえば、パット・モリタも他界したとか。俺にとっては「ベスト・キッド」の師匠というよりも、「ハッピー・デイズ」のアーノルド役が印象に残ってる人なのです。合掌。

Teaser あれこれ

来年公開の「SUPERMAN RETURNS」のティーザーが公開されてたおいなんかものすごく面白そうじゃん。

スーパーマン=神の子=キリストという含みのあるナレーションも興味深い。動くDCの新ロゴもかっこいい。あー早く観たい。

ティーザーといえば鬼才ダレン・アロノフスキーの「THE FOUNTAIN」のやつも公開されてる。大晦日公開のはずなのに、まだティーザーだけ?難解なストーリーの映画にふさわしく、ティーザーだけ観てもいまいち内容はつかめないのです。

それでもってトレーラーを観る限りではとってもダメそうなのが「AEON FLUX」。原作(MTVのアニメ)のバンデシネな雰囲気がまるで出てないじゃん。完全な変態だったトレヴァー・グッドチャイルドが実に普通の人になってるのもダメダメ。今回のシャーリーズ・セロンといい、「キャットウーマン」のハリー・ベリーといい、オスカー穫った女優って何で直後にB級アクション映画に出て、キャリアを潰すようなことをするんだろう。

REEFER MADNESS 鑑賞

1936年に公開され、その内容のチープさが60年代あたりにカルト人気を呼んで、最近ではミュージカル化やそのTVムービー化までされた教育映画(といっても実はエクスプロイテーション映画)「REEFER MADNESS 」をarchive.orgからダウンロードして観る。 タイトルから想像がつくように、これはマリファナ(当時はMARIHUANAと綴ってた)の害を警告するために製作された作品。ある健全な若き恋人たち(「ロミオとジュリエット」を朗読したりするのが見ててムカつく)が、マリファナ・パーティーを開いている男女に勧められて悪魔のハッパに手を出してしまい、それが悲劇に結びつくことになる…という、まあ、教育映画にありがちなストーリーです。

いちおう最初と最後に博士らしき人物が登場して「この物語は事実に基づいたものであり、マリファナの恐ろしさを訴えるものです…」みたいな、実におざなりなメッセージを添えてるんだけど、肝心の内容には、犯罪・殺人・ひき逃げ・レイプ未遂・自殺・セックス・そしてもちろんドラッグと、エクスプロイテーション映画の要素がぎっしりと詰まっていたりする。それにこの時代特有の過剰な演技が加わって、教育映画の堅苦しさなんぞ微塵も感じられない娯楽作品になってしまっているのがミソ。雰囲気的にはジョン・ウォーターズの「シリアル・ママ」に似てるかな。劇中ではマリファナをふかした人があまりにも簡単にハイになってしまうものだから、あー自分もやってみたい、と思った観客も当時いたんじゃないだろうか。むしろ禁煙指向の現代人にとっては、平気でタバコに手を出すヒロインの姿のほうがショッキングに映るかもしれない。

現在では大統領もやってたらしい悪魔のハッパですが、1930年代においてはとっても怖いものだと見なされてたんですね。