マックワールド2007

アップルの新作発表はいよいよ明日か。何が発表されるのか楽しみなこってす。本当に携帯電話業界に参入すんのかな。ちょうど携帯を買い替えたいところなのでアップルの製品が出ればすぐにでも買いたいんだが、日本でも扱うキャリアはあるんだろうか。

昔ジョブスの基調講演が生でストリーミング配信やってたころは、夜中の2時とかに起きて新作発表を聞いてたものだけど、最近は生配信やらなくなったからニュースで発表の内容を先に知るようになっちゃって、基調講演をあまり観なくなったなあ。

何にせよ明日の朝起きることには新作が発表されている(はず)わけで、いやーどんなものになるんだろ。

相撲鑑賞

カナダ人の友人が家に来てたので、東京観光のついでに国技館へ相撲を観に行く。

やっぱ国技館はたまに行くと面白いすね。琴光喜のクリアファイルなんてのももらった。相撲博物館では往年の横綱の化粧回しや太刀が展示してあって非常に興味深い。肝心の相撲は琴欧洲をはじめ白鵬や千代大海が軒並み破れてどうなることかと思ったけど、魁皇がふんばって、最後は朝青龍が一瞬ひやっとさせながらも完勝。朝青龍に続く横綱候補が誰もいないというのは、やはり将来の相撲人気に大きく影響してくるよなあ。

「ニーベルンゲン~クリームヒルトの復讐」鑑賞

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巨匠フリッツ・ラングが1924年に公開した「ニーベルンゲン」2部作の後編「ニーベルンゲン~クリームヒルトの復讐」を観た。第1部の「ジークフリート」は5年くらい前に観たのかな。120分を超えるバージョンもあるらしいけど、俺が観たのは90分ちょっとのものだった。

俺は前から神話とか民間伝承が大好きで、現代の偽善的な「政治的に正しい」平等主義などお構いなしに、人間(もしくは神々)のあざとさとかえげつなさが意外と露骨に描き出されているところに魅力を感じるのです。例えば日本神話の国産みの話だって、女(イザナミ)のほうが男(イザナギ)よりも性行為に積極的だったからという理由で障害児(ヒルコ)が産まれ、仕方ないから船に乗せて流して捨てたという実に差別的なものであるわけで、別に俺は差別を助長する気はないけど、このように現代社会では明らかにタブーとされている内容に逆に新鮮味を感じてしまうわけだ。

そしてこのドイツの民間伝承(叙事詩)である「ニーベルンゲン」も本で読んだときは大きな衝撃を受けたっけ。ワグナーの「指輪」のような耽美的でナヨナヨとしたものとは違い、文字通り血で血を洗う争いが繰り広げられるその内容にはただ圧倒されるのみ。英雄ジークフリートが暗殺によって非業の死を遂げる場面が特に有名だが、あれだってもともとは妻のクリームヒルトが兄貴の妻にミエを張って痴話ゲンカをしたのが発端なわけで、そんなことのためにジークフリートは殺されたわけですよ。

それから物語の後半となる「クリームヒルトの復讐」では壮絶なる復讐劇が繰り広げられ、何千人もが血祭りにあげられるという実に凄まじい展開になってしまう。しかも悲劇の王女だったクリームヒルトはすぐに復讐に燃える悪女になってしまうし、その兄のギュンター王は何もできないデクノボーだし、ジークフリートを殺したハーゲンは悪役のくせにやたらカッコいいし、誰ひとり善人がいないまま殺戮が繰り返され、何の教訓も残さないまま終わる物語は素晴らしいとしか言いようがない。

そしてこの映画版だが、内容は基本的に原作(?)に忠実。ハーゲンのフン族の国への訪問よりもクリームヒルトの嫁入りに時間を割いてるかな。セットが小さくて人物に寄ったショットが大きく、字幕の画面が頻繁に出てくることもあって、なんか紙芝居を見てるような気になってしまう。ラングがこの後に撮った史上最高の大傑作「メトロポリス」の壮大さが無いのは仕方ないにしろ、第1部の竜退治のようなシーンもなく、全体的にチマチマした印象を受けるのは否めない。でもクリームヒルトの衣装デザインなどは凝っている。あと原作で火攻めにあったハーゲンたちがのどの渇きをいやすために、仲間の死体の血をゴクゴク飲んで「ああ、うめえ!」なんて言うとんでもないシーンはなし。ちょっと期待してたんだが。

ちなみに冒頭に「ワグナーはこの作品をもとにオペラを作った」という説明が流れるんだが、1924年といえばドイツではナチスが台頭してきた頃でもあるわけで、この映画はワグナー絡みのプロパガンダの一環として作られたんだろうか(ラングは後に亡命するけど)?でもまあ前述したように、観終わっても心に何の教訓も残らない作品ではあるんだけどね。

「コブラ・ヴェルデ」鑑賞

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ヴェルナー・ヘルツォークが気違い男クラウス・キンスキーと最後に組んだ作品「コブラ・ヴェルデ」を観る。

ブラジルで山賊をやっていた主人公コブラ・ヴェルデはその腕を見込まれサトウキビのプランテーションの管理役をまかされるのだが、やがて農場主たちの奸計によってアフリカへと派遣される。そこで彼は地元民たちの信頼を得て奴隷商売を成功させるのだが、やがてその国の王に目をつけられることになり…というのが大まかなストーリー。

ブラジルでの公開ムチ打ちからアフリカの王の儀式まで、なんかモンド趣味が満開の映画になっていた。奴隷やら女戦士やら障害者やらがとんでもない数で出てきて、もうお腹いっぱいといった感じ。公開は1987年と比較的最近の映画だけど、こんなのいま作ったら差別的だって非難されるよなあ。でも単なるゲテモノ映画になっておらず、ちゃんと荘厳な雰囲気の作品になっているのは監督の手腕か。ヘルツォークの風景描写の技量はハンパじゃないですからね。CGなぞ使ってない大群のシーンにも圧倒される。ちなみに音楽は例によってポポル・ヴーが担当してた。

キンスキーが自ら運命を切り開くようなタイプの人間でなく、周囲の人間の企みに翻弄される人を演じていることなどからも「アギーレ」や「フィッツカラルド」にくらべて見劣りする作品ではあることは間違いないが、それでもそんじょそこらの作品なんぞよりはずっと面白い。

新春「ドクター・フー」マラソン

イギリスでクリスマスから元旦にかけて「ドクター・フー」のクリスマス・スペシャル、およびそのスピンオフ番組「TORCHWOOD」のシーズン最終話(前後編)、そしてさらなるスピンオフ「SARAH JANE ADVENTURES」のパイロット版が放送されたので、それら合計4時間をダダッと鑑賞する。ヒマだね俺も。
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まずは「TORCHWOOD」。前に書いたときから結局進歩しなかったねこのシリーズ。最大の問題点はやはり、何百年も前から存在していてドクターも一目おく秘密組織であるはずのトーチウッドのメンバーが、痴話ゲンカと仲違いばかりやってて、問題を解決するよりも自分たちで巻き起こしてる場合が多いというお粗末な状況にあるだろう。今回のエピソードもそのまんまで、時空の裂け目が広がって世界中が混乱するんだけど、そもそも裂け目を広がらせたのは(理由があったとはいえ)トーチウッドのメンバーだし、その問題を解決するかと思いきや相変わらず仲違いばっかりやってて、しまいには撃ち合いまでするんだからシラケてしまう。もっと才能のある人員は雇えなかったのかい?

他のエピソードでも僻地に住む猟奇一家とか半分サイバーマンの女性とか、きちんと料理すれば良質の硬派SF作品になりえたテーマがたくさんあったのに、メンバーの能力不足によっていずれも水で薄めたような出来になってしまったのは非常に残念。同性間のキスや汚い言葉で大人向けの作品のふりをしていても、肝心のプロットが子供だましなのでありますよ。でも最後のエピソードのラストシーン「だけ」には期待が持てるかもしれない。
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そしてこのツマらない「TORCHWOOD」に「面白いSFってのはこう作るんだ!」とばかりに戻ってきたのが「ドクター・フー」のクリスマス・スペシャル。今回はドブスのローズもいないし、デビッド・テナントがフル活躍してなかなか楽しませてくれる。いまいち悪役がみみっちくて、その動機が理解しづらいのが難点だけど、「次の展開はいったいどうなるんだろう」というワクワク感を与えてくれるという意味では相変わらず優れた番組。次シーズンの相棒のおねーちゃんは美人みたいだし、「TORCHWOOD」とのクロスオーバーもあるうえに「ボーの顔」の予言の秘密が明かされるということで、今年もまた見逃せないシリーズになりそうだ。ちなみにテナント降板の噂が流れたそうだが、本当なの?
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そして最後は「SARAH JANE ADVENTURES」。これは70年代にドクターの相棒を長年務め、昨年のシーズンにもゲスト出演したサラ・ジェーン・スミス(演じるのはエリザベス・スレイデン)を主人公にした新番組で、「ドクター・フー」よりもさらに低年齢層を狙った作りになっている。俺は彼女が出てた頃の「ドクター・フー」を知らないんで特別な思い入れはないんだが、子供向けとはいっても怪物のCGとかはすごくよく出来ているし、センス・オブ・ワンダーがあって大人でも十分楽しめる内容になっている。ロボット犬K-9もちょっと出てくるし。60近いオバハンが主人公のシリーズというのがどれだけ人気出るかわからないけど、今回のパイロット版ではミス・マニーペニーことサマンサ・ボンドが悪役として登場し、オバハン同士の争いを見せてくれたのは結構面白かったぞ。

こんなわけで「ドクター・フー」から2つのスピンオフ番組が生じたわけだが、片方は大人向けでもう片方は子供向けというのが何か面白いよね。とりあえず個人的な評価は:

「ドクター・フー」 B+
「TORCHWOOD」 C
「SARAH JANE ADVENTURES」 B

といったところかな。あくまでも今回観たエピソードに限っての評価ですが。