「BLOOD TIES」鑑賞

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iTunesストアの無料作品の話ばかりが続いて恐縮だが、今回もそこ経由で入手した作品のお話。「BLOOD TIES」というカナダ製のTVシリーズで、今やジャンルとして「警察もの」や「法廷もの」に肩を並べるくらいメジャーになった感のある「吸血鬼もの」の作品。

なんか人気小説が原作らしいけど、第1話を観た限りでは元警部の私立探偵とかゴスのねーちゃんとか美形の吸血鬼とか、ものすごく典型的な登場人物(演技ヘタ)にクリーシェ満載のプロットが重なり、とっても先の読める展開になってしまっている。主人公が視覚障害を抱えているおかげで吸血鬼の催眠術が効かない、という設定はちょっと目新しかったけど。

むしろ面白かったのは舞台がトロントだということで(ただし撮影はバンクーバーか?)、話のあちこちに見慣れた光景が出てきたことかな。クイーン・ストリートとかヨング・ストリートとか、CNタワーの位置を目安にしながら撮影場所を割り出すことのほうが話の内容よりも面白かったりする。ただし登場人物の多くが、トロント人らしからぬ微妙な訛りを持った話し方をしてるような感じがしたんだけど、俺の気のせいかなあ。

ちなみに第1話は意外と強烈なパカパカ(光の急な明滅)があるので、癲癇の症状がある人なんかは気をつけて観たほうがいいかも。北米の番組ってこういうのの規制はないのかな。

何にせよあまり観る価値はない作品。

「RAINES」鑑賞

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かつてPowerBook1台で地球侵略を目論む宇宙人の軍団を壊滅させたジェフ・ゴールドブラム主演の新作ドラマ「RAINES」がiTunesストアで無料配布されてた。プロデューサーおよび第1話の監督はフランク・ダラボンで、「エンタープライズ」のホシことリンダ・パークが準レギュラーで出演してる。音楽がスティーブ・ポーカロというのに反応する日本人も多そうだな。

ゴールドブラムが演じるのはロス市警の警部マイケル・レインズ。殺人事件を担当する彼には特殊な能力があり、死んだ被害者の「幽霊」を見ることができ、彼らと語ることができるのだった。そして彼はこの能力を用いて被害者たちと話しながら、彼らを殺した犯人を捜していく…といった感じの犯罪ドラマ。もちろん幽霊たちが犯人のことを語ったら犯罪解決なんて5分で終わってしまうから、あくまでもこの幽霊たちはレインズの空想の産物であり、彼が知っている以上のことは何も知らない存在、ということになっている。もちろん他の人たちには幽霊が見えないからレインズは1人でベラベラ話す変人として見なされており、彼もなるべく人目を避けて幽霊と話さなければならない。幽霊と会うためにトイレに駆け込んで、用を足していた人間を追い出すレインズの姿はちょっと間抜け。

こういう仕掛けがあるとなんかホラーっぽい作品のような印象を受けるかも知れないが、内容はいたってストレートな推理ものになっていて、ロサンゼルスの特徴的な風景を舞台に事件の手がかりを追っていくレインズはハードボイルド小説の主人公みたいでなかなかカッコいい。演技も演出も撮影も手堅くできてるんだから、幽霊なんか登場させずに普通の犯罪ドラマにしても良かったんじゃないかと思う。

とりあえず今後に期待の作品。

「The Black Donnellys」鑑賞

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ポール・ハギスといえば(すげえ名前だ)、「ミリオンダラー・ベイビー」や「硫黄島からの手紙」といった人気作品の脚本や、アカデミー作品賞をとった「クラッシュ」の監督などを手がけたことで今やおそらくハリウッドでいちばん勢いに乗っている人だけど、もともとは「騎馬警官」とか「Walker, Texas Ranger」などといった実に微妙な出来のテレビシリーズを手がけてた人なんだよね。そんな彼が新しく手がけたシリーズ「The Black Donnellys」の第1話がiTunesストアで無料配布されてたので観てみる。

これは犯罪に手を染めることとなったアイルランド系の4兄弟の姿を追ったドラマで、アイリッシュ版「ゴッドファーザー」といった感じの内容か。乱暴者のジミー、物語の主人公であるトミー、賭け事が好きなケヴィン、色男のショーンの4人が、ニューヨークの裏社会の権力争いの中からイタリア系マフィアを相手にしつつ、自分たちの縄張りを守っていこうとするもの。マフィアを相手にするのには兄弟たちが若すぎるような気もするけどね。あと物語の大半は彼らの仲間であるジョーイの「告白」として語られているのが特徴でもある。

全体的には思ったよりも出来は悪くなかった。地上波(NBC)のドラマとしては珍しくきちんとニューヨークで撮影がしっかり行われていて、ニューヨークの下町を舞台に犯罪に巻き込まれていく兄弟の悲哀を描いているところはスコセッシの作品を観ているかのよう。でも幸か不幸かテーマが重厚すぎて、地上波には向いていない作品のような気がする。ミニ・シリーズとかHBOのシリーズとかだったらもっと良かったんだろうけどね。案の定、視聴率はあまり高くはないみたいだけど、13エピソードくらいは最低でも続いて欲しいな。

ちなみに「アイルランド系は昔からネガティブなステロタイプとして見なされてきた」みたいなセリフがあるんだけど、酒場で酔っぱらってケンカするような連中を描いてるようじゃ、イメージ向上には結びつきませんぜ。

新キャプテン・アメリカ誕生!

キャプテン・アメリカがお亡くなりになったことはこないだ書いたが、なんと彼は自分に万が一のことがあった場合を想定して遺書を残していたらしいぞ。そして彼の意向により、彼の武器および象徴であったアメリカン・カラーの盾が、アメリカのために戦う正義のテレビジョン・ホスト、スティーブン・コルベアーに譲られることになったらしい
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うーん、悪ノリしてるなあマーヴェル・コミックスは。動画はこちら。当然のように予想されるキャップの復活時には、この盾はちゃんと返還されるんだろうか。

誰が「ウォッチメン」を観るのか?(たぶん多くの人)

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アメリカでは「300」が予想外の大ヒットとなったおかげで、ザック・スナイダーによる「ウォッチメン」の映画化もずいぶん現実味が出てきたみたいだ。売れっ子監督は何でもできる業界だからねえ。

早くもロールシャッハのイメージ画像(上の写真)が公開されたり、オジマンディアスにはトム・クルーズが配役されるという噂が流れるなど、製作準備は着実に進んでいるみたい。アメコミ映画の聖杯だった「ウォッチメン」もついに映像化されてしまうのかあ。でもやっぱりあの話を2時間とかに詰め込むのは無理だと思うんだが。

あと個人的にはやはりスナイダーではなくテリー・ギリアムやダレン・アロノフスキーに映画化して欲しかったと思うことしきり。