「BLACK DOSSIER」読書メモ その4

なんか夏に「The Black Dossier」のAbsolute Edition版が発売されるんだって?既に本としては完璧な装丁がされている作品なのに、これに何を足すってんだろう。スケッチとかスクリプトとかかな。値段がバカ高くなってそうだから買う気はないけど。

・逃避行を続けるなか、バーミンガムの宇宙港へ足をのばすミナとクォーターメイン。見学なんかしてる暇はあるのかね。
・一方ではボンドやエマ・ピールたちも、ミナたちが出会った”M”の元同級生からのタレ込みにより彼女たちの居所を知り、宇宙港へと向かう。
・宇宙港では数々のロケットや宇宙生物が登場します。ここは「ダン・デア」およびゲイリー・アンダーソンの初期の作品からの引用が多いみたい。
・ボンドたちと遭遇したミナとクォーターメインは格闘に巻き込まれるものの、宇宙船XL-5号(の1つ前のモデル)に乗り込んで宇宙港を脱出。
・ひと安心した彼女たちは逃避行の行き先であるスコットランドにロケットを向け、「黒本」の読書にとりかかります。
・ミナの第二次「リーグ」に関する政府のレポート。第二次大戦の戦火が激しくなるなか、「リーグ」がイギリス政府との接触を絶って消息不明になったことが書かれている。
・その後に設立された代理「リーグ」に関する説明。このときのメンバーはジョーン・ウォーラルソン、ウィリアム・サムソン・ジュニア、透明人間などなど…。誰も知らんなあ。この「リーグ」は最初の冒険が失敗に終わり、その後すぐに解散したことが述べられる。

「RESCUE DAWN」鑑賞

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ヴェルナー・ヘルツォークの久々の非ドキュメンタリー作品「RESCUE DAWN」を観た。これは以前に取り上げた、ヘルツォーク自身によるドキュメンタリー「Little Dieter Needs To Fly」をドラマ化したもので、飛行機に憧れてドイツからアメリカに渡り、空軍のパイロットとなったディーター・デングラーの姿を描いている。

ベトナム戦争に派遣されたディーターは操縦する戦闘機を撃墜され、北ベトナム軍に捕獲されてしまう。彼は拷問を受けたあとに他のアメリカ兵が収容されている捕虜収容所に移されるが、そこの過酷な状況にも耐えて収容所からの脱出を計画する…というのが主な内容。最初の10分くらいで戦闘機が撃墜される展開はかなり急だったが、そのあとは収容所における極限の生活と、逃亡後のジャングルでのサバイバルの姿がじっくり描かれている。ヘルツォーク作品の常として自然の描写はかなり見事。ベトナムではなくタイで撮影されたものらしいが、ジャングルや岩山の光景は非常に美しい。ただし主人公が「陽気でいい人」ということもあって、ヘルツォークの昔の作品に比べてかなり話が凡庸な気がしなくもない。やはりクラキンがいなくなった穴は大きいなあ。

主人公を演じるクリスチャン・ベールは相変わらず演技が上手だが、それ以上に他の捕虜を演じるスティーブ・ザーンとジェレミー・デイビスの演技が光る。スティーブ・ザーンなんてB級コメディの人かと思っていたけど、シリアスな演技がこんなに巧かったんだ。あとベールは映画によって体重の増減が激しすぎ。早死にするぞ。この作品ではウジ虫なんかも喰ったりしてるし。

伝記映画にはよくあることだけど、描かれている内容が実在の出来事とずいぶん違うということで捕虜たちの遺族から非難されているらしい。ここらへんはヘルツォークも十分承知したうえで意図的にフィクションを混ぜているので、観るときはちょっと留意したほうがいいかも。