「バルカン超特急」鑑賞

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最近の駄作より往年の名作、ということでヒッチコックの「バルカン超特急」(1938)を鑑賞。

いや実に素晴らしい。90分ちょっとの長さにサスペンスやコメディやロマンスががぎっしり詰まっていて、「娯楽作」という言葉がぴったりの作品。「列車の中で失踪した婦人」というプロットを軸に、限られたスペースのなかで展開していく物語は今観ても十分にスリルが味わえる。むしろ最近の映画よりもずっとセリフがウィットに富んでいて、いかに最近の映画がバカ向けに作られてるかがよく分かる。冒頭のホテルにおける各キャラクターの紹介も巧い。そして主演のマーガレット・ロックウッドの美しいこと!心優しいアメリカのお嬢さん、という役が本当に似合っている。何度でも繰り返し書くが、ああいう女優はハリウッドでは絶滅してしまいましたね。最近のリハブなセレブたちが絶対に出せない雰囲気を醸し出してるのでありますよ。

このように手堅いプロットを誇る傑作だが、ラストの「乗客に銃をつきつける男」がどこに行ってしまったのかはよく分かんなかった。彼が急にいなくなったのはネット上でもいろいろ推測されてるらしい。まあいいや。ちなみに邦題の「バルカン」も「超特急」も実は出てこなかったりする。

「ブラザーズ・グリム」鑑賞

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ヒース・レジャーの追悼記念…というよりもテリー・ギリアムの作品を全部観るという目的で「ブラザーズ・グリム」を観た。

思ってたよりもいい映画。やはりギリアムには中世(近世?)ヨーロッパがよく似合う。「ジャバーウォッキー」と「バロン」あたりの雰囲気を持った、ある意味ギリアムにとっての原点回帰的な作品じゃないかと。ジョナサン・プライスも出てるし。童話の引用を散りばめながら進んでいく話はテンポがよくて飽きがこない。2005年の作品にしてはCGIがかなりお粗末な気がするけど、ワインシュタイン兄弟に予算をケチられたのか?

ちなみにヒース・レジャーの出演作をちゃんと観たのはこれが最初なんだけど。それなりにいい演技ができる人じゃん。単なるイケメン俳優というイメージを抱いていたもので。逆にいつもは芸達者なはずのマット・デイモンがおとなしかったかな。

同時期に製作された「タイドランド」よりもずっと面白い作品。

「Ni Hao Kai-Lan」鑑賞

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特に観るものがなかったので、iTunesストアで無料配布されてたニコロデオンの新作アニメ「Ni Hao Kai-Lan」を鑑賞。

タイトルからも分かるように中国人のカイランという女の子を主人公にしたもので、番組のスタイルは同じニックの「ドーラといっしょに大冒険」そのまんま。カイランがよく外国語(中国語)を話すところとか、視聴者に向かって話しかけるところなんか「ドーラ」をそのまま踏襲している。あっちはヒスパニックの子どもたちを対象にしたものだったけど、今度は中国系の子どもを対象にしてきたわけか。さすがにカイランがLとRをごちゃまぜに発音するようなことはしないが、虎とか竜とか出てくるあたりが相変わらず中国人をステロタイプ化しすぎてるような気もする。まあ甘ったるいアニメですよ。

ギリアムの新作

ちょっと前までは「不運な映画監督」と見なされてたテリー・ギリアムだが、最近はもはや「呪われた監督」になってしまったようで、新作「THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS」は撮影途中で主演俳優のヒース・レジャーが死んでしまうという、凄まじい呪いがふりかかっているようなのです。

でも公式サイトが立ち上がったところを見ると、「ラ・マンチャ」みたいにオクラ入りにならずどうにか完成されるんだろうなあ。聞いた話では魔法がテーマの作品なので、途中で主人公の姿が変わる設定にするんだとか…ほとんどエド・ウッドの世界だな。前作「タイドランド」が失敗作だっただけに、どうにかこの新作が完成にこぎつけることを願うばかりです。

スチュワート&コルベア&オブライエン!

なんかジョン・スチュワートとスティーブン・コルベアとコナン・オブライエンが互いの番組にゲスト出演するという、なかなか豪勢なことをやったそうで。今はアメリカの視聴率調査期間(sweeps)なのでいろんな番組に豪華ゲストとかが出てるけど、あれってトークショーとかケーブルチャンネルの番組とかも関係あんだっけ?