「The Mindscape of Alan Moore」鑑賞

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こないだ「AVクラブ」でもその経歴が詳しく紹介されたアメコミ界の異端児、アラン・ムーアに関するドキュメンタリー「The Mindscape of Alan Moore」を観た。

ノーザンプトンの貧しい地区で生まれ育ち、現実からの逃避の術としてアメリカの・コミックに夢中になったムーアは、学校から追い出されたあとコミック作家になることを決意し、「2000AD」誌で作品を執筆するようになる。そしてDCコミックスにスカウトされて「スワンプ・シング」でアメリカデビューを果たし、代表作「ウォッチメン」を完成させることになる。これに合わせてムーアのスーパーヒーローやファシズムに関する考えが彼自身によって語られていくわけだが、実はコミックについていろいろ語られるのはドキュメンタリーの途中までで、後半は例によって異様にディープな魔法の概念が語られる展開になっていく。

ムーアによると魔法というのはつまり「アート」であり、言葉や絵などを用いて人の意識に変化をもたらすものなんだそうな。そこから人の意識について焦点があてられ、「シェルドレイクの仮説」に象徴されるような、人の意識が共有される次元についての解説がされていく。この世界の根本にあるものは「情報」であり、すべては情報の派生物だという考えも説かれるが、これってシュタイナーのアカシック・レコードの概念のようなものなんだろうか。人々がある一定の情報を蓄積する時間は加速的に短くなっており、2015年頃にはそれまで人間が蓄積した情報量の2倍の量を1000分の1秒で蓄積することになるだろうという話は興味深い。

この他にも陰謀論(の否定)とか、単一神教の害悪とか、言語における時間の概念などさまざまな事柄が語られていく。これを大きな啓示ととらえるか、単なるキチガイの妄言ととらえるかは観る人の勝手だろうけど、個人的にはなかなか面白かった。でもあと3回くらい観ないと、彼の言ってることは十分に理解できそうにないなあ。

「KING OF KONG」続報

こないだ紹介した「KING OF KONG」のスティーブとビリーの勝負はまだまだ続いていて、映画が撮影された後にビリーが稼いだ105万200点が現在のところ史上最高のスコアと見なされているわけだが、こないだラスベガスで開かれたイベントでスティーブが記録更新に挑戦したらしい。んで結果は92万9800点という残念なスコアで終わったらしいが、夏にまたハイスコアに挑戦するらしいので健闘を期待したいところです。

「ウォッチメン」キャスト写真

公式サイトで公開されてた。ドクター・マンハッタンがいないな。原作では「コスプレした人たち」という印象が強かったのに対し、映画ではよりフォトジェニックな出来になってるのはまあ仕方ないか。でもオジマンディアスの格好は違和感あり:

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彼って原作だともっと気品があって、衣装もきらびやかな感じがあるんだけどね。もっとも性格が複雑なキャラの一人であるエイドリアン・ファイトをきちんと映像化することは相当難しいぞ。

「THE ONION MOVIE」トレーラー

製作されてるんだかされてないんだか良く分からない状態だった「THE ONION MOVIE」だが、なんか年内にDVDムービーとして発売される?らしい。いつの間にかトレーラーが公開されていた。くっだらねーなーというネタが並んでいるようで、何気に結構面白かったりする。「オニオン」の誌面の面白さをどこまで持っていくことができるかに期待。

「UNHITCHED」鑑賞

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フォックスがこんな時期に放送開始するシットコム「UNHITCHED」の第1話をiTunesストア経由で鑑賞。

観てて悲しくなるくらいにツマらない番組。1度も笑えなかった。バツイチだとか恋人に捨てられたとかいう4人の30代の男女が、人生をやり直そうとする姿を描いたもので、これはコメディのプロットとしては非常に平凡だな。第1話はファレリー兄弟が監督してるけど、個人的にあの兄弟のコメディって好きじゃないんだよね。男をレイプする猿とか障害者をバカにしたジョークとかのようなキワドいネタもあるけど、単なる悪趣味のレベルで終わっていて面白くはない。あと登場人物の一人にインド系の男がいるんだけど、ものすごくワザとらしいインド訛りでしゃべるキャラになっていて、もう人種差別寸前といった感じ。あれは非常に不快だった。

唯一の取り柄があるとすれば紅一点のラシダ・ジョーンズが俺好みの美人だということくらいか。フォックスはなぜ「Arrested Development」を打ち切った一方でこんな番組を作ってるんですかね。あと俺はこの番組の登場人物たちと同じ30代だけど、彼らの姿にまるで共感を覚えないのはなぜなんだろう。ロマンチック・コメディなんかでよくある「女の子とディナー → 彼女を家まで送る → コーヒーでも飲んでかない?と招かれる → そのまま一発やっちゃう」という展開は現実世界で本当によくあることなのか?俺はまるで経験ないぞ。