「ルーニー・テューンズ バック・イン・アクション」鑑賞

2003年の映画で現時点でのジョー・ダンテの最新劇場作品(要するにホサれてんのよ)。興行的に大失敗したということでちょっと敬遠してたんだが、何のことはない、目が覚めんばかりに素晴らしい作品だった。

雰囲気的にはあの大傑作「グレムリン2」に似ていて、つまりプロット自体は破綻しているものの代わりにダンテ流の悪ふざけがギッシリ詰められており、彼の作品の常連であるディック・ミラーやロバート・ピカード、さらにはロジャー・コーマンが登場し、数多くのルーニー・テューンズのキャラクターたちと一緒に濃すぎるギャグの大進撃を見せつけてくれる。エイリアンが収容されている「エリア52」において、メタルーナ・ミュータントとトリフィッドとダーレクが肩を並べて襲ってくるなんて映画、他にはありませんぜ?そしてこれらの裏には、B級映画やルーニー・テューンズに対するダンテの愛情がひしひしと感じられる。どうもアニメのキャラクターの態度が冷たい気がした「ロジャー・ラビット」や「スペース・ジャム」に比べ、こちらのバグス・バニーやダフィー・ダックは実に生き生きしているんだよな。

内容はこんな中年オタク向けなのに、ファミリー映画としてマーケティングされたんだから興行成績が散々だったのも分からなくはないが、予定調和なストーリーの「カンフー・パンダ」なんぞより、俺は断然こっちを支持するね!というわけでレンタル店で見かけたら絶対観るように。

「アクション・コミックス」#1の競売

スーパーマンが初登場した号として知られる「アクション・コミックス」の第1号がこないだ競売に出され、システム・オブ・ア・ダウンのドラマーが約3100万円という記録的な額で競り落としたんだとか。あのコミックにこの値がついたことよりも、あのバンドのドラマーにそんな金があったことに驚き。全米1位をとるようなバンドはやはり儲かってんですね。

ちなみに「アクション・コミックス」#1ってむかしニコラス・ケイジが売りに出してなかったっけ?リサ・マリー・プレスリーと結婚した直後だったんで彼女がケイジのコミック・コレクションを処分させたという噂が立って、それに対し「単に俺の趣味が変わっただけ」みたいな言い訳をしていたような覚えがあるけど、その後再婚して息子の名前に「カル=エル(スーパーマンの本名)」なんてつけてるんだから、全然趣味が変わってないじゃん!旦那のマンガを処分させるような嫁とはとっとと別れるのが正解だよな。やはり。

「WONDER WOMAN」鑑賞

DCコミックスのアニメムービー最新作。ワンダーウーマンって個人的にあまり思い入れのないキャラクターなんだけど、この作品は予想以上に面白かった。

基本的には1つの大きなオリジン・ストーリーになっていて、女神ヒッポリタの統治のもと女性だけのアマゾン族が暮らす平和な島に、ある日アメリカ軍のパイロットのスティーブ・トレヴォーが乗った戦闘機が不時着。彼を本国に帰すためにヒッポリタの娘ダイアナがワンダー・ウーマンとなって一緒にアメリカに渡るものの、男性が支配する世界に彼女はショックを受ける。それと同時期に、島に幽閉されていた戦争の神アレスが脱出に成功し、世界に戦渦をもたらそうとしていた…というような内容。

当然ながら戦闘シーンも多分に展開され、おかげでこの手のアニメには珍しくPG-13のレーティングがついているものの、単なるアクション作品にはならず、フェミニスト的な要素が盛り込まれているのがポイント。女性アメコミ作家としていまいちばん勢いのあるゲイル・シモーンが共同執筆した脚本においては、男性は暴力が好きでトラブルを起こしてばかりの頼りない存在になっており、われわれ男性にとっては耳の痛いセリフもでてくるものの決して説教的なストーリーにはなっていない。ダイアナは繊細でこそあるもののか弱い女性としては描かれておらず、トレヴォーが彼女を酔わせようとして逆に自分が酔いつぶれるあたりはハリウッドのステレオタイプの逆をうまく突いているようでニヤリとさせられる。

アニメーションの出来とストーリーに多少荒削りなところがあるものの、女性スーパーヒーローをうまく描いた佳作かと。ただしワンダーウーマンの最大の矛盾点である「平和の使者なのに戦闘ばかりしている」という点は言及されるものの答えは出されてませんが。あと難があるとしたらアルフレッド・モリーナによるアレスの声にドスがきいてなくて軽々しく感じられることと、スティーブ・トレヴォーのデザインが「イーオン・フラックス」(もちろんアニメ版だよ)のキモ男トレヴァー・グッドチャイルドに似ているところかな。

ちなみにDCはこのあと「グリーン・ランタン」のアニメムービーを製作し、そのあとは「スーパーマン/バットマン」を作る予定なんだとか。ずっと前から製作が発表されてる「THE NEW TEEN TITANS: THE JUDAS CONTRACT」の話はどこに行ってしまったんだろう…。

ジョン・スチュワート対ジム・クレイマー

アメリカにはCNBCという経済専門チャンネルがありまして、中でもジム・クレイマーによるバラエティ色の強い投資番組「MAD MONEY」は強い人気を誇るのですが(「アイアンマン」にもちょっと出てたね)、クレイマーの言ってることなんてハズれてばっかりじゃん、そもそもCNBCは経済について公平な報道をしてんのかよ、とジョン・スチュワートが「デイリーショー」において今週ずっと文句をたれていたわけです。

それでついにクレイマー本人が「デイリーショー」に出演してスチュワートと討論することになったわけだが、特筆すべきはこの討論に対する他のメディアの注目度で、「USAトゥデイ」やヤフーのニュースなどではトップ扱いの記事にされていた。コメディアンとTVパーソナリティーの討論にここまで注目が集まるとは、「デイリーショー」がまっとうなジャーナリズムとして扱われるようになったのか、それとも逆にジャーナリズムが「デイリーショー」のレベルになってしまったのか。

で肝心の討論はそれなりに見応えがあったものの、クレイマーが概して自分(とCNBCの)非を認めるような内容だったため討論というよりも糾弾に近かったかな。スチュワートの討論といえばやはりCNNの「CROSSFIRE」という番組で、アウェーにもかかわらず番組のホストを完全に論破したやつが一番面白かった。

人間ドックの結果

「要経過観察」はいくつかあるんだけど、「要精密検査」とかはなし。例年のごとく「100点満点ではないけれど及第点」的な結果であった。

しかしタバコやらないし酒もそんな飲まないし、ジムに毎週通ってて肉もそんなに食べない生活を送ってるのに中性脂肪が相変わらず高いのは納得いかんなあ。「菓子類が多いようです」なんてことが書かれてたんで、それが原因なんだろうか。だって仕事でデスクに一日中座ってると小腹が減るのですもの。代わりにバナナとか食えばいいのか?