「レスラー」鑑賞

遅ればせながら。

いや、非常に優れた映画なんですけどね。ただダーレン・アロノフスキーの映画だというところにどうしても違和感を感じてしまうなあ。今までの彼の作品と全然違うタッチなので。まあここらへんでちょっと地味な映画を作りたくなったんでしょうか。底辺の人々の描写は「レクイエム〜」に通じるところがあるけどね。

ケットル星人のごとき容姿のミッキー・ロークの演技が素晴らしいのはいわずもがなだが、ダメ男を叱る女性2人の姿がもっと怖かったのです。難点を挙げるとすれば脚本がちょっと固いというかクリーシェ気味なところで、カッターで指を切りそうだと思わせておいて、本当に切ってしまうあたりはちょっとストレートすぎるかと。でも脚本家のロバート・シーゲルは「オニオン」出身だし、彼がこんど監督&脚本を担当する「BIG FAN」なる映画は結構面白そうなので今後に期待。

個人的には、アロノフスキーの作品だという先入観がなければもっと楽しめたかもしれない。「レクイエム〜」にしろ「ファウンテン」にしろ、あの人の新作って自分の中では大イベント的なところがあったので、変に期待しすぎていたのかも。でもいい作品ですよ。

刑務所ちょっといい話

こないだ女優を殺害したとしてフィル・スペクターが収監されたけど、送られた刑務所にはチャールズ・マンソンがいるらしくて、「よう、今度いっしょに音楽やろうぜ」というようなメッセージを送りつけてきたそうな。おかげでスペクターは非常に迷惑がってるそうだけど、そりゃそうだろ!

いっそロマン・ポランスキーもアメリカに帰ってきて逮捕されて、同じ刑務所に送られたりしたら凄い展開になりそうなんだが。

「CORALINE」鑑賞

おもしれー。老若男女が楽しめる素晴らしい作品。

ニール・ゲイマンの原作をヘンリー・セリックが映像化したもので、作家の両親とともに田舎の古びた家に引っ越してきたコララインという少女が主人公。両親にかまってもらえず、退屈しきっていたコララインはある日、鍵のかかった小さな扉を発見する。鍵を開けて扉を抜けると、そこはボタンの目をつけた「別の両親」たちが彼女を迎えてくれる別世界だった。おいしい料理や愉快な仲間たち、美しい庭などに魅了されたコララインはすっかりこの別世界に夢中になるが、そこには暗い秘密が隠されていて…といった感じのお話。子供向けの幻想的な話のようで、不気味なトーンがずっとあるのがゲイマン調ではある。

とにかくストップ・モーションによる映像が非常に美しく、夜の庭やネズミのサーカスの場面などには圧倒される。これはDVDよりも映画館の大きなスクリーンで観たほうが絶対良いですね。というか日本で公開が決まってないの?「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」があれだけ人気あるんだから、日本でもヒットする土壌はあると思うんだがなあ。ダコタ・ファニングやテリ・ハッチャー、ジョン・ホッジマンといったセレブな声優陣も特に問題なし。階下に住む老婦人コンビにフレンチ&サンダースの声をあててるところもニクいすね。

ちなみにDVDには3Dバージョンも付属していて、劇場版のような3Dグラスではなく例のチープな赤青グラスで観るんだけど、あまり3Dっぽくならなかったような。むしろ映画の醍醐味である色調が台無しになるし、3Dで観るメリットはないぞ。それよりも驚いたのが、iTunesなどで映画をダウンロードできるコードが付いてきたことで、簡単にiPhoneなどで映画を持ち運べるようになっていた。至れり尽くせりというか、DVDもこうしたオマケをつけて売られるようになってきたんですね。