「SUPAH NINJAS」鑑賞


ニコロデオンの新作シリーズで、当然ながら子供向け。ニックの実写シリーズって微妙にクセがあって熱烈なファンも多いんだよな。

高校生のマイク・フクナガは運動神経抜群で頭脳明晰な少年だったがオタクな性格で、女の子にもろくに相手にされない少年だった。しかし他界した祖父の置き手紙によって彼の部屋のベッドの下に隠し通路があることが分かり、その先にはハイテクな地下道場があることを発見する。そしてそこに祖父がホログラムとして現れ(演じるのはジョージ・タケイ!)、マイクが実は忍者の一族の末裔であることを告げる。そしてマイクは親友のオーウェンとともに忍術の修行をして忍者チーム「スーパー・ニンジャ」を結成して悪と戦うのだった…というようなお話。

なんで忍者の爺さんがハイテクな道場を建設できたんだとか、忍者の装束って真っ黒じゃなくて紺色とか茶色なんじゃないかとか、いろいろツッこみ所はあるんだけどまあ子供向けコメディなのであまり気にはならない。韻を踏んで話す悪党とか訓練用ロボットなどが登場する滅茶苦茶さを楽しめばいいんじゃないかと。そこらへんは「THE MIDDLEMAN」に通じるものがあるな。

しかしジョージ・タケイって来週で74歳か。最近は微妙な役が多いとはいえ活躍を続けてるのは嬉しいこってす。

「THE KILLING」鑑賞


ここ数年でHBO並みのクオリティを誇るTVシリーズを連発するようになったAMCの最新シリーズ。イギリスで大ヒットしたデンマークの刑事ドラマをリメークしたものらしいけど、俺はオリジナルは未見。なおキューブリックの同名映画とは関係ないよ。出演者はよく知らない人ばかりだけど、「ギャラクティカ」のミシェル・フォーブスが出演していた。

舞台となるのはハロウィーン後の雨続きのシアトル。地元の高校に通うロージー・ラーセンという女子高生が週末のあいだに行方不明になり、サンフランシスコへの転属を目前にしていたサラ・リンデン警部が彼女の捜索にあたることになる。彼女から娘の失踪を知り、深く悲しむロージーの両親たち。そしてリンデンの捜査の結果、湖に沈められた車の中からロージーは無惨な死体となって発見される。そしてその車は、シアトル市長に立候補している議員のチームのものだった…というのが第1話のプロット。

1エピソードが1日に相当していて、ごくゆっくりと殺人の真相が明らかにされていく仕組みらしい。ストレートな推理ものというよりも、被害者の死がその家族や友人、議員の選挙活動などに与える影響などに重きが置かれた描写がされていて、そこらへんは「ツイン・ピークス」に似ているとの声もあるようだ。ただしあれほどオカルト的な雰囲気はないけどね。じめじめした街での殺人事件という意味では、クリストファー・ノーランの「インソムニア」を連想させたかな。あとは同じAMCの「RUBICON」にも似てるかも。批評家の評判は高いようなので「RUBICON」よりも長続きするでしょうが。オリジナルは1シーズンに1つの殺人事件というフォーマットになってるらしい。

全体的にいい感じで陰気くさいというか、展開はスローでも中だるみせず、謎めいた雰囲気がずっと続く良質のサスペンスになっている。とはいえこういうシリーズって最後まで観てみないと評価しづらいところだな。果たしてこの雰囲気を13エピソードのあいだ継続させることができるんだろうか?

「BREAKING-IN」鑑賞


活動の場をテレビに移したものの、「My Own Worst Enemy」が見事に撃沈したクリスチャン・スレーターの新たな出演作。ただし実質的な主人公は「REAPER」のブレット・ハリソンになるのかな?

ハリソンが演じるのは天才的な腕前を持つハッカーで、大学に不正入学して気ままなキャンパスライフを送っていたものの、その才能に目をつけたスレーターによって彼が率いる組織に強制的に加入させられてしまう。その組織は企業の依頼を受け、その企業のセキュリティの欠点を見つける目的で彼らの資産を盗み出すという、いわば合法的な泥棒行為を専門としていた。そして主人公はさっそく自動車のメーカーから高級車を盗み出す任務を与えられるのだが…というようなプロット。

主人公とチームを組むのはガジェット好きなオタクとか、ホットでイカれた女の子とか、女たらしの詐欺師とか、前にもどこかで見たような面々ばかり。クリスチャン・スレーターも酒飲んで大声で喋ってるばかりだし、別に彼が出演しなくても良かったんじゃないの、という気がしなくもない(とはいえ彼に向いてる役って何なのか俺には分かりませんが)。「レバレッジ ~詐欺師たちの流儀」に似ているという声もあるようだけど、あちらは未見なので何とも言えません。

これ30分のシットコム的な作りになってるんだけど、おかげで企業に侵入するシーンとかも短めになっていてスリルを味わえず、アクションもコメディも中途半端なものになってしまっているような。普通に1時間番組にして「CHUCK」みたいな路線を狙えばよかったのにね。日本では今でもファンが多そうなクリスチャン・スレーターですが、この番組で一躍また人気者に…ということにはならないだろうな。

「トゥルー・グリット」鑑賞


やはりコーエン兄弟はコメディでなく真面目な作品を撮ったほうがずっと面白いことを再確認。この時代にこの映画をリメークする意義はよく分からんが、変なギミックも無いストレートなウェスタンで大変楽しめたのでありますよ。「ノーカントリー」のように無慈悲で暗いシーンを描きつつ、会話のあちこちにドライなユーモアを混ぜる手腕も円熟さが感じられますね。父親を亡くして復讐の旅に出た娘が、やがて老保安官のなかに父親像を見いだす過程もさりげなく描かれていて巧いなあと。

演出だけでなく役者の演技もみな素晴らしく、特にジェフ・ブリッジスは「クレイジー・ハート」なんかよりもずっといい演技だったんじゃないの。腹の底から捻り出すような声での演技が実に渋い。話の要となるヘイリー・スタインフェルドも非常に良い。難点があるとすれば親の仇であるジョシュ・ブローリンの役が意外とヘタレであることか。バリー・ペッパー演じる悪役のほうが凄みがあったような。

これだけの作品なのに東京でも公開館が少ないのが惜しい。ウェスタン好きな人には観ることをおすすめします。

THE GOVERNATOR!


すごくカッコ悪い… シュワルツェネッガーってこの世で最も声優に向いてない俳優じゃないだろうか。ここ数十年まっとうな仕事をしてないスタン・リーが企画に絡んでるというのも不安を感じてしまう…。