「ウォッチメン」公開へ

ワーナーに対してフォックスが「ウォッチメンの映画化権はウチが持ってるんやで!」と横ヤリを入れて裁判沙汰になった件だが、いつの間にか両者が裏で話し合って解決したらしい。ハリウッドの裁判って、だいたいこうやって裁判所の外で決着がつくよな。これでワーナーは予定通りに映画が公開できて、フォックスはそのおこぼれに預かれることになるんだとか。

この映画の公開にはアラン・ムーアが呪いをかけたという話もあるけど、さすがのムーアの魔力もハリウッドの闇の力には敵わなかったのか。個人的にはやはり期待できない作品だけど、観てない作品をケナすのも大人気ないのでもう止めます。どんな出来になってるんですかね。

「殺人者はライフルを持っている!」鑑賞

ピーター・ボグダノヴィッチの監督デビュー作。実はボグダノヴィッチの作品を観るのってこれが初めて。ロジャー・コーマン大先生の指揮のもと、ボリス・カーロフに2〜3日働いてもらい、それにカーロフ主演の「古城の亡霊」のストック映像を組み合わせて映画を1本つくれという実にB級映画的なコンセプトで製作された映画なんだけれども、独自のスタイルを持った素晴らしい出来の作品になっている。低予算映画のお手本みたいな作品。

カーロフ演じる老いたホラー俳優と、家族を射殺した後にライフルで無差別殺人に繰り出す青年の話がうまい具合にセグエしながら描かれ、最後に両者のストーリーが合わさり「本当の恐怖はスクリーン上ではなく現実世界にあった」というラストに持っていくまでの流れが巧みにできている。脚本の手直しをサミュエル・フラーが行ったらしいが、青年のバックグラウンドなどについては殆ど何も説明されてないのにも関わらず、きちんとキャラクターとして成り立っているところも巧い。

ボグダノヴィッチって映画インテリのイメージがあって、今まで何となく敬遠してたんだけど、他の作品も観てみようかな。

スティーブン・コルベアー対ローレンス・レッシグ

ふざけてるようで、実は著作権に関して興味深い議論を行っていたりする。

「THE WIRE」シーズン2鑑賞

警察につけ狙われ、密輸組織に利用されるソボトカ一家が可哀想すぎる(涙)。捜査班と麻薬組織の2つの駆け引きという図式だったシーズン1に比べ、今回は捜査班・麻薬組織・刑務所・波止場など多くの部分に焦点が当てられることで全体的に散漫な感じがすることと、解散(左遷)させられていた捜査班が再集結するまでに意外と時間がかかることからシーズンの半ばまではなかなか話が進まない印象を受けるかもしれない。しかし密輸組織が(麻薬組織に比べて)脇が甘いところもあり、後半になって捜査班の包囲網が着実に狭まっていくところはなかなか見応えあり。

あとマクノルティが主人公だという概念は今のうちに捨てておいたほうがいいのかな。後のシーズンだと殆ど活躍しなくなるらしいので。