「ユービック」映画化か

フィリップ・K・ディックの傑作「ユービック」の映画化権をフランスの映画会社が買ったそうな。比較的映像化しにくい作品だろうけど、うまくやればかなり面白い作品になりそうなのでとりあえず期待。そういえば「アルベマス」も映画化されるんだっけ。この勢いで「高い城の男」とか「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」みたいな実に映画化しにくい作品も映画化されたりしたら面白そうだな。

埋もれた傑作だと個人的に思っている「去年を待ちながら」は「マイノリティ・リポート」みたいな感じで映画化できそうだと思うんだが、誰かどうよ。

「ONCE ダブリンの街角で」鑑賞

やっと観た。こういう映画にホロリとするほど俺はもう心優しい人ではなくなってしまったのですが、いい小品かなと。歌の部分が多いというのもあるが、全体にまったりしてるのがいいなあ。これが日本の今どきの恋愛映画だったら女の子が不治の病にかかったり、男が交通事故にあったりといろいろ大変な出来事が起きるんだろうけど、この作品は地に足がついているので観てて疲れない。主人公たちを軽視してたスタジオのミキサーが「お、こいつらイイじゃん」と気づくシーンも下手すればかなりクサい展開になりかねなかったが、あくまでもごく自然に描いているので好感が持てる。ハリウッド映画にしろ日本映画にしろ、こうした素人作品から学ぶべきことは多いんじゃないかな。

あと個人的にはやはりダブリンの街並みが非常に懐かしいなあと。狭い国の狭い街の話なので、半径1キロくらいのごく小さなエリアで話の大半が展開しているというのも、まあダブリンらしいところではある。俺が最後にダブリンに行ったのが98年くらいの頃なので、劇中でユーロが使われてたのにはちょっと驚いたけど。あとフィル・ライノットの銅像なんて建てられたんですね。ちなみに主人公がバスキングをしているグラフトン・ストリートって、銀座より地価が高くなったんだって?人口100万人ほどの街だぜ?経済が急失速して不動産がインフレ状態になってるのがよく分かる。ご哀愁さまです。

主人公を演じるグレン・ハンサードはアラン・パーカーの傑作「コミットメンツ」でもギタリストを演じてた人で、彼のバンドであるザ・フレイムスは本国でも長らく鳴かず飛ばずだったような感があるけど、この映画が世界的にヒットしたおかげで役者としてもミュージシャンとしても有名になったのは嬉しいこってす。アカデミー賞における彼とマルケタ・イルグロヴァのスピーチは非常に素晴らしいので、こちらで観るように。

「HARD ROCK PARK」なる代物

グランジの隆盛とか「ミュージック・ライフ」誌の休刊などにより完全に下火になったかと思われたハード・ロック文化だが、なんのなんのアメリカではまだしぶとく人気があるらしくて、フロリダで「ハード・ロック・パーク」なるテーマパークが来週開園するらしいぞ(公式サイトがクソなのでリンク先はウィキペディア)。

ハード・ロックと銘打っておきながらコケラ落としにイーグルスとムーディ・ブルースを招いている点で何か大きくズレているような気がするが、用意されたアトラクションも非常に情けなくて、レッド・ツェッペリンのローラーコースターとか「パンク対ディスコ」のドッジェムとか巨大なレスポールとか、中学生が考えたような代物がいろいろ並んでいるらしい。こんなテーマパークに行く客って誰なんだろう。夫婦で幕張までガンズのライブを観に行くような人たちかな。こういう商業的マーチャンダイジングってロックンロールの本質とは180度かけ離れてると思うんだが。

こないだジェリー・スプリンガーのインタビューを読んでたら「私の番組は防衛費の削減に役立ってるんだ。あんなアホな番組を見たら、だれもアメリカを攻撃しようなんて気にならないはずだからね」なんてことを言ってたけど、俺はむしろアルカイダとかに、こうしたテーマパークを積極的に攻撃して欲しいと心から願うのです。

「ドクター・フー」シーズン4後半トレーラー

麗しのフリーマ・アジャマンの代わりに年増のキャサリン・テイトが加わったこともあり、今のところ前シーズンほどのクオリティがないように思われるシーズン4だが、後半にはドブスのローズが戻ってくるんだよな…。ダーレクたちがお約束のように戻ってくるのはいいんだけど、ローズはもういいよぉ。

あとラッセル・T・デイビスが降板した都合で2009年にはシリーズが製作されないんだって?そんな殺生な。