ヴェルナー・ヘルツォークの比較的最近の作品「神に選ばれし無敵の男」をDVDで観た。
怪力男としてベルリンで名を馳せ、ナチスに対するユダヤ人の象徴として尊敬されたポーランド人の若者と、彼の雇い主でナチスに取り入ろうとするインチキ予言者(どちらも実在の人物)を描いた映画なんだが、どうしても「アギーレ 神の怒り」や「フィッツカラルド」といったヘルツォークの傑作と比べるとTVムービー程度の出来にしか見えんなあ。あれらの作品が、猛り狂う自然と狂気につかれた男のコントラストを衝撃的に描いてたのにくらべ、今作は権力を手にする前のナチスと素朴で内気な怪力男の対決を扱っているので、どうもせせこましい感じがするのは否めない。
役者は予言者を演じるティム・ロスがズバ抜けて見事な演技を見せてくれるものの、それ以外の役者に素人が多いため、逆に彼が完全に浮いてしまっている。主人に本当の怪力男、ピアニスト役に本当のピアニストをあてがうのは斬新だけど、あまり成功しているようにも見えない。だから人によって演技力と英語力がまちまちで、兄弟なのにアクセントが違うなんてことになってるのはどうも気になってしまう。
決して悪くはない作品なんだけどね。「アギーレ」などと比べるのが酷なのかな。
アメリカの夏は再放送が多いと昨日書いたけど、地上波に比べてケーブル局は夏のあいだも比較的多く新シリーズを流していて、こないだ紹介した「PSYCH」などもその1つ。最近はそうした作品の宣伝手段としてITMSが注目されているらしく、ここ数週間のあいだにずいぶん多くのシリーズの第1話が無料で配布されている。まあ1話をタダでみせて興味を引き、その後の話は課金するというのは妥当なビジネスモデルだわな。