「JUSTICE LEAGUE UNLIMITED」最終回 

スーパーヒーローもののアニメとしてはおそらく史上最高の作品「JUSTICE LEAGUE UNLIMITED」の最終回が放送された。シリーズの終了は正式には発表されていないものの、話の内容やスタッフの証言から判断する限り、これで終わりになることはまず間違いないだろう。人気があるシリーズだったのになんで終わるのかよく分からないけど、ブルース・ティムやポール・ディニ、ドゥエイン・マクダフィー(マイルストーンまたやってください)などの製作スタッフがいいかげん別の仕事をしたくなったのかもしれない。あるいは声優陣が豪華すぎて製作コストが高くついたとか。 リージョン・オブ・ドゥームを軸とした今シーズンの展開は、クエスチョンが重要な役を演じた昨シーズンのやつほど出来が良くはなかったんだけど、それでも観ていて楽しいエピソードばかりだった。「ティーン・タイタンズ」はあのアニメ絵が生理的に受け付けられず、俺の好きなタイタンズでありながらまるで観る気はしなかったけど、「JLU」はブルース・ティムがデザインしたキャラクターたちがいろいろ登場して見応えがあった。クエスチョンだけでなくビジランテやロケット・レッドといったマイナーなキャラクターが活躍したのも良かったなあ。グリーン・ランタンとホークガールの恋の結末が明かされなかったのが残念なところですが。

噂では同じスタッフによる「スーパーガール&リージョン・オブ・スーパーヒーローズ」の製作が企画されているということなので、とりあえず首を長くして待ってます。

And the adventure continues…

「A History of Violence」読了

こないだデビッド・クローネンバーグが作った映画「ヒストリー・オブ・バイオレンス」の原作「A History of Violence」をやっと読む。10年くらい前に立ち読みしたときは最後のグロいシーンに結構ショックを受けたんだけど、今読んでみたらそうでもなかった。グロさに耐性ができたのかな。 ジョン・ワグナーがストーリー、ヴィンス・ロックがアートを担当。元来はDCコミックスの「パラドックス・プレス」というレーベルから出てたんだけど、このレーベルが無くなったんで現在は「Vフォー・ヴェンデッタ」と同じく「ヴァーティゴ」というレーベルから出版されている。ちなみにトム・ハンクス主演の「ロード・トゥ・パーディション」の原作もパラドックス・プレスから出ていた作品。アメコミはスーパーヒーローだけではないのですよ。

個人的にこの作品を読んで一番驚いたのは「ジョン・ワグナーが長いストーリーを手がけている!」ということ。ワグナーといえば、ほぼ全てのイギリス人コミック作家を輩出してきた雑誌「2000AD」をパット・ミルズと共に創刊し、さらにはカルロス・エズクエラと「ジャッジ・ドレッド」を創作した、イギリスのコミック界ではもう大御所的な存在なんだけど、2000ADのページを埋めるために「質より量」で作品を乱発していた人というイメージが強いので、8ページ以上のストーリー、ましてや300ページ近いものをきちんと書いていることに驚きを感じてしまうのです。そして「バイオレンス」のストーリーは急ぎすぎも中だるみもせず、実にうまいペースを保って進んでいく。ヴィンス・ロックのアートも最初はとっつきにくく感じられるものの、話の雰囲気に非常にマッチしたものになっている。

話の内容は詳しく書かないが、小さな町でのささいな暴力事件がさらなる事件を起こし、過去に起きた事件が明らかになり、それが大都市での対決へと結びついていくという、タイトル通りの「暴力の歴史」がリアルに語られていくさまは読み応え十分。主人公がやけに強いとか、20年も人を拷問するなんて出来んのかな、と思うところもあるけどね。

ちなみに映画版は結構ストーリーが違っているらしい。クローネンバーグは大好きなので、彼がどのように話を料理するのかが楽しみなところです。前作「スパイダー」はどうもイマイチだったけど、今回は期待してまっせ。

「Vフォー・ヴェンデッタ」鑑賞


試写会に行ってきた。いい気になってネタばらしをするわけではないが、とりあえず印象に残ったことを書いてみる: ●アメコミ原理主義者にとっては「頑張ってるのはとってもよく分かるんだけど、やはり原作には遠く及ばなかった映画」という感じ。

●ストーリーを詰め込みすぎてるために、話の展開が急でセリフばかりがやたら多く、原作のダウンビートな雰囲気はなくなっている。かといって「マトリックス」みたいにアクション満載、というわけでもない。

●”V”がやけに感情的なキャラクターになってることと、ロンドンの住民が比較的いい暮らしをしてるため、政府の圧政に対する彼の行為がどことなく軽薄に感じられ、空回りしているように見えることがある。

●ただしイヴィー(ナタリー・ポートマン)が自分の家族のことを語るところあたりから政府の横暴さがよく分かるようになるので、物語に感情移入しやすくなると思う。現実世界の出来事(イラク戦争とか、爆弾テロとか)を暗喩になってるシーンなんかは意外と心を打たれるんだけど、これをもっと露骨にやってほしかった、というのは無理な願いか。

●ジョン・ハートが演じる政府の党首と、スティーブン・フライのゴードンは原作よりも良かった。どちらも原作では薄いキャラクターだったからね。スティーブン・フライはファンなのです。スティーブン・レイも相変わらずいい感じ。

●字幕の誤訳が2つ:「フィンガーメン」は政府の手先なんだから「自警団」とするのは変。他のところで「公安部」と訳してるんだから、普通に「公安」とか「特高」とかにすればいいのに。あと「給与が20万ドル〜」とかいうセリフは、もちろん「20万ポンド」が正解。

●全然関係ないけど、「ブレイブストーリー」とかいうアニメの予告編を見せられたので一言。アニメを作るなら声優にまっとうな役者を起用しろ。セリフをかんでるアイドルを使うな。

製作側の原作に対する愛情はちゃんと伝わってくるものの、映画化にあたり加えたアレンジが役に立ってないのが残念なところです。でもそんじょそこらの映画とは一風変わった作品であることは間違いないから、一見の価値はあるかもしれない。

ちなみに原作者のクレジットは「デビッド・ロイド画に基づく」となっていた(笑)。アラン・ムーアは意地でも自分の名前を出したくなかったんだろう。1年くらい前のムーアのインタビューをこないだ読んだんだけど、自分の作品が映画になって改悪されるのに嫌気がさしたので、今後は映画の利益をすべてアーティストにあげることに決めたら、たてつづけに「コンスタンティン」や「ヴェンデッタ」の映画化の話が舞い込んできて、その大金は魅力的だったんだけど信条にもとづいてみんなアーティストにあげた、みたいなことが書いてあった。誰もあなたを咎めたりしないから、印税くらいもらっときましょうよムーア先生。

ABDUCTED BY THE DALEKS!!

ドクター・フーの宿敵で宇宙最強の種族であるダーレクが地球人のおねーちゃんたちを誘拐して、あんなことやこんなことをしてしまうC級ポルノ映画「ABDUCTED BY THE DALEKS」というものがハンガリーで作られたたしいぞ。しかも当然のことながらBBCから抗議が来て、訴訟にまで発展しかねないとか。そりゃそうだろう。 でもダーレクって、とっても性的に威圧的でないデザインだと思うんだけど、誰がこんなの観るんだろう。やっぱり「ドクター・フー」のコアなファンかな。