「BATTLESTAR GALACTICA」 シーズン1最終話

傑作SFシリーズ「BATTLESTAR GALACTICA」のシーズン1最終話を観た。
前にも書いたようにイギリス・アメリカに遅れての放送なので話の展開は既に分かってしまってるのだが、衝撃のラストはなかなか見応えがあった。最終話ということでいろんな話を詰め込みすぎてた部分もあったけど。今夏放送予定のシーズン2が待ちきれない。

ただこれって異様にテンションが高い番組なので、そのクオリティを高いものにしておくためには人気がどれだけあろうともシーズン3くらいでスパッと終わったほうがいいかな、と思うのだがどうだろう。

「BOTTLE ROCKET」鑑賞

「天才マックスの世界」や「ロイヤル・テネンバウムズ」を手がけたウェス・アンダーソン監督のデビュー作「BOTTLE ROCKET」をDVDで観る。主演&共同脚本はアンダーソン作品ではお馴染みのオーウェン・アンダーソンで、他にもルーク・ウィルソンやアンドリュー・ウィルソン、クマー・パラーナといったアンダーソン作品の常連がいろいろ出ていて楽しい。あと何故かジェームズ・カーンが出てたりする。

神経衰弱のため精神病院に入っていたアンソニー(ルーク・ウィルソン)が悪友のディグナン(オーウェン・ウィルソン)と再会し、友人のボブも含め3人で書店に強盗に入る。金を奪った彼らは田舎町のモーテルに逃亡するが、そこでアンソニーはイネスというメイドと恋仲になってしまう。しかし彼らは再び故郷の街に戻ることになり、ディグナンのボス(カーン)に誘われるがまま、ある工場の金庫から金を盗むことにするのだが…というのが大まかなストーリー。前半はアートっぽい映画かな、と思わせておいて中盤は「サイドウェイ」みたいになり、後半は「ライフ・アクアティック」ばりのドタバタ劇になる話の流れはかなり一貫性に欠けているが、テンポの速いストーリーと凝ったカメラワークによって飽きがこない内容になっている。

後のアンダーソン作品のトレードマークとなる絶妙な選曲のBGMはあまり聞けないものの、音楽と映像のタイミングの合わせ方などはなかなか見事。プールでのショットやスローモーションで終わるラストなどにも、後に確立される彼のスタイルの片鱗が見てとれる。

それなりに低予算の映画なんだけれど、ツボをしっかり押さえた内容になっているし、27歳の若さにしてこれだけの作品を仕上げた監督の技量には感服する。彼のファンなら観て損はしない作品かと。

(4月20日に「アンソニーのハッピー・モーテル」という邦題でDVD発売されるとか)

ブルージェイズ対レッドソックス

FEVER PITCH」を観たから…というわけではないが、ロジャースセンター(旧名スカイドーム)までブルージェイズ対レッドソックス戦を観に行く。ブルージェイズのホーム開幕戦ということで非常に多くの人が来ていた。開幕式には元ガンズ&ローゼスのスラッシュがカナダ国歌をギターで弾き、始球式をカナダの人気コメディ「TRAILER PARK BOYS」のキャストが行うという余興があったらしいものの、人が多いせいかチケット確認がモタついてたので30分以上も列で待たされてしまい、ようやく会場に入ったら既に2回の裏だった。何やってんだチケット係。

試合はホームランやジェイズのエラーなどにより、終止レッドソックスのリードで進行。最終回には1点差に追いついて満塁のチャンスが訪れたものの、一歩届かずに6−5の僅差で破れてしまったのは残念。レッドソックスの数名を除けば知らない選手ばかりだったけど、いい内容の試合だったので満足できたかな。

それにしても観客が場内に物をバンバン投げ込んでるのには驚いた。

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「FEVER PITCH」を観た

フォックスのラブコメディ「FEVER PITCH」を観た。主演はドリュー・バリモアとジミー・ファロンで、監督はピーター&ボビーのファレリー兄弟。「メリーに首ったけ」なんかのお下劣路線で名を馳せたファレリー兄弟にとっては異色のストレートなコメディになるのかもしれないが、彼らの作品はあまり観たことないのでよく分かりません。一応それなりに低俗なネタが出てきます。そして原作は「ハイ・フィデリティ」や「アバウト・ア・ボーイ」で知られる作家ニック・ホーンビィ。以前にもこの原作は「僕のプレミア・ライフ」なんて邦題で映画化されてるとか。原作は弱小サッカーチームであるアーセナルの勝敗に一喜一憂するファンの心理を描いたノンフィクションだったのに対し、映画は例によって舞台をアメリカに移し、弱小野球チームであるレッドソックスのファンを題材にしたフィクションになっている。これじゃ原作とまるで別物じゃないか?
なお原作はアーセナルが久しぶりに優勝するところで終わってるが、映画も撮影中にレッドソックスが何と86年ぶりに優勝してしまったため、急いで結末を書き換えることになったらしい。これに対し旧来のレッドソックスのファンからは「あざといソクスプロイテーションだ」という声が挙がってるとか。何だよ「ソクスプロイテーション」って。

バリモアが演じるのはキャリアウーマンのリンジー。彼女は教師のベン(ファロン)と知り合い、すぐに恋仲になるのものの、実はベンはレッドソックスのあまりにも熱狂的なファンだった。彼女はベンのために自分の仕事を犠牲にしてまで一緒に試合に行ったりしていたものの、レッドソックスのことしか眼中にない彼との間にやがて亀裂が生じてきて…というのが大まかなストーリー。昇進を目前にしたキャリアウーマンが30歳になったからって、恋人がいないことに突然オロオロして小汚い低所得の教師と付き合うようになるなんて絶対ウソだと思うけど、その点にだけ目をつむれば比較的よくまとまったラブコメディになっている。

ただ原作のファンにとっては、ベンよりもむしろリンジーの観点に沿ってストーリーが進んでいくことに不満を感じる。基本的にニック・ホーンビィって従来の小説界では軽視されていた「男のいじらしさ」を描くのが優れている作家で、個人的にも「ハイ・フィデリティ」に出てくる、好きな女の子のためにせっせとミックス・テープを作る主人公の姿にひどく共感した覚えがある。しかしこの映画ではリンジーが主人公なので、レッドソックスのファンたちが「理解不能なオタク」として描かれてしまっている。そのため原作の魅力である、スポーツやレコード・コレクションといった些細なことに愛情と情熱を注ぐ男性たちの心理描写がかなり薄れてしまっているのだ。「レッドソックスのファンであるということは何を意味するのか」についてベンが激白するシーンも一応あるものの、いかんせんファロンの演技が下手なので「小汚いオタクの裏に隠れた繊細な自分」を表現することに失敗している。対するバリモアの演技が非常に艶やかなので、男性陣の代弁者であるべきファロンが役立たずにしか見えないのが残念。

男性側の心情がしっかり描けていた「ハイ・フィデリティ」や「アバウト・ア・ボーイ」に比べれば明らかに劣る作品だけど、これはあくまでも原作を読んだことのある男性としての意見なので、普通にデート・ムービーとして観る分には悪い映画ではないんじゃないでしょうか。ラストのクライマックスには感動できたし。

ただし予告編はジョークのオチばらし&本編に入ってないシーン満載なので、出来れば予告編を見ないで劇場に行くことをお勧めします。

「月世界の女」を観る

フリッツ・ラング監督のサイレント映画「月世界の女」をDVDで鑑賞する。以前に六本木の俳優座で上映してたのを観そびれたので。

このブログで映画について偉そうなことをいろいろ書きこんでるわけだが、俺が今まで観た映画のなかでナンバー1の作品は、実はラングの「メトロポリス」だったりする。色や音がなくても壮大なスケールの物語を見事に描ききったたあの映画はまさしく「失われた芸術」であり、現在の製作者がどんなに金をつぎ込もうともあの雰囲気をだすことは不可能だと思うのだけど、どうだろう。サイレント映画はセリフがない(もしくは少ない)ぶん、内容を頭の中で勝手に補完できるところが魅力ですね。

でも本作は3時間近くあるので(完全版?)、途中でずいぶんダラけるところがあったのは否めない。月ロケットが発射されるまで、1時間半も悪役との押し問答が続くのは何なんだ?
そして内容そのものは意外なくらいにハードSFしている。メリエスの「月世界旅行」みたいなファンタジーかなと思っていたら、ロケットの打ち上げや無重力状態などが(1920年代年当時としては)綿密に描写されているのが興味深い。ちなみにロケットの打ち上げにカウントダウンを用いたのはこの映画が初めてだとか。まあ月面に空気があるのはご愛嬌ということで。
あと当時の作品にしては珍しく(サイレント映画の女性ってみんな美人じゃありません?)ヒロインがあまり魅力的ではないような気がしたけど、ラストにはちょっと感動した。

「メトロポリス」だけでなく「M」や「ニーベルンゲン」といったラングの他の作品に比べれば明らかに劣る映画だけど、当時の科学観などが分かって面白い。一見の価値はある映画かと。