運転理論のクラスがあるので、朝からPapeへ。先生はいかにも元ヒッピーという感じの人。授業の内容はいかにも基本的なもの。5車線での右折の仕方などを教えられるのが日本とは違うところか。 生徒は10名ほどなのだけど、モロッコ人とかインド人とかアイルランド人とか、世界中からの人種が集まっていた。どんなに少人数の集まりでも、このように「スター・トレック」(あるいは「サイボーグ009」)状態になるのがトロントの魅力的なところである
ターネーション
超低予算の作品ながらサンダンスなどで話題になったドキュメンタリー。ガス・ヴァン・サントとジョン・キャメロン・ミッチェルがエグゼクティブ・プロデューサーなので、この監督2人の作品が好きな人なら、かなりツボにはまるかもしれない。 監督そして物語の主人公はニューヨーク在住の役者ジョナサン・カウエット。彼の母親レネーは幼いときにモデルとして活躍するほどの美貌をもちながら、とある事故がきっかけで両親の要望によりショック療法を繰り返し施され、そのおかげで精神が不安定になったまま大人へと成長する。親元を離れた彼女は結婚をするがすぐに離婚、その後にジョナサンをもうけるものの彼女の精神はさらに悪化。ジョナサンは施設に預けられるがそこで虐待を経験することとなる。それに加えて母親の友人にもらったドラッグにより精神に異常をきたした彼は、ゲイのコミュニティーと映画製作と役者稼業に心の平穏を見いだしてニューヨークへ移り、自分の存在さえ知らなかった父親に対面したり、母親と親密になる機会を持ったりするが、やがて母親がリチウムの過剰摂取で倒れたことを知り、故郷のテキサスへと向かう…というのが大まかなストーリー。虐待・心の病・疎外感などに溢れた哀しい物語が、過去の8ミリ映像や写真の絶妙なコラージュとともに美しく語られていく(流れる音楽も最高)。
かつての美貌を長く苦しい生活により失い、最後はリチウムのために脳障害を起こして無邪気に笑う母親、温厚そうに見えるけれども過去にレネーを虐待しており、年をとってボケていく祖父母、そしてパンク・ロックとアングラ映画に自分のアイデンティティを見つけようとするジョナサンの映像が心を打つ。起承転結の明確な話ではないので冗長に感じられる部分もあるが、非常に印象的な作品であることは間違いない。
ただ個人的には、もとから内容に興味があって観に行ったわけでは決してなく、この作品の(最大の?)ウリとしてアップルの無料映画製作ソフト「iMovie」で全編が作られたということに興味を抱いたのだ。
プロ向けのFinalCutなどに比べれば性能が著しく劣るiMovieだが、その映像エフェクト(特に「Nエフェクト」や「ミラー」)をこの作品は効果的に駆使して、とても素人向けのソフトで作ったとは思えない映像加工や編集に成功している。ジョナサンは友人のマックで地道に製作を行ったらしいが、カメラとマックさえあれば劇場映画が作れる時代になったわけだ。iMovieに詳しい人なら「あ、今のはXXのエフェクトだ」とか「このシーンはまずフラッシュをかけて、それからスピードを遅くして撮ったな」などと観察するのも面白いかと。ただ細かい点を挙げると、iMovieでは出来ないはずの画面分割エフェクトが使われているし、スカイウォーカー・サウンドでの音声ミックスなどのポスト・プロダクションも行ったようだから、一番始めにiMovieで作られたものとは内容が違っているようだ。もちろん映画のストーリーには何の関係もない事だけど。
スーパーボウル (slight return)
先日「つまらん」と書いたスーパーボウルでのポール・マッカートニーのハーフタイム・ショーだが、実際に「つまらん」という理由で連邦通信委員会に苦情を訴えた人がいるとか。いちいちこんなことで訴えなくてもねえ。
ネット上の掲示板とかブログとか見てると、人の書き込みに徹底的に否定的な意見とかを書き込んでる人が多々いるけど、ああいうことをする活力はどこから湧いてくるんだろう。もちろん書き込んでる人は悪気があるというよりも、何か使命感のようなものを持って書いてるんだろうが、テレビ番組や書き込みが気に入らなかったら、単にテレビを消すとかそのページを二度と訪れないようにすればいいだけの話かと思う。まあここで「つまらん」と書き込んだ俺も似たようなものかもしれないが。
狂牛病
日本ではイギリスに1ヵ月滞在してた男性が変異型ヤコブ病になったことから、英国に滞在してた人からの臓器提供を当分見合わせるとか。意地の悪い見方をすれば、国内での牛肉から感染したとは発表できないために、お上が無理矢理イギリス滞在に結びつけた、ということも考えられるけど実際はどうなんだろう。
俺は狂牛病が大ブレークしたときにイギリスに住んでたし、こないだBSE牛が発見されたカナダに現在は住んで牛肉を食っている。どう感染・発症するのか何も分かってない病気なので心配しても仕方ない、と思う。
ちなみにイギリスに住んでた人からの献血も現在は受け付けてないらしいが、まだ日本でのBSEへの意識が薄かったころ、俺は図書券の報酬(現在はこれを渡すことも禁じられてるらしいが)欲しさによく献血に通い、銀章をもらったことがある。あのときの俺の血液はどう利用されているのか。
買い物
せっかく何の予定もない日なのに、久しぶりに雪が降って外出するのがおっくうになる。それでもダウンタウンまで行って、コートやブーツなどを物色してくる。日本を出るときは「カナダで買うからいいや」と思って衣服や物をそれなりに捨ててきたのに、今になってみると「日本に帰って買えばいいや」と思い始めてるのが何とも皮肉である。単に俺がケチなだけだが。これからどのくらい寒くなる(あるいは暖かくなる)か分からないから、コートを買うのには二の足を踏むんだよな。とりあえず安売りしてた「アタリ」のTシャツを購入。アタリのゲームをやってた世代ではないのだが。