大学

通いたいと思っているコースが来週から始まってしまうので、ダウンタウンにある大学にもう一度足を運び、通常料金で登録することができないかダメもとで聞いてみる。そしたらすんなり認められてしまった。やたら高い料金を払うようなことを言った前回の受付係は勘違いしてたのだろうか。どうも学生ビザだと外国人料金を払わないといけないのだけど、就労ビザでは普通料金でいいらしい。理由は不明。後になって追加料金を請求されないか不安ではあるが、とりあえずこれで「低予算映画の撮り方」と「カートゥーンの描き方」のコースに通えるようになった。後者は余興で。「脚本の書き方」のコースを一番とりたかったのだけど、定員になってしまったらしい。それぞれ1回3時間のクラスに毎週、3ヵ月通うことになる。

V FOR VENDETTA

アラン・ムーアの大傑作コミック「V FOR VENDETTA」にナタリー・ポートマンの出演が決定したとか。ポスターらしきものも出来ているのを見ると、ずいぶん製作は進んでいるということか。

監督は新人ということでよく知らないが、製作はワショウスキー兄弟。「マトリックス」以前から映画化を計画しているという話を聞いていたので意外ではないけど、「コミックでしか表現できないストーリーテリング」を信条とするアラン・ムーアの作品が、こうも次々と映画化されるというのはちょっと皮肉めいている。
でも全体主義政府に対抗するテロリストが主人公である「V」は、現在のアメリカの政治状況下できちんと映画化できるのだろうか。「リーグ・オブ・レジェンド」も「フロム・ヘル」も原作とは全く異なった映画になってたからなあ(それなりに面白かったけど)。

ウィル・アイズナー死去

朝っぱらからウィル・アイズナーが他界したことを知り陰鬱な気分になる。

日本ではあまり知られていない名前だが、1930年代にデビューして以来、アメリカのコミックス文化の最前線にて活躍を続けてきた人で、アメコミの神様のような人であった。コミックス(彼の好んだ言い方は「シーケンシャル・アート」つまり「連続したアート」であった)の黎明期から既にその表現方法の可能性に注目し、スーパーヒーローものの枠にとらわれずに貧困や戦争、宗教といった一般的なテーマを扱った彼の革命的なストーリテリングの技法、特に登場人物の実に豊かな感情表現方法は80歳を越えても一切衰えることを知らなかった。最近受けた心臓手術が成功し、回復も順調だという話を聞いていただけに、その死が非常に惜しまれる。合掌。

映画業界事情

カナダの放送局CBCの報じるところによると、2004年にカナダでの映画撮影が大幅に減ったのを受けて、ケベックやオンタリオでは映画製作に対する免税率を上げてハリウッドからの仕事の誘致を狙うそうな。2005年は去年よりマシな年になるだろうとのコメントが載っているけど、そううまくいくものだろうか。

これと前後して、ニューヨークも映画製作に対する免税を行うというニュースが流れていた。国外への仕事の流出についてハリウッドはえらく過敏になっているから、もし免税後の製作費が同じくらいであればカナダはアメリカに比べて圧倒的に不利な立場にあるわけで、2005年もカナダの映画業界は苦しい状況に置かれるんじゃないだろうか。

こうした話を聞いていると、日本への映画撮影の誘致はまず不可能だということがよく分かってくる。物価は高いし、スタッフは英語を話さないし、撮影許可を得るにもお役所の面倒な手続きを通さないといけないし。「ラスト・サムライ」がニュージーランドで撮影されたのがいい例だろう。

ちなみにトロントではデビッド・クローネンバーグの次回作「A History Of Violence」の撮影が既に終了していたらしい。原作のコミックがかなり暴力的な作品で、それをクローネンバーグがどう映画化するのかに興味があったのだけど、撮影現場を見ることはもう無理になってしまったのか。