トロント雑記 その3

部屋探しの合間に映画館で「Shaun Of The Dead」と「Team America: World Police」を観る。前者はとても面白い。コメディとしてもゾンビ映画としても秀逸なイギリスの映画。それに比べて「Team America」は凡作だった。最大のウリであるはずの「人形劇」の部分は観ててすぐ飽きるし、ストーリーも先が読めるのでそんなに面白くない。結局のところエログロの描写が一番面白かったりする。
ちなみにカナダの映画の入場料は1000円から1400円くらいのところか。全体的に物価は東京よりもやや安いものの、税金が15%もかかるので値札を見て勘定をすると痛い目にあうことになる。あと出発前にも聞いていたが、印刷物(紙類)が高い。コミックなんて1部が5ドル近くもするもんだから、とてもじゃないが買えない…ので立ち読みでガマンする。書籍なんかが特にそうだが、アメリカ製のものはまだカナダドルが弱かったころのレートで値段が付けられているのだが、最近ではカナダの経済力が強まった(あるいはアメリカのそれが弱まった)ので、それが不公平なレートになっているのだと思う。なおカナダドルの価値が上がったことは、外国の企業にとってはカナダでの人件費が上がったということになるので、カナダの映画産業は今までのようにアメリカからの仕事を大量に受けることができず、スランプ状態なのだとか。こんなんで俺は当初の望み通り、映画関係の仕事を見つけることが出来るのだろうか?

トロント雑記 その2

とりあえず観光よりも部屋探しが優先事項なので、ナイアガラ行きなどは無視してとりあえず街を歩き回る。トロントは想像していたよりもデカい。とてもデカい。しかもロサンゼルスのように道路しかないデカさではなく、商店街がどこまでも続いているような感じだ。街のどこに行ってもそれなりに店が揃っているのは、経済の好調さを表しているのだろうか。おかげで街のどの地区にいてもそれなりに生活はできるのだけど、他の地区に行く場合はTTCと呼ばれるバス/路面電車/地下鉄を使わなければならなくて、これらはそれなりに便利なんだけど、どこかへ行くのにいちいち乗り物を使うのは面倒といえば面倒である。
それと驚いたのは人種の多用さで、これはロンドンやニューヨークをしのぐくらいじゃないだろうか。アフリカ系からアジア系から、とにかく世界中の人種が集まって来ているような気がする。そして特に人種間の緊張があるわけでもなく、皆が仲良くやっているのが驚きといえば驚きだった。しかもニューヨークのように誰もが英語を話せないようなわけではなく、逆にみんな流暢な英語を話すものだから、話についていくのにも一苦労してしまう。英語の教員の資格でも取ろうかな、などとトロントに来るまでは考えていたけど、自分の英語力はまだまだだと実感させられる次第だった。
ちなみに思っていたほど寒くはない。日本よりは寒いだろうけど、ちゃんとジャケットやコートを来ていれば、歩いてると暑くなってくるくらいだ。ただし突然雨が降り出したり、霧が出てくるときもある。緯度が高いところにあるわりには、6時くらいまでずいぶん日が明るいのは何故なんだろう。朝は遅くまで暗いのだが。

トロント雑記 その1

荷物が多すぎるんじゃないかとか、少なすぎるんじゃないかといろいろ不安になりながらもカバンを抱え、10月22日に成田空港からトロントへ向けて出発した。空港では例によって靴の中をチェックされる。俺のドクターマーティンはそんなに怪しい物が入っているように見えるのだろうか。フライト自体はかなり不快。隣の席が空いていたのでそれなりに横になれたものの、やけに揺れたのと時間が長かったためにアトランタに着いた頃にはかなり疲れていた。あと機内で「ヴァン・ヘルシング」を観たが最低だった。アトランタ空港はやたら大きいような気がする。乗り継ぎがあると精神的にもやはり疲れてしまう。しかも乗り継ぎだというのに指紋と顔写真をとられるのだからたまったものじゃない。人を勝手にテロリスト扱いするなよ。
アトランタで3時間ほど待ったあと、小さな飛行機に乗ってトロントへ。入国審査は心配していたよりもずっと簡単に済み、ワーキングホリデーのビザも無事1年分もらうことができた。あとはダウンタウン行きのバスに乗ってユースホステルへ向かう。全体的に旅自体はとてもスムーズに行ったと思う。
ホステルは世界中からの若者が集まっているようなところだが、やはり英語を話せる国の人がイニシアチブをとっているような感じがある。2年も泊まっている日本人の女性がいた。無線LANがあったので、ネットに簡単に接続できたのが助かった。