FXの新シリーズで、同名映画作品(邦題「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」)のTVシリーズ版。

劇場版の監督だったタイカ・ワイティティとジェマイン・クレメントが深く関わっており、基本的な話の内容は変わっておらず、1つの屋敷のなかに共同で暮らす吸血鬼たちの愉快な日常を追ったモキュメンタリー作品となっている。ただし劇場版は舞台がニュージーランドだったのに対してこちらはニューヨークのスタテン島が舞台になっており、登場人物もすべて異なっていた。

屋敷に住むのはリーダー格の吸血鬼のナンドー、その仲間のラズロ、その恋人のナジャ、彼らの召使で人間のギレルモ、およびエネルギー・ヴァンパイアのコリン・ロビンソン。あと長旅をかけてやってきたバロンという古参の吸血鬼が棺桶のなかで長寝をしているという設定になっています。

個人的には劇場版はモキュメンタリーのブームの末期に公開された(と思っている)こともあり、そんなに評価はしていないのだけど、今度のTV版はエネルギー・ヴァンパイアという新しい吸血鬼がいるのがポイントかも。彼らは日中でも活動できるタイプの吸血鬼であり、他人のやる気を精神的に吸い取ってしまうという能力を持つため、普段は人間に紛れてオフィスワークを行い、同僚に迷惑をかけてやる気を吸い取っているのだ。しかもこの能力は吸血鬼にも効くらしく、彼が部屋に来るだけで他の吸血鬼は気力が萎えるという設定になっている。kおのコリン・ロビンソン、うまく扱えば結構面白いキャラになるかも。

あと劇場版ではオオカミ男とか魔女といった他の種類のモンスターが登場してましたが、予告編を見る限りではこちらでも登場するみたい。あと空中浮遊や壁をよじ登るといった特殊効果は、TVシリーズにしてはよく撮れていました。

ナンドーとラズロとナジャの3人の吸血鬼はみんなイギリスの俳優が演じている。なかでもラズロは「IT CROWD」「SNUFF BOX」などで知られるマット・ベリーが演じており、これがアメリカで彼がブレークするきっかけになるかも?あとはバロンの中の人をダグ・ジョーンズが演じていたりします。

全体的には劇場版の雰囲気によく似ているので、あれが好きだった人は楽しめるでしょう。 シュールな内容もFXのコメディ番組としてはよく似合ってるのでは。

SKY ONEのよく分からない新作シリーズ。何が分からないかというと設定がなんか変で、こんな感じ:

  • 舞台は近未来、もしくは別の世界のイギリス。
  • そこでは全体主義の政府が、武装した警官を使って人々を管理している。
  • 謎の疫病が人々のあいだで流行っており、それに感染した人はゾンビになってしまう
  • ゾンビは夜に出没する政府によって厳密な夜間の外出禁止令(curfew)が敷かれている。
  • こうした暮らしから抜け出したい人のあいだでは謎の通信機器が高値で取引されており、そこには楽園のような島に住むという者からのメッセージが届き、闇レースの開始場所が教えられる。
  • 人がその島に行くためには闇レースに勝つ必要があるため、怪しげなレーサーたちがスタート地点にやってくる。

といったもの。つまりゾンビもの+ワイルド・スピードといった設定で、まるで授業についてけない中学生がノートに書いたような内容ではありませんか!じゃあ面白いのかというとかなり微妙で、妙に地味だったりするのだが。あとこれテレビシリーズなのにビスタサイズで撮影しているような?上下に黒みを入れるメリットってあるのか?

どんより曇ったイギリスには全体主義の話がよく似合うのは周知の事実ですが、この作品の政府はあまり抑圧的でもなくて、日没時間になったら残業させずに人民を帰宅させてるし、家宅捜査を強行するのも疫病の患者をかくまってる家にだけだったりする。

カーチェイスは第1話にもちょっと出ていて、カーブの動きに重量感がないあたりから察するにCGで処理してるのかな?でも意外とリアルな感じはあったと思う。

出演者は有名どころだとショーン・ビーンにエイドリアン・レスター、ビリー・ゼイン、ミランダ・リチャードソンといったところか。エイドリアン・レスターは「華麗なるペテン師たち」好きだったな…と観てたら、なんと第1話でゾンビに喰われてリタイア!オープニングクレジットの登場人物がやけに多かったのは、これからどんどん減っていくということなのだろうか?

第1話はレーサーたちがスタートラインに集合するところで終わるので、実際のカーレースのシーンはなし。カーレースをテーマにしたテレビシリーズって、FOXの「Drive」とかSyfyの「Blood Drive」のようにあっという間に終わった作品のイメージしかないので、果たしてそのジンクスを破ることができるか?あまり期待してないけど。

米SHOWTIMEの新作シリーズ。

1987年に起きたウォール・ストリートでの史上最大の株価暴落事件「ブラック・マンデー」の1年前を舞台に、暴落に至るまでの過程をフィクション化した内容。共同クリエイターに「HAPPY ENDINGS」のデビッド・キャスピーがいるほか、第1話の監督をセス・ローゲンとエヴァン・ゴールドバーグが行なっているので、全体的にコメディタッチのドラマになっている。

主演はドン・チードルで、ウォール・ストリートにおいて11番目に大きな証券会社に勤務し、リムジン仕様のカウンタックを派手に乗り回しながら、金融社会でのし上がっていこうとする証券マンを演じている。つうかチードルはこないだまで同じSHOWTIMEの「HOUSE OF LIES」で似たようなオフィス街のハスラーを演じていたので違和感なし。SHOWTIMEは「BILLIONS」もあるし金融ドラマに力を入れてるんだろうか?

そんなチードルに訳あって声をかけられて彼と働くことになる、コンピューターが得意の新人を演じるのがアンドリュー・ラネルズ。どこかで見た顔だと思ったら「THE NEW NORMAL」の人か。他にもポール・シアー(ヅラあり)とかケン・マリーノ(一人二役)といったコメディ畑の人が出ています。

1987年10月19日のブラックマンデーのちょうど365日前から話が始まり、だんだん当日に向かってカウントダウンしていく作りのようですが、ちゃんと最後まで番組を続けられるかな?なおブラックマンデー当日にチードルかラネルズか別の誰かが飛び降り自殺をするような展開が示唆されてますが、どうなるかは分かりません。

いかんせん30年も前の話なので、「マネー・ショート」とかに比べると現代の金融情勢に通じるような話にはなってこないと思うが、そこはうまく共通点を見つけるのかな。なお80年代といえば、やはり日本がバブルでアメリカでもイケイケだった頃なので、この作品でも登場人物が少し日本語を話していたり、ヤクザが登場したりするみたい。いかに株式市場が暴落したかと共に、日本の経済力がいかに地に落ちたかが説明されていくのだったら結構興味深い番組になるかもしれない。

HAPPY!」に続く、イメージ・コミックス原作のSYFYチャンネルの新シリーズ。放送開始は1月だが第1話が先行配信されていた。

舞台は1987年のアメリカ。レーガン大統領の政策によって精神異常者は病院で保護されずに街へ放り出され、その一人に両親を殺された少年マーカスは、入れられていた孤児院を放火したという嫌疑をかけられて街をさまよっていた。そんな彼はバイクに乗って日本刀を操るヤクザの娘サヤと出会い、彼女が住む施設キングズ・ドミニオンへと連れてこられる。そこはリン校長のもと、さまざまなバックグラウンドをもった生徒たちが一流の暗殺者になるよう教育される「学校」だったのだ。行くあてもないためにリン校長の招きを受け入れて「生徒」となったマーカスだが、彼には多くの試練が待ち受けていた…というあらすじ。

製作にルッソ兄弟が関わっているほか、コミックのライターであるリック・リメンダーも少なくとも第1話にはいろいろ携わっているようで、「HAPPY!」に比べても概ねコミックの展開になってるかな?アーティストのウェス・クレイグの絵はマーカスの両親が死ぬところのフラッシュバックで用いられてました。

なお舞台が80年代ということでサントラにはニューウェーブ系のバンドの曲がコテコテに使われていて、キリング・ジョークにダムドにエコバニにザ・キュアーなどなど。そこまでガンガン流すか?といった感じだったけど。

キングズ・ドミニオンのリン校長は原作だと白ヒゲの小男だが、こちらでは「アベンジャーズ」のベネディクト・ウォンが演じている。実質的な主人公はベンジャミン・ワズワース演じるマーカスなものの、アジア系のウォンがクレジット上ではトップに出てますよ。あとは有名どころだと「X-MEN: アポカリプス」でジュビリーを演じたラナ・コンドルがサヤを演じているほか、先生役でヘンリー・ロリンズが出ています。

第1話の前半はマーカスが自分の生い立ちと境遇をナレーションで延々と語る形になっていて、まあコミック通りではあるのだが映像としては単調だな。後半はキングズ・ドミニオンにおけるさまざまな先生と生徒たちが紹介されていき、多くの生徒たちは自分のバックグラウンドにあったグループに属していて、ヒスパニックや黒人のギャング、サヤ率いるヤクザの組、白人至上主義者などなど。

マーカスは孤児院を焼いたという嫌疑で他の生徒にも白い目で見られ、ゴスやパンクの生徒とともにつまはじきにされているのだが、いかんせん登場人物が多すぎるなあ。ヒスパニックのギャングのメンバーとのケンカも盛り上がらずに、第1話は状況説明だけで終わってしまったような。今後はシリアルキラーなども登場するようで、話がだんだんこなれてくることに期待しましょう。

「ドクター・フー」シリーズ11開始


というわけでついに登場しましたよ、13代目にして初の女性ドクター。いろいろ論議を呼んだキャスティングだけど、正直なところ今までのドクターに比べてそんなに違和感がなかった。そもそもドクターって性的なものに興味がないというか、アセクシュアルなキャラクターであるわけで、男が女になったからといって性格がそんなに変わるわけでもなし。劇中でも女性になったことは簡単に触れられる程度で、あとはおなじみの冒険が始まっていく。

今回のドクターを演じるジョディ・ウィテカーって素はヨークシャー訛りが結構キツいので、セリフが何言ってるか分からないんじゃないかと心配してたが、劇中ではそんなに訛ってなかったような。団地の中というか室内に入ると、以前の出演作「アタック・ザ・ブロック」の人、のように見えてしまうのはご愛嬌。第1話は例によって前のドクターであるピーター・カパルディの衣装で大半を過ごすのだが、若くて活発的なこともあり、むしろ11代目のマット・スミスを彷彿とさせるかな?肉体が再生したばかりでも味覚は11代目にくらべて普通なようで、エッグサンドウィッチを欲しがったりします。全話で最後に発した「Aw, Brilliant!」が新キャッチフレーズになるかと思ったけどそうでもないみたい。

主役交代に加えて番組のショウランナーも、長年勤めたスティーブン・モファットから「ブロードチャーチ」のクリス・チブナル交代。「ドクター・フー」の初心者でも楽しめるような内容にされているとうことで、あまり過去の歴史などへの言及はなし。日本でも「ドクター・フー」入門編としていいんじゃないですか(日本でいつ放送するかは知りませんが)。第1話は意外にも最後までターディスが登場しなくて、前話の終わりで行方不明となったターディスを探すのが今シーズンのテーマになってくるのかな?ターディスがないため、ドクターは身近にある素材を用いて新しいソニック・スクリュードライバーを自作したりしてます:

話は冒頭からグングン進んでいって、なんとオープニング・クレジットもなし。シェフィールドに謎の物体が落ちてきて、それに関わった男女数人が謎の機械生物に遭遇。そこにドクターが登場し、さらに別のエイリアンが現れて…といった展開。製作予算が増えたのか、特殊効果もかなり迫力のあるものになってるぞ。今回のコンパニオンは、運動障害があって自転車に乗れない少年ライアン、その義理の祖父のグレアム、ライアンの元同級生で警官のヤスミンになるみたい。従来のドクターに比べてコンパニオン(BBCのサイトによると「フレンズ」が新しい呼び名になるのかな?)の数が多いあたり、ウィテカーだけでは番組を支えられないと製作陣が考えたのかと勘ぐってしまうが、真相はわかりません。

シーズンの予告編では、アラン・カミングやクリス・ノスといった今後登場する役者が紹介されるだけで、ダーレクをはじめとするおなじみの敵役などが登場するのかは一切不明。新規ファンが楽しめるようにした一方で、オールドファンには少し物足りない気もするが(オープニング・クレジットはつけて欲しかった!)、新しいドクターは十分魅力的だし、これからどんな冒険が待ち受けているのかに期待しましょう。