Ex- FBI official was ‘Deep Throat’

ニクソン大統領とウォーターゲート事件の関係をワシントン・ポスト紙がすっぱ抜くのに貢献した最重要人物であり、その正体が30年ものあいだ謎となっていた内部告発者「ディープ・スロート」の正体が突然公表されていたので仰天する。当時FBIのナンバー2であった人物、マーク・フェルトが自ら認めたとか。 ディープ・スロートの正体についてはブッシュ親父とかキッシンジャーとかも候補に挙がっていたわけだが、30年もの謎というと途中でいろいろ尾ヒレがついてきて、実際の話よりも大きなものに感じられてしまうわけで、それがいざ解明されてしまうと、どうしても肩すかしをくらったような気分になってしまう。「JFK狙撃の真犯人判明」とか「火星人発見」なんてことが将来あったとしても、実際は意外とショボく感じるのかもしれない。

彼はアメリカの歴史の中でも1度しかない「大統領の任期中の退任」の原因となった人物だが、ニュースを見る限りでは「国のヒーロー」的な見方をされているようだ。これが日本だったらどう扱われるんだろう。「反日分子」とか?

「VERONICA MARS」第1話

弱小ネットワークであるUPNで昨年開始され、低視聴率ながらもギーク連中にカルト的な人気を博した少女探偵ドラマ「VERONICA MARS」がやっとカナダで放送されることになったので、さっそく観てみる。 金持ちの子弟と、その金持ちたちに仕える人々の子弟が通うネプチューン高校に通うヴェロニカ・マーズは、1年前までは親が大金持ちのボーイフレンドがいて、友達がたくさんいて、非常に楽しい毎日を送っていた。しかしある晩、ボーイフレンドの妹であり、ヴェロニカの親友だった少女が遺体となって発見されたことから彼女の生活は一転する。ボーイフレンドには突然フラれ、保安官だった父親は事件の捜査ミス(?)のために職を失い、母親は家を出ていってしまう。他にも悲惨な目にあったヴェロニカは、私立探偵となった父親を手伝うようになるが、ある依頼がどうも自分の母親に関係があることを知って衝撃を受け、どんな目に遭おうとも一連の事件の謎を解明しようと誓うのだった…というのが第1話の大まかな話。

金持ちのクソガキどもにバカにされ、教師にも嫌われてる高校生の疎外感がよく表現されてた。でも内容は決して暗いものではなく、むしろヴェロニカが頭脳を使って相手を懲らしめていく、といった比較的明るいトーンになっている。強いて言えば「聖少女バフィー」に似てるところがあるかな。第1話を観た限りでは過去のフラッシュバックが多用されてて話の流れがつかみにくいところもあったものの、次回も観てみたくなるような作品になっている。アメリカのTVシリーズの常として、20代半ばの役者(クリステン・ベル)がティーンエイジャーを演じてるのがちょっとアレだけど、日本で放送してもそれなりに人気が出そうな番組だと思う。

「KINSEY」鑑賞

約1万8000人もの男女にセックスについてインタビューして性科学の分野の地平を開き、1960年代のいわゆるセックス革命のきっかけをつくったアルフレッド・キンゼイ博士の伝記映画「KINSEY」こと「愛についてのキンゼイ・レポート」をDVDで観る。邦題は大ウソなので、デートムービーと勘違いして恋人と観に行ったりすると非常に気まずくなると思うのでご注意を。日本ではボカシかけるのか? 1894年に生まれ、厳格なキリスト教徒である父親のもとで育ったキンゼイは、野生動物の生態に興味を抱き、やがてタマバチの研究で名を馳せるようになる。しかし結婚したときに妻とのセックスに失敗したこと(両者とも初だったのだ)などをきっかけに性科学に興味を抱くようになり、アメリカで一般的に考えられている「普通で正しいセックス」と実際に人々が抱いている性的嗜好がいかに大きくかけ離れているかをまとめた通称「キンゼイ・レポート」はアメリカ社会に大きな衝撃を与える。しかし彼の研究は議論の的となり、彼は保守系グループからの激しい批判にされされるのだった…というのが大まかなストーリー。

個人的にはこの映画が公開されるまでキンゼイ博士のことをまったく知らなかったのだけど、強い信念を持って研究を達成しようとする彼の姿をリーアム・ニーソンが好演。最近では「お師匠様」の役ばかり演じてる感の強いニーソンだが、むしろ「マイケル・コリンズ」とか「シンドラーのリスト」みたいな、苦悩する男性の役のほうがこの人には似合ってると思う。そして彼の研究に困惑しながらも(そりゃそうだろう…)、彼を陰で支える妻を演じるローラ・リニーもいい感じ。他にもオリバー・プラットやディラン・ベイカー、ジョン・リスゴーにウィリアム・サドラーといった実に濃いオヤジたちが続出します。そしてキンゼイの弟子を演じるピーター・サースガードに至っては、文字通り体を張った怪演を見せつけてくれる。

監督と脚本は「ゴッド・アンド・モンスター」のビル・コンドン。あの映画と雰囲気はよく似ているけど、密室劇だった「ゴッド〜」に比べ、こちらの作品はより幅の広いテーマを扱っている。文句があるとすれば、時間の都合のために、長年にわたるキンゼイの研究の光景をずいぶん省略したような感じがすることか。そのためキンゼイ博士が深い洞察力を持って入念に研究をした人なのか、むしろ猪突猛進的に進んでいった人のか、どうも分かりにくいところがあったかな。
あと題材が題材だけに、「真面目なジョン・ウォーターズ映画」(そんなものがあればだが)のように見えてしまうシーンもあって、ついゲラゲラ笑ってしまうこともあった。これも監督の意図か?

性がずいぶん開放された現在においても「キンゼイ・レポート」は論議の対象になっており、この映画が公開されるにあたってキリスト教団体からクレームが来たらしい。それだけ性と文化のタブーは密接に繋がっていると言うことか。でも観る人全員にとって何かしらの関連性をもった作品なので、観て損はしないと思う。

ちなみに観たDVDは2枚組で特典が大量に付いていて、キンゼイの研究をもとにしたテストなんてものも含まれている。それによると俺は「あんまり性的に興奮せず、(妊娠や性病とかの)リスクを考えてしまうと萎えるタイプ」だそうだけど、本当なんでしょうか。

TORONTO COMIC ARTS FESTIVAL

コミック作家のコンベンションがダウンタウンであったので足を運んでみる。
小さな通りを閉鎖して作家たちのテーブルを並べる予定だったらしいけど、あいにく昼過ぎに雨が降ったので狭いテントの中で皆が作品を並べて販売していた。最終日の夕方だったので閑散とした感じだったかな。 「DC: NEW FRONTIER」(大傑作!)の作家であるダーウィン・クックが来ると聞いてたんだけど、どうも彼はテーブルをもたず、ただ単に講演を行ったらしい。でも「SEAGUY」を描いたキャメロン・スチュアートがいたのでしばらく雑談する。実は「SEAGUY」は3部作になる予定で、グラント・モリソンが現在ストーリーを書いてるとか、自分の次の作品は戦争ものになるとか、いろいろ教えてもらう。彼はカナダ人でトロントにスタジオを持ってるらしい。決して超有名ではないけれど、人気アーティストである彼が1人でコミックを売ってる姿はなんかホノボノとしたものがあった。とりあえず「HUMAN TARGET」の表紙にサインしてもらって購入してくる。

‘Star Trek’ cast member to appear in fan film

「スター・トレック」のチェコフことウォルター・ケーニッグが、一般のファンが作るスタトレ・シリーズ「NEW VOYAGES」の1エピソードに出演することになったとか。もちろんチェコフ役で。 「チェコフをきちんと演じきりたかったんだ」という彼のコメントがホノボノとしてるけど、脚本は本当に「スター・トレック」のライターだったDCフォンタナが担当し、エミー賞を受賞したメーキャップ係も参加するなど、本当に素人映画?というくらいにスタッフが豪華なものになるらしい。前にドキュメンタリー「トレッキーズ2」のDVD特典についていたファン映画を観た時は「特撮は及第点、演技はダメ」といった感じだったが、本物の役者が参加するようになったら、素人映画とプロ映画の境界なんてどんどん薄れていくんだろう。

前から漠然と考えていることだけど、ヒットするかどうか分からない「スター・トレック」の新シリーズを、アイデアをかき集め、大金をかけて製作するようなことをパラマウントはやめて、むしろ「トレック」をオープンソース化してファンに提供し、そこからライセンス料なんかを得た方が確実に儲かるんじゃないだろうか。少なくともパラマウント側の出費はゼロですからね。ゼロ。

この記事にも「NEW VOYAGES」は2000万回のダウンロードを記録したとあるし、「もし1ドルの課金をすることができたら、パラマウントには75パーセントを払ってもいい」という製作者のコメントが載せられている。そしたらパラマウントには1500万ドルの利益が転がり込んでくるわけで、決して悪い話ではないと思うんだが。