「Rain of Madness」鑑賞

「ハート・オブ・ダークネス」観たことないし、当然「トロピック・サンダー」も観てないから、この疑似ドキュメンタリーだけ観ても別に感想もなにもないのですが、まあ。iTunesストアでタダで入手できるよ。

ジャック・ブラック演じる俳優が「ヒートビジョン&ジャック」の主人公を演じて有名になった、という設定には笑った。実際にはあの作品って世に出てないんだよね。

米共和党の副大統領候補

あまり日本のニュースサイトでは取り上げられてないようなので一応書いとくが、このサラ・ペイリンって人、知事になって20ヶ月というオバマよりも政治経験の少ない人で、クリエイショニズムを学校で教えたがってるような保守派クリスチャンで、自分が知事であるアラスカの野生公園を石油のために採掘したがってて、自分の妹と離婚した州警察官をクビにしようとした人なんだそうな。

マケインは彼女に2度くらいしか会ったことないとされるのに副大統領候補に選んだわけだが、ヒラリー・クリントンの支持者の票を狙ったギミックだというのがバレバレ。こんなことやってるんだたら本当にパリス・ヒルトンでも候補に選べばよかったのに。でも2000年の選挙の不正疑惑を考えると、オバマが楽勝するとも考えにくいのが怖いところなんだよな。

「スパイダーマン4」に出よう

「スパイダーマン4」にエキストラとして出演でき、キャストに会ったりプレミアに参加できる権利がebayにチャリティーオークションとして出品されていて、これを書いている時点では5100ドルの値がついている。セットに行くまでの旅費や宿泊費は自己負担なので日本人には少々ツラいが、金が余ってる人は入札してみるのもいいかもしれない。

でも「スパイダーマン4」って、いつ作られて誰が出るのかが不明だし、そもそも製作されるのかどうかも分からない映画なわけで(まず製作されるだろうけど)、そんなものの出演権を競売に出されてもねえ。「もし実現できなかった場合は、他の映画のセットに行けます」みたいな注意書きがしてあるけど、それってサギでは?

スーパーマンを生んだ犯罪

強盗による親の死から生まれた本当のヒーローは、バットマンではなくスーパーマンだった。

時は1932年、リトアニアから移民してきたユダヤ人であるミッチェル・シーゲルの経営するクリーブランドの古着屋に3人の強盗が押し入った。そのとき銃声が鳴り響いたという証言もあるが真相は確かではない。ただ確かなのは、強盗に入られた際にミッチェルは心臓発作を起こし、その場で亡くなったということだけだった。3人の強盗は捕まらなかった。そしてこのミッチェルの息子こそが、
銃弾をはじき返す強靭な肉体を持ち、世の中の悪を正す世界初のスーパーヒーロー、スーパーマンを生み出すジェリー・シーゲルだったのだ…。

という話がUSA TODAYのサイトに載っていて非常に面白い。スーパーマンの誕生の裏には、シーゲルが生前に決して語らなかったとされる父親の不慮の死があるのではないかという説が最近は注目されていて、ブラッド・メルツァーの最新の小説のテーマにもなっているらしい。ユダヤ系のサエない少年だったシーゲルがジョー・シュスターと組んでスーパーマンを生み出したという話は、いろいろ夢があって好きなんだよな。マイケル・シェイボンの「カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険」も明らかにこの2人をモデルにしていたし。それに比べてボブ・ケインの評価は年々下がっているような気がする。

世界一有名なスーパーヒーローを生み出した2人だったが、スーパーマンの権利を安価でDCコミックスに売り渡したばかりにの印税を受け取ることができず極貧の生活を強いられていた。そして70年代になってやっと、ニール・アダムズなどの活動により印税とスーパーマンの原作者としての認知を与えられるようになったのは有名な話だが、それを祝うためにジェリー・ロビンソンが自分のアパートで開いたというパーティーの面子が凄い:カート・ヴォネガットにウィル・アイズナー、そしてなぜかイーライ・ウォラック!こんなパーティーに出れたら俺は死んでもいいや。

「ファンタスティック・フォー」(1994)鑑賞

「ファンタスティック・フォー」の映画版を観た。いや、まず観る気になれない2005年の大作映画のやつじゃなくて、1994年の低予算作品のほう。

この映画の存在を知らない人も多いかと思われるが、これは当時「FF」の映画化権を持っていたコンスタンティン・フィルムというドイツの製作会社が、近日中に「FF」の映画を製作しないと映画化権を失ってしまうということになり(詳細は知らないが、ハリウッドではこうしたことはよくある)、よりにもよってロジャー・コーマン大先生に話を持ちかけたもの。そしてコーマン大先生はその無尽なる知識において「よし、それならば映画をとっとと作ってしまおう」という判断をなされて、お得意とする低予算・スピード製作のB級作品を1本作られたのであります。

まあそんな経緯を持った作品だから出来もしかるべきもので、予算がないために特撮なんかボロボロでリード・リチャーズは足や手が棒のように伸びるだけだし、ヒューマン・トーチは手がちょっと燃えるくらいと、全然ファンタスティックじゃないじゃん!といった出来。でもなぜかザ・シングの着ぐるみだけは異様に出来がいいんだけどね。これに加えて宿敵ドクター・ドゥームはやたら弱いし、音楽は耳障りだし、尺が90分と短くてストーリー展開も早いのに話にメリハリがないからやたら冗長に感じられたりと、まあロクでもない作品。ジュエラーなんていう誰も知らない悪役の代わりにモールマンを出せばちょっとは良くなったのに。でも不思議とB級映画特有の面白さみたいなものを備えているのも事実で、ダメ映画なんだけどそれなりに気楽に楽しめてしまった。同じくオクラ入りになった「ジャスティス・リーグ」のTVパイロット版(なぜかむかし日本の深夜番組帯で放送されたやつ)よりかは面白いし、2005年のやつよりも面白いという意見がIMDBでは根強いようだ。

ちなみにこの映画、上記のように映画化権の保持だけを目的として作られたものなので、公開するという気がコーマン先生には最初からまったくなく、そのままオクラ入りになってしまった不遇の作品なのであります(だから現在手に入るのはすべて海賊版)。キャストやクルーはてっきり劇場公開されるものと思って製作してたらしいので、そこれへんはちょっと哀れだな。この映画に関する裏話はこのサイトに詳しく書かれてます。でもキャストやクルーも給料はもらえたはずだし、この映画を作ったことによりコンスタンティン・フィルムはヒットした2005年の映画とその続編にちゃっかりと製作会社として名を連ねてるし、もちろんコーマン先生もその過程で利益を手にしたはずだから、すべてはめだたしめでたし、と。コーマン先生のビジネス・センスは無尽なり。

ちなみにアメコミ映画の映画化権といえば、今年のスマッシュ・ヒット「アイアンマン」もどこかのスタジオでくすぶっていた映画化権をマーヴェルが取り戻したものだし、「ウォッチメン」も今更になってフォックスが映画化権を主張してるわけだが、映画化権を保持していることを主張するために映画を作るのって、どのくらいの規模のものを製作すればいいんだろう?「Be Kind Rewind」みたいに「スウェーデン人が段ボール箱で作りました」というものじゃダメなんだろうか。