「FLASH FORWARD」鑑賞

ABCが鳴り物入りで宣伝している新作ドラマ。ある日とつぜん世界中の人々が全く同じ瞬間に、2分17秒にわたって意識を失うという現象が発生する。これにより航空機事故などが発生し世界中でパニックが生じるのだが、やがて人々は意識を失っていたときにあるヴィジョンを見ていたことが判明する。それは約半年後の2010年4月29日における自分の姿であり、しかもそのヴィジョンは複数の人によって共有された、まるで皆が半年後の世界を一緒に経験しているかのようなものだったのだ。この謎めいた現象はなぜ発生したのか?そしてヴィジョンは現実のものとなるのか、いったい4月29日に何が起きるのか…?というのが大まかなプロット。

世界的な惨事を巻き起こした怪奇現象なのに、その原因解明がたった数人のFBIエージェントに委ねられるというのが、いかにもテレビジョンなご都合主義ではある。そのFBIエージェントである主人公を中心に、看護士であるその妻や同僚たちを中心に話が進んでいく。自殺しようとしてたのに半年後の自分をヴィジョンで見た者がいる一方で、全くヴィジョンを経験しなかった(=半年後には死んでいる?)者がいたりするのがミソ。

こういう「ゆっくりゆっくり謎が解明されていく」ドラマというのは「LOST」の成功を受けて数年前に「ジェリコ」とかボコボコ作られたんだけど、みんな不人気で打ち切られたんだよな。でも1年に1本くらいはこういうSFタッチなドラマが作られてもいいんじゃないでしょうか。

第一話の監督と共同脚本は「バットマン・ビギンズ」のデビッド・ゴイヤー。もう1人の脚本家(兼プロデューサー)としてブラノン・ブラガが名を連ねているのが不安材料だな。奴こそがスター・トレックのフランチャイズを(一時的であれ)殺した人間だと個人的には考えているので。あとニュー・スールーことジョン・チョーも主人公の相棒役で出てるぞ。

第一話の視聴率は上々だったようなので、謎が解明されないまま打ち切りになるようなことは当分ないかもしれないけど、肝心の4月29日が実世界で来てしまったら話をどう続けるつもりなんだろう。

「SIX SHOOTER」鑑賞

なぜか未だに日本で公開されてないブラック・コメディ「IN BRUGES」のマーティン・マクドナーがあの作品の前に作った30分の短編映画。こちらで視聴可能。何気にアカデミーの短編賞を受賞してるらしいけど、内容は「IN BRUGES」に負けず劣らずコテコテにブラックな作品だった。主演がブレンダン・グリーソンだというのと列車の中でのやりとりがあるのも「IN BRUGES」と同じ。

舞台はアイルランド。妻を病院で失った男が家に帰るために列車に乗ったところ、口の悪いティーンエイジャーと、赤ん坊を失ったばかりの夫婦と同席することに。ティーンエイジャーの口の悪さは勢いを増し、夫婦は気分を害することになって…というような展開。fuckの連発に加えて飛び降り自殺や爆発する牛など、なかなか極悪な展開が続いていく。ダイアログは秀逸だし見ていて飽きないものの、作者がこの作品を通じて何を言いたいのかはよく分からず…。マクドナーは本業(?)の舞台劇のほうも暴力描写が多いらしいけど、このブラックさは同じアイルランド系であるガース・エニスのコミックに通じるものがあるな。

何でこんなブラックな作品がアカデミー賞を穫れたのかよく分からんけど、まあ悪い作品ではないですよ。

大相撲秋場所

なんか相変わらず内館牧子が文句たれてるようですが、いいじゃんかよ土俵でガッツポーズしたって。客が喜んでるんだから。朝青龍は稽古してないようで裏でしっかりやっているというのは、あの体の引き締まり方を見れば一目瞭然だと思うんだが。そもそもその稽古していないとされる横綱に負ける他の力士たちのふがいなさに文句を言うべきでしょ。そもそも相撲界というのは強い者だけが上にあがれるという明確な実力主義の世界なのに、あとから品格がどうだの言ってくるのは見当違いかと(品格があるにこしたことはないが)。

他の力士に目を向けると、稀勢の里とか安美錦が負け越し。いまいち上に行くことができない人たちですね。その一方で把瑠都は大関候補か。外国人力士が多くなるのは不可避なことで、もはや相撲界のしきたりに日本の若者のほうがついていけなくなってるんだろう。むしろ日本人は、海外からわざわざやってきて着物を着てマゲをゆって日本の伝統文化を保持してくれているガイジンたちに感謝すべきなのかも。メジャーリーグに行った日本人選手が通訳つけて日本食たべてるのに比べると、外国人力士たちは大変苦労してるんすよ。

あと必ずしも好きな力士ではないけど、普天王の十両陥落が決定的か。ブログをよく読んでいただけにちょっと残念。

「NCIS: Los Angeles」鑑賞

えぬしーあいえすえるえー。よく考えたらスピンオフ元の「NCIS」ってまっとうに観たことがないんだよな。その更なるスピンオフ元の「ネイビーファイル」は結構好きだったけど。

内容的には普通の刑事ドラマという感じで、アメリカ海軍にまつわる事件をNCISのエージェントたちが解決していく。主人公たちは潜入捜査官という設定らしいけど、あまり地味な捜査とかは行わなくて派手なガジェットとドンパチがメインの作品になるみたい。何も考えずにダラッと観るぶんには悪くないシリーズかと。

主役とその相棒を演じるのはクリス・オドネルとLLクールJ。主役の名前は「G・カレン」というんだけど、「G」が何の頭文字なのか本人も含めて誰も知らない!ホーマー・J・シンプソンみたいだな。あとLLクールJはロックの殿堂入り候補になったらしいですが、最近はミュージシャンとしても役者としても微妙なポジションにいるような。2人の上司をリンダ・ハントが演じてるのが個人的にはプラスかな。

ちなみにNCISの本部にはでっかいタッチスクリーンのパネルが設置されていて、「慰めの報酬」とか「マイノリティ・リポート」とかを観たときにも思ったんだけど、ああいう手で操作するコンピューターって実は不便じゃないのか?長い会議とかやってると筋肉痛になるような気がする。

「ゴジラ対メガロ」鑑賞

ジェットジャガー(笑)。

これはもはやゴジラ作品では無いような。最後の怪獣バトルがいちばんつまらないというのはどういうこったい。他の部分も冗長で盛り上がりに欠けるカーチェイスとか、ものすごく行き当たりばったりな展開とか、観ていてしんどいものばかり。世間的には評判の良いダムの破壊シーンも、さほど見事だとは思えず…平成シリーズはガキンチョ向けのような気がして観なくなったけど、よく考えたら東映チャンピオンまつりの作品も大差ないよなあ。

あとシートピア海底人は地上人の行った核実験によって被害を受けたために怒ってメガロを送り込んできたわけで、そういう意味ではゴジラは加担する側を間違えてるような。ウルトラセブンのノンマルトもそうだけど、海底人はいろいろ迷惑を被って可哀相ですね。