「Accidentally on Purpose」鑑賞

今秋の新作ドラマはアメリカのトレンドを反映して、年下の若き男たちをあさる年増のオバハン(通称「クーガー」)が主人公の作品がいくつか登場していて、若い女の子を見てたい俺のような者にとっては甚だ迷惑な話なのですが、この「Accidentally on Purpose」もそうした作品の1つ。

ジェナ・エルフマン演じる37歳の女性が上司で恋人だった男性と別れたあと、バーで20代の若きシェフ見習いと出会ってねんごろな仲になり、そのまま彼女は妊娠してしまうことに。そこでシェフ見習いは彼女のアパートに移ってくるのですが、彼のボンクラ仲間たちも一緒にやってきて…というお話。こういう事態になったら普通は男は逃げるよな。そんなことない?

内容は至極普通のラフトラック付きシットコムで、目新しさは全くなし。別にこういう古典的なシットコムも嫌いではありませんが、肝心のジョークが面白くないようではねえ。「Extras」のアシュリー・ジェンセンが出ているのが取り柄かな。あと主役が妊娠しているということはいずれ臨月に入ったり出産したりするということで、そうした環境の変化というのはこの手のシットコムとは相容れない要素のような気がする。まあそもそもこの作品がそこまで長続きするかは不明ですが。

ちなみにジェナ・エルフマンの声って結構ドスが効いてるんですね。どうしても雨蘭咲木子のイメージが強いもので。

「未来惑星ザルドス」鑑賞

ジョン・ブアマンは名匠だと思いますが、彼がこの作品で何を伝えたかったのかは最後まで分からず…。生と死(もしくは不死)がテーマであることは理解できるんですけどね、なんかいろいろ詰め込みすぎてプロットが解消されない、頭でっかちの作品になってしまったような。

ごく限られた集団が超能力と技術力を備えて他の民を支配しているという設定はロジャー・ゼラズニイの「光の王」に似てると思ったんだが、どうでしょうか。「スター・ウォーズ」以前のSF映画って、こういう不思議な感覚を持ったものが多かったんだよな。有名どころでは「2001年」とか「THX-138」もそうだし、あと「2300年未来への旅」とか。

物語の大半を赤フンで過ごすショーン・コネリーは可も不可もありませんが、シャーロット・ランプリング様のツンデレっぷりが麗しいのでございます。でもあまり観る必要のない作品だと思う。

イエス・メン襲来!

こないだ偽のニューヨーク・タイムズを配布したザ・イエス・メンが、今度は偽のニューヨーク・ポスト紙を配布したらしいぞ。

まだ記事をちゃんと読んでないけど、地球温暖化にまつわる話を中心にいろいろ書かれてるらしい。相変わらず楽しいことをやってくれるな。ただ新聞という斜陽のメディアだけではなくて、次はぜひNYポストと同じマードック傘下のフォックスニュースをギャフンと言わせるような仕掛けに挑戦してほしいところです。

エミー賞

まあ順当な結果といったところか。個人的には「Breaking Bad」のブライアン・クランストンが昨年に続いて受賞したのが嬉しい。あと「デイリーショー」は6年連続?独占状態じゃないの。

数年前はエミー賞といえばHBOが幅をきかせてたような気がするけど、ここ2年はAMCが勢いづいてますね。

「The Beautiful Life: TBL」鑑賞

ミーシャ・バートン主演の、The CWの新作ドラマ。まあThe CWの典型的な作品といった感じで、スーパーモデルの華やかな生活とその裏側を、白人の美男美女を使って描き出したシリーズ。タイトルの「TBL」って何のためについてんの?

俺が死ぬほど嫌いなアシュトン・カッチャーがプロデューサーに名を連ねているせいか内容はとても薄っぺらで、観光旅行の際にスカウトされた田舎の少年とか、父親が刑務所に入ってる少女とか、子供を隠れて産んで半年ぶりに復帰したモデルとかがでてくるんだけど、結局のところスーパーモデルってみんな自惚れたスノッブのような気がして共感できるような登場人物はいなかったすね。「ゴシップ・ガール」なんかが人気あるように、このような番組を好む人たちがいるってのは分かるんだけど、モデルの世界の裏側なんてMTVのリアリティー番組とか「アグリー・ベティ」とか観れば十分じゃん。

演出も笑っちゃうくらいにベタで、主人公の男女が曲がり角でぶつかる初対面のシーンとか(これは「Vampire Diaries」にもあった)、ファッションショーの大事な局面でとつぜんスローモーションになった後に観客がスタンディングオベーションを送るシーンとか、もうちょっと工夫しろよって感じ。今後の展開はどうなるんだろうって思わせる要素が一つもないんだよな。音楽も耳障りだし。

俺はぽっちゃり系よりも痩せてる女性のほうが好みだけど、この作品に限らずThe CWの番組に出てくる女性たちってみんなスレンダーなもののなんかグロテスクに見えるんだよな。それがメイクによるものなのか衣装によるものなのかは知りませんが、ああいう女性(あと男性)を「美しい」として売り込む風潮というのはいいかげん止めたほうが良いような気がする。

Dave Chappelle “Fuck Ashton Kutcher”