TNTの新作シリーズ。
マーティン・オダムはFBIの覆面捜査チームに属するエージェントで、偽の人物像(レジェンド)を作り上げ、それに扮して必用とあれば何ヶ月にもわたる潜入捜査を行なうことを専門としていた。今回も政府転覆を狙う民兵組織の一員に扮して組織に潜入し、そのボスの正体を探っていたが、謎の男より突然、マーティン自身の人格が偽のものであり、裏では大きな陰謀が動いていることを告げられる。彼の言葉を真に受けたマーティンは、自分自身に関する真相を探ろうとするのだが…というプロット。
偽の人格を演じているうちに自分自身が誰だか分からなくなる、という設定はピーター・ミリガンがライターやってたときの「ヒューマン・ターゲット」(むろんアメコミのほう)に似てなくもないが、この番組はロバート・リテルの小説を基にしているらしい。
主人公は覆面捜査のプロで、偽の人格になりきってしまうという設定なんだけど、その割にはやたら正体がバレそうになるのはご愛嬌。その都度アドリブで自分の経歴をデッチあげ、それにあわせてFBIのコンピューターチームが病院のデータベースとかに偽の経歴をカタカタと入れ込んで、裏付けされてもバレないようにしているわけだが、あの何でも出来るコンピューターチームというのが出てきたおかげで、最近の捜査サスペンスものはめっきりツマらなくなったと思うのは俺だけでしょうか。
主人公のマーティンを演じるのはショーン・ビーン。話の途中でとてもよく死ぬことで有名なショーン・ビーン。おかげでこの番組にあわせたパロディまで作られているほどですが、いちおう主人公なのでこの番組では死にません。たぶん。ただ彼って存在感はあるものの決して幅の広い演技をする人ではないので、いろんな人格を器用に演じ分けられることができるのかな、と不安に感じたりもする。あとは彼の上司役で「プラクティス」のスティーブ・ハリスなんかが出演してます。
決して突出したサスペンスやアクションがあるわけでもなく、登場人物のセリフもなんか説明口調で、全体的に地味な感じ。評論家の受けもあまり良くないらしいので、これから頑張らないとあまり長続きできないかも。