MTVによる「スクリーム」のTVシリーズ版。まあ最近はホラー映画のTVシリーズ化が流行ってるからね。これは来るべきして来た作品なのかも。
舞台とか登場人物は映画版とまったく別物で、レイクウッドという小さな町(でも住人の家はみんなプールがあってデカい)における高校生たちが主人公になっている。生徒のひとりがレズビアンであることを暴露したビデオが映像サイトに公開された結果、そのビデオをアップロードしたと思われる女生徒が自宅で殺害(ここは映画版のドリュー・バリモアのシーンのオマージュ)されたことから、町に殺人鬼が潜んでいるのでは…と皆が疑心暗鬼になる…という設定。
俺が思うに映画版のスクリーム(少なくとも第一作目)が画期的だった理由は2点あって:
・一般大衆向けの映画ながらも意外とエグいスラッシャー描写
・MTV世代の登場人物が、過去のホラー映画のクリーシェについて語るなか、それに近い形で話が展開するというメタ気味な設定
というもの。うち前者はケーブル局においては当然ながらあまりエグい描写ができなくて、一気に残虐行為がトーンダウンした「スクリーム3」程度といったところ。でもまあ頑張ってるほうかな。後者についてはオタクっぽい生徒が「最近は『アメリカン・ホラー・ストーリー』みたいなゴシックホラーのTV番組が流行ってるけど、スラッシャー映画はシリーズ化できないよな。あれって話の展開が速いから、シリーズとして引き延ばすことはできないだろ」とメタ気味というか自虐的に語るシーンがあって、第1話を観た限りでは確かにそんな感じ。殺されるのは前述の女の子だけだが、このまま登場人物が殺されてったらあっという間に誰もいなくなってしまうわけで、そこらへんのジレンマはどう対処するのだろう。
あとレイクウッドには、20年くらい前に連続殺人を犯して湖に消えたというカタワ者の少年の伝説があって、彼が戻って来たのではと住人たちは怯えるのだが、それって「13日の金曜日」のジェイソンでは…。これって他のホラー映画のパロディをやるということなのかな?それとも脚本家たちはあくまでも真面目なのか?
雰囲気的には「スクリーム」というよりも「プリティ・リトル・ライアーズ」みたいな作品。今後の展開によっては面白くなるかもしれないけど、とりあえず映画のノリを期待してはいけません。