「Designated Survivor」鑑賞

Designated Survivor, Season 1
ABCの新シリーズ。

ワシントンDCで住宅都市開発長官を務めるトム・カークマンは温厚な性格で出世欲もなく、弁護士の妻にそれを嘆かれるほどだった。自分が提案した案件についても大統領の教書演説から省かれ、おまけにモントリオールへの左遷を命じられてしまう。しかしその晩の教書演説には出席せずに、有事に備えて一人で別のところで待機している役目「デジグネイテッド・サバイバー」に彼は任命される。そして教書演説は何事もなく進むかのように思われたが、何者かが仕掛けた爆弾によって議会議事堂が大爆発を起こし、大統領をはじめとするすべての議員たちが命を落とすという大惨事が発生してしまう。この混乱のなか、唯一残った議員としてトムはアメリカ合衆国大統領に任命されることとなる。明らかに経験不足の彼に不満を抱くホワイトハウスのスタッフもいるなか、トムは大統領として事態の沈静化を図るのだったが…というあらすじ。

新米の大統領が国を治めようとするなか、いったい何者が爆弾をしかけたのかという謎解きが進行し、さらにはなぜトムがデジグネイテッド・サバイバーに任命されたのか?という謎が絡んでくる政治スリラー。今後はこれらの要素がどう絡み合ってくるかによって、話の面白さが左右されるだろうな。トムは学者肌の穏健な人物として描かれているものの、テロを受けて不穏な動きを見せはじめたイランに対して早速武力行使をチラつかせるあたり、大統領に求められているのってそういうことなんですかね。それでも彼の穏便さに不満を抱いたタカ派の将軍がクーデターを示唆したりして、いろいろドロドロした展開が望めそうです。

「これは9/11以来の規模のテロだ」というセリフもあるけど、大統領と議員みんなが殺されたらそれ以上のテロだよなあ。その割にはワシントンDCの道路とかが比較的落ち着いているし、ナイトクラブがそのまま開いているあたりはご愛嬌。ホワイトハウスの危機管理センターの描写とかはよく出来てますよ。

主人公のトムを演じるのがキーファー・サザーランド。かつてはアメリカ本土が核攻撃されようともきっちり24時間でカタをつけていた彼だが、今回は急な展開に困惑する優さ男を好演している。彼よりも気の強そうな妻を演じるのがナターシャ・マケルホーンで、事故現場で調査にあたるFBIエージェントにマギーQ、大統領のスピーチライターにカル・ペンと、結構豪華なキャストが揃っている。カル・ペンは一時期役者業を休んでホワイトハウスで働いていたこともあり、シリーズのコンサルタントでもあるのだとか。

今後はサスペンスをどれだけ飽きずに継続させられるかが人気のカギになってくるだろうけど、第1話を見た限りではかなり期待できるシリーズになるかもしれない。

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