デイヴ・バウティスタ主演のアクションサスペンス。あまり期待しないで観たら結構面白かった。
舞台となるのは題名通りニューヨークはブルックリンのブッシュウィック地区。そこに住む女学生のルーシーは恋人と地下鉄の駅を出ようとしたところ、突然地上からは銃撃戦の音と爆発音が鳴り響き、火だるまとなった人物が飛び込んできた。慌てて二人が出口に向かうとそこは戦場のようになっており、何者かの集団と住民たちのあいだで銃撃戦が行われていた。ルーシーの恋人は様子を伺いに外へ飛び出すものの、爆発に巻き込まれて死んでしまう。一人となったルーシーは自宅を目指すものの、重武装した兵士やギャングに襲われ、路地裏の小さな地下室へと逃げ込む。そこに住むのは元兵士のスチュープであり、彼に助けられたルーシーは二人で彼女の家へと向かい、混沌とした物事の真相を把握しようとするのだが…というあらすじ。
ネタバレになるけど言ってしまうと、ブッシュウィックに侵攻してきたのはテキサスを中心とする南部の市民軍で、ふたたびアメリカ合衆国から離れることを大統領に認めさせるために北部の州を襲撃したのだという。ブッシュウィックが狙われたのは非白人が多いということと、銃規制が厳しいから住人の反撃には合わないだろうと推測されたという説明がされるのだが、そこはアメリカ、ブルックリンの住民だってみんな銃は持ってるのだ!ということで後半は市民軍に抵抗する住民の市街戦が繰り広げられていく。銃と火炎瓶で戦うユダヤ教徒がなんかカッコいいぞ。
最近流行りの、ゲーム視点的な長回しシングルショット風のスタイルで全編が撮られており、まあところどころ編集が入っているし、「トゥモロー・ワールド」ほどの凝った長回しは無いものの、冒頭の地下鉄のシーンなどでかなり効果的に緊張感が盛り上げられている。
スチュープを演じるのがデイヴ・バウティスタ。「ブレードランナー2049」でもそうだったけど、肉体的なピークを過ぎた、どことなく陰のある大男を好演しており、ここらへんはアクションに偏重しがちな他のWWE出身の俳優たち(ロック様含む)とは一線を画していますね。そんな彼と組むルーシーを演じるのが「ピッチ・パーフェクト」のブリタニー・スノウ。それ以外はそんなに有名な役者は出ていないかな。
まあB級映画かといえばB級映画だし、ラストの展開もなんか落とし所を間違えているような気がするのだけど、思っていた以上に楽しめる作品であったよ。もし日本のレンタル屋とかでも見かける機会があったら、鑑賞を一考することをお勧めします。