ついに来たよ10代目ドクターの最終話。いちおうパート1よりかは良い出来になっている。大まかに分けて2部構成になっていて、最初の50分はジョン・シム演じるザ・マスターとティモシー・ダルトン率いる「あの連中」との戦いの決着が描かれ、残りの20分において自分の死を察したドクターと、今までの登場人物との別れが描かれていく。
マスターおよび「あの連中」との戦いはね、派手な展開などもあって面白いことは面白いんだけど、三つどもえになったせいか話の焦点が定まらず、どうも消化不良なオチになってしまったのが残念なところ。「あの連中」の何が脅威なのかいまいち分かりにくかったし、あのオバサンは誰だったんだろう…今までの話に見切りをつけるエピソードかと思っていたけど、これに関しては今後の伏線になるのかなあ?
残りの20分はそれよりも話がまとまっていて、ドクターが死ぬのに時間がかかりすぎな気もするけど、懐かしい顔ぶれが再登場してドクターと最後の面会をしていく。ここらへんは今回でシリーズを離れるラッセル・T・デイヴィスによる自分への餞別ですかね。最近はディヴィスを批判する人がずいぶん増えてきたけど、ここまで「ドクター・フー」を人気番組へと復活させた手腕は俺はちゃんと評価してますよ。ただ話の展開をやたら大きくしておいて後できちんとまとめることが出来なくなってるのは今回のエピソードを見ても明らかなわけで、ここらへんは彼に代わってシリーズを指揮するスティーブン・モファットが、傑作「BLINK」のように小粒でもアイデアの効いたエピソードを作ることに期待しよう。
そして最後は11代目ドクターが登場するわけだが、マット・スミスはあの変な顔の助けもあってなかなか面白そうなドクターになりそう。ドクターの喜怒哀楽を見事に表現したデビッド・テナントの後を継ぐのは容易ではないだろうけど、2010年代を代表するようなドクターになってほしいところです。新しいキャッチフレーズが「ジェロニモ〜!」だというのはどうかと思うけどさ。