ジョン・ランディスの息子が脚本を書いた低予算SF映画。以後ネタバレ注意。
アンドリューは暴力をふるう父と病弱な母をもったひ弱な少年で、学校でも周囲にバカにされていじめられ、ビデオカメラでそんな日常を撮影することだけに生きがいを感じていた。ある日彼は従兄弟のマットに連れられて行ったパーティー会場の外で、地面の奥深くにまで空いた謎の穴を発見し、マットおよび同級生のスティーブと穴の奥まで行った彼は青く光る奇妙な物体を見つけるが、そのあとの記憶を失ってしまう。気付くとアンドリューたち3人は穴の外におり、自分たちがテレキネシス(念動能力)を身につけたことを知る。最初はこの能力をイタズラ程度で使っていた3人だったが、やがてその力の使い方をマスターするうちに彼らの行動はエスカレートしていき…というようなストーリー。
アンドリューのビデオカメラの映像記録、といういわゆる「ファウンド・フッテージ」のスタイルがとられており、個人的にこのスタイルってあまり好きではないんだけど、別のカメラの映像を混ぜ合わせたり、カメラを念力で宙に浮かせることで第3者の視点のようにさせる手法は巧みだったな。
マットがあまり意味もなく哲学を語ったり、登場人物の1人が話の途中でいなくなってしまうあたりは脚本が弱冠拙いような気もしたけど、尺が短いこともあり、あまり中だるみせずに最後のクライマックスまで話をぐいぐい引っ張っている。能力を使ってせっかく学校の人気者になれたのに、初エッチに失敗して暴走するアンドリューの不憫さが涙をさそうぞ。
南アフリカで撮影したり、デビッド・ボウイの曲を使ったりとそれなりに金はかけてるみたいだけど、それでも予算は1200万ドルくらいなので低予算の部類に入るよな。しかし特殊効果の映像は大作映画に匹敵するくらいの出来で、特にラストの超能力バトルは迫力があって大変素晴らしい。怪獣パニック映画が好きな人はとても楽しめるんじゃないでしょうか。なお出演者は比較的無名の若手俳優が大半だけど、スティーブ役を「ザ・ワイヤー」のマイケル・B・ジョーダンが演じている。彼はあの若さで優れた作品に次々と出演してるので、これからもっと活躍していくでしょう。
あまり期待せずに観たら意外なくらいに面白かった作品。「アタック・ザ・ブロック」が好きな人に薦めたいな。世界中で大ヒットしたために早くも続編の製作が決まってるらしいけど、これ話が続けられるのかね?「ファウンド・フッテージ」ものの続編ってみんな蛇足になって失敗してる印象があるので少し不安ではある。
下着姿の女の子のシーンはカットされてた。チェッ。