「THE CRAZY ONES」鑑賞


こないだの「MONDAY MORNINGS」がいつの間にか終わっていたデビッド・E・ケリーが、負けじと世に送り出すCBSの新作コメディ。

シカゴの広告代理店に勤めるサイモン・ロバーツは離婚やアル中などを経験して私生活は乱れているものの、秀逸な閃きをもって数々の仕事を手にしてきた。しかし最近は落ち目で職を失う可能性に面しながら、自分の娘を含むスタッフを率いてクレージーなアイデアで仕事を獲得しようとするのだった…というようなプロット。

変人だらけのオサレなオフィスとか、歌うゲスト(ケリー・クラークソン)とか、セックスに関するカジュアルなトークとか、無茶な提案をして逆に公衆の前で恥をかくスタッフとか、いかにもデビッド・E・ケリーの番組だなあと思わせる展開がいろいろ出てくる内容になっていて、これは決して良いわけでもなく、なんかもうネタ切れが顕著なんですよ。「アリーmyラブ」あたりで観たような展開がそのまま繰り返されているという。

主人公のサイモンを演じるのはロビン・ウィリアムスで、TVシリーズに出演するのって70年代の「モーク&ミンディ」以来だよな。彼の娘を演じるのがサラ・ミシェル・ゲラーで他にもジェームズ・ウォルクやハミッシュ・リンクレイターなどと、他の番組で主役を張れそうな強力なキャストが揃っているものの、じゃあ演技が面白いかというとそうでもなく…みんなケリーの脚本のセリフを喋るのに手一杯という感じ。ロビン・ウィリアムスは決して嫌いな役者ではないのですが、役を演じるよりも普通に話しているほうがずっと面白い人だと思うので、セリフの多い脚本家との相性は悪いように感じられるんだが、どうなんだろう。

あと気になったのがマクドナルドなどの実在の企業がそのままクライアントとして出ていることで、別にプロダクト・プレースメントではなく金銭の授与も無いようなんだけど、普通に「お金をくれるありがたい存在」として描かれてるのはどうなんだろう。タイトルからしてアップルのアレの賛美だし。以前のデビッド・E・ケリーなら商業主義に対する皮肉を混ぜてた気がするんだが、俺のなかで過去の作品が美化されてるのかな。

まあキャストの知名度は圧倒的だし、視聴率も好調なようでそれなりの人気を獲得するかもしれないけど、もうちょっとヒネリを加えてもいいんじゃないかと思う作品。

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