「BLACK BOX」鑑賞


ABCの新作医療ドラマ。プロデューサーに「ドクターハウス」のブライアン・シンガーが名を連ねている。

キャサリン・ブラックは優秀で著名な神経科医であったが、彼女には大きな秘密があった。実は彼女自身も母親譲りの双極性障害を持っており、薬を服用しないと極端な躁鬱状態になってしまうのだ。彼女は病院の同僚にはこのことを隠して患者の治療にあたっていたが、婚約者には自分の障害のことを明かしてしまい…というような話。

古きは「ベン・ケーシー」あたりの頃はテレビのお医者さんって高潔な存在だったのでしょうが、21世紀の今となってはみんな何かしらの問題を抱えてるのが普通なようで、ドクターハウスなんかは肉体的にも精神的にも欠陥があったし、去年の「DO NO HARM」なんか医者が二重人格のサイコパスですからね。そんでこのキャサリン・ブラックもすごく問題を抱えてる人で、婚約者に自分の障害を伝えて「ちゃんと薬は服用するから」と言ったくせに「彼には自分の最悪の状態を知ってほしい」ということで薬と婚約指輪を投げ捨て、躁状態になって病院の同僚と寝てしまうという…いやあ…。というか病院にも自分の症状がバレてないか?

おれ精神病のことなんて何も知らないから、もしかしたらここで描写されてる有様ってすごく正確なことなのかもしれないけど、ドラマとしては「主人公がとても厄介な人」にしか見えんのよね。あと劇中で何度も「精神病は治らない、薬で抑えるしかない」って主人公を含めた多くの人が言っていて、ならばドラマ的に主人公が活躍する場が無いのでは?第1話では患者が精神病でなく脳に腫瘍があることが判明して完治するわけだが、腫瘍をレントゲンで発見したのは主人公の助手で、それを手術で取り除いたのが病院の同僚。主人公は何もやってないじゃん!

なんかジタバタしてるだけの主人公を演じるのは「フライト」のケリー・ライリー。またイギリス人ですな。よく見るとローズ・バーンに似てるね彼女。あとは彼女の精神科医をヴァネッサ・レッドグレイヴが演じている。レッドグレイヴが毎週テレビで見られるというのは贅沢なことなのですが、いかんせん作品がなあ…あとは「ザ・ワイヤー」のボーディーなんかも出てました。

imdbでも酷評の書き込みが目立つし、たぶん長続きしないでしょう。医療ドラマたるもの主人公が患者を治療すべし。