「K-VILLE」鑑賞

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iTunesストア経由でフォックスの新作ドラマ「K-VILLE」を鑑賞。ハリケーン・カトリーナによる災禍のあとのニューオリンズを舞台にしていることで話題になった作品だけど、内容自体はクリーシェ満載のえらくベタな刑事ドラマだった。

相棒をカトリーナの際に失った主人公の警官(黒人)が新しく転属してきた警官(白人)とコンビを組むことになり、最初は新しい相棒を軽蔑してケンカばかりしてたものの、だんだん腕を認めるようになるところとか、銃撃事件の操作に失敗して1度は恥をかくものの、ドンデン返しで事件の黒幕をつきとめて最後は波止場での銃撃戦になるとことか、もう典型的な刑事ドラマの要素が盛りだくさん。これに「定年退職を目前にして殉死するベテラン警部」とかが加わればもう完璧なんだけどね。同じくフォックスの「UC: Undercover」みたいな、悪くはないんだけど何の取り柄もない刑事ドラマといった感じ。

主人公を演じるアンソニー・アンダーソンは傑作「ハッスル&フロウ」でB級コメディアンからシリアスな役者へとうまく転身できた人だけど、ここでは演技がテンパリすぎてて周囲から浮きすぎている。他の出演者はみんな型にはまりすぎてて面白みなし。

とまあ厳しいことを書いたけどニューオリンズの光景自体はエキゾチックで奇麗なんですよ。災害で崩れた廃屋とかも含めて。今後はこのニューオリンズという舞台を、ガンボとかブードゥー・ショップといったステレオタイプに頼らずに、どれだけ巧みに利用できるかがポイントになってくるだろう。