Syfyチャンネルの新シリーズで、テリー・ギリアムが監督した1996年の映画のTVシリーズ版。ただしギリアムはこっちには何も関わってないみたい。
大まかな設定は劇場版と同じで、近い未来において何者かが放ったウィルスによって人類の大部分は死滅し、2043年には地球上の文明は崩壊していた。残った人間たちは使える道具などを漁って暮らしていたが、過去に人を送り込むことができる装置を発見する。そこで彼らはジェームズ・コールという男性を2015年に送り返し、ウィリスを散布したと思われる科学者を抹殺するよう彼に命じるのだったが…というようなプロット。
劇場版とはキャラクターの名前が少し違っていて、コールが過去で出会う女性科学者がキャスリンでなくカサンドラになっているのは劇場版でカサンドラ・コンプレックスが言及されてたことに由来するんだろうな。またブラッド・ピットが演じてたメンタルな人の役は女性が演じることになるみたい。
また劇場版でコールを過去に送る科学者たちは冷酷で人間味の無い存在として描かれていたが、こちらではもっとコールに協力的になっている。過去と未来の行き来も比較的容易にできるようだし、いずれコールが1970年代に行くことも示唆されてるので、コールが時空を股に冒険する「タイムマシーンにお願い」みたいな内容になるのかなあ。
Syfyの番組としてはまあ悪い出来ではないと思うのだけど、「12モンキーズ」の看板を抱えているとどうしても劇場版と比べてしまうのよ。あちら(およびその元になった「ラ・ジュテ」)は時間を超えた愛と死というペーソスが根本にあったのに対し、こちらは単なるSF番組になっているというか。というわけでこの番組の内容に興味をもった人はまず劇場版を鑑賞しましょう。ギリアムの新作「ゼロの未来」もやっとこさ5月に公開されるよ!