新人監督によるホラー・ウェスタン。
舞台となるのは西部開拓時代の小さな町。町に流れ着いたならず者の足を保安官が撃ったことで、女医が保安官の事務所に呼ばれてならず者の治療をすることとなる。しかし翌朝、ならず者と女医、そして保安官の助手の姿は消えていた。現場に残された矢から、彼らを誘拐したのは洞穴に住む人食いの原住民であることを知った保安官は、老人の保安官補佐、足を骨折している女医の夫、そして女たらしだが銃の腕は確かな男性とともに、女医たちを救出するために荒野へと向かうのだが…というあらすじ。
原住民(いわゆるアメリカン・インディアンとは違うという説明がされており、穴居人みたいな存在)にさらわれた女性を救いに行く男たち、なんて設定は「捜索者」みたいな骨太なウェスタンを期待してしまうが、実際はもっと「ヒルズ・ハブ・アイズ」みたいなグロ系のホラーであった。女医の夫の足の傷がどんどん目も当てられない状態になっていくほか、えげつない人体破壊の描写がいろいろ出てくるぞ。洞窟にいる敵と戦うあたりは「カウボーイ&エイリアン」に似ているが、あれをもっとR指定にしたような感じ。白塗りの人食い穴居人が怖いのよ。
低予算映画ながらキャストは豪華で、主演は「ヘイトフル・エイト」の格好そのまんまのカート・ラッセル。でもストーリー的においしい役は女医の夫を演じるパトリック・ウィルソンがとっちゃってます。あとはマシュー・フォックスやデビッド・アークエットなどなど。またクレジット見るまで気づかなかったけど、懐かしのショーン・ヤングがちょっとだけ出てたりします。
あまり個人的には好きなジャンルではないけど、いろいろ高い評価を得ているようだし、監督のS・クレイグ・ザーラーって今後も活躍してくんじゃないでしょうか。とりあえず正統派のウェスタンを期待してはいけないよ。