「iSteveみたいな、コメディ動画サイト「Funny Or Die」による50分ほどのパロディ・ムービー。ここから無料で視聴可能。
ドナルド・トランプが80年代に出した自伝「The Art Of The Deal」の幻の映画版、という設定になっており、監督も編集も主演もみーんなトランプだそうな。トランプによるニュージャージーのカジノの買収を背景に、自分のビルにやってきた少年にトランプが自らの成功体験を語るという内容で、成功するためのアドバイスが切り札(トランプカード)の形で随所に挿入されてます。
んで80年代のニューヨークの文化とか不動産についてのジョークが延々と続くのだけど、そんなものマイナーすぎて分かんねえよ!エド・コッチ市長がどうした、とか言われても知らんがな。「アルフ」とかファット・ボーイズ(当然本人たちではない)が出てきて、ああそういうのいたねえ、と分かるくらい。
トランプ自身は自己中心的な高慢ちきとして描かれているが、決して批判的な内容になっていない。2016年の大統領選挙についても最後にちょっと言及されるくらい(クリストファー・ロイドが「私は過去を変えるためにやってきた!」と登場するのは笑ったが)で、風刺としてのパンチは弱い。これ例によって4日間という短期間で製作されたそうだが、脚本がよく練られてないような。「iSteve」もそうだったけど、短編だったら面白いものを無理に長尺にしなくても良かったんじゃないかとは思う。
そして出演陣ですが、誰がトランプを演じたか、上の写真で分かりますか?実はジョニー・デップだそうな。なんで彼がこんな役をやってるのかわからないけど、まあ「Funny or Die」って昔から結構な有名人にバカな役やらせてたからなあ。これも80年代テイスト満載の主題歌をケニー・ロギンスが歌ってるし。そしてジョニー・デップはすごく熱演してていいですよ。最近は出演作が当たってないとか言われてるけど、やはり演技が上手いよね。他にもアルフレッド・モリーナとかロン・ハワード、ヘンリー・ウィンクラー、パットン・オズワルドなどが出演してます。
面白い作品かというとそうではないものの、時事ネタをジョニー・デップが体を張って演じているというのをタダで観られるということに文句をつけてはいけませんね。