「THE RICHES」鑑賞

 

エディ・イザードとミニー・ドライバーが主演しているFXのドラマ「THE RICHES」を初めて観た。前からこのドラマの存在は知っていたものの、エディ・イザードってあくまでもコメディアンとして好きなのであって俳優としての活躍にはあまり興味がなかったし、特に観る理由もなかったんだが、主人公一家がアイリッシュ・トラベラーだという設定を知って興味を持った次第なのです。

アイリッシュ・トラベラーというのはその名の通りアイルランドにおける流浪の民で、現地では単にトラベラー、もしくはティンカーなどと呼ばれている。彼らの起源については諸説あって、17世紀のクロムウェルの圧政とか19世紀の大飢饉で家を失った人たちの末裔などと言われているがはっきりしない。コミュニティを作って独自の隠語やしきたりを持ち、金物業や軽犯罪などで生計を立てている、いわば白人のジプシーのような存在。映画「スナッチ」でブラッド・ピットが演じた役(とその仲間たち)がそのまんまトラベラーだったりする。彼らに対する偏見というのも根強く残っていて、そこらへんは日本のサンカとか、あとまあ部落差別にも通じるところがあるのかな。

「スナッチ」のようにイギリス、あるいはヨーロッパにもアイリッシュ・トラベラーがいることは知っていたんだが、やはりアメリカにも移住してたんだなあと。どうやって海を渡ったんだろう。やはり大飢饉のときか?で「THE RICHES」における彼らの姿は、やはり詐欺や窃盗を繰り返してキャンピングカーで旅をする存在で、家族だけでなく一族のつながりやしきたりを持った連中として描かれている。アメリカにおけるトラベラーの実態というのはまるで分からんが、たぶんこの番組の姿に近いんだろう。アイルランドという狭い国における流浪の民というのはかなり特異な感じがするものの、アメリカだと土地が広すぎて流浪してても誰も文句を言わないような気がするけどね。

そして「THE RICHES」の話の内容はというと、エディ・イザードとミニー・ドライバーの夫妻および3人の子供からなる家族がトラベラーの一族の集いに合流、そこでイザードは一族の長の金を盗んでしまい、そのあと別のトラベラーといざこざを起こしてるうちにとある夫婦の車を事故に巻き込んでしまい、夫婦は死んでしまう。その夫婦が大金持ちで引っ越し先に向かう途中だったことを知ったイザードたちは、その夫婦(と子供たち)に成り済まして立派な家に住み、トラベラーとしての生活に別れを告げようとするが…。というのが第1話のおもな内容。特殊な家族が主人公という意味ではHBOの「BIG LOVE」に少し似ているかな。一家が嘘を重ねて暮らしていく点が面白いらしいが、あまり続きを観たいと思わせるような出来ではなかったかな。一家の娘を演じるシャノン・マリー・ウッドワードという女優が結構かわいいのはめっけもんでしたが。

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