「CATFIGHT」鑑賞


日本でも来月映画祭で公開されるのかな?題名から若き女性が下着姿でくんずほぐれつするような内容を期待してはいけないよ。中年のオバハンふたりが殴り合うという映画。

ニューヨークの裕福な家庭に暮らすベロニカは、パーティーの場でバーテンダーとして働くアシュリーに再開する。かつて二人は同級生だったのが疎遠になり、アシュリーは画家を目指しながら貧乏暮らしをしていたのだ。身分の違う二人の会話はすぐにぎこちないものとなり、二人だけになった場では些細なことから殴り合いになってしまう。アシュリーのパンチをくらって階段から転げ落ちたベロニカは昏睡状態になり、2年間も病院で眠ることに。そして目を覚ました時、彼女は財産を失って無一文担っており、逆にアシュリーは絵画の腕前が評価されて売れっ子のアーティストになっていた…というあらすじ。

ベロニカ役にサンドラ・オー、アシュリー役にアン・ヘッシュ。助演にアリシア・シルバーストーンで、あとはディラン・ベイカーとかピーター・ジェイコブソンなんかが拘束時間半日といった感じでちょっと出演してます。

ストーリー的にはこの後アシュリーも痛い目に遭うわけですが、なんか中身がスカスカで95分の尺ながらもすごく間延びした印象を受ける。これFunny or Dieの30分くらいの短編だったら面白かったのでは。いちおうアメリカの医療保険の風刺とか、海外で戦争しかけて派兵していることへの皮肉なんかが込められているものの、どれも中途半端でピンとこないな。

むしろ元レズビアンのヘッシュにレズビアンの役をやらせたり、ヒッピーまがいの育児本を出して論議を呼んだアリシア・シルバーストーンに、ヒッピーまがいの育児にこだわる母親(赤ん坊にはwifiの電波や、中国製の玩具を近づけない)を演じさせるなど、かなりエグいキャスティングをしてるのが面白かったのですが、これどこまで意図的に配役したんだろう。

また劇中で3回くらいある格闘シーンは、どれも典型的なハリウッド風のケンカというか、全体的に凡庸で目新しさはなし。「ゼイリブ」みたいに時間配分を無視して延々と続けるとか、個人的に映画至上もっとも痛々しいケンカだと思ってる「ゆきゆきて、神軍」の素人同士の取っ組み合いのような、生々しさを感じさせる出来になってたらもっと面白かったと思うんですけどね。

というわけであまり出来の良い作品ではありませんでした。うーん。

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