公開されたばかりなので感想をざっと。ロン・ハワードが8割くらい撮り直したらしいので、ミラー&ロード版だったらどうなってたか、と論じるのは野暮でしょ。以降はネタバレ注意。
・前に「ローグ・ワン」もそうだったし、SW映画なのにオープニングのテキストクロールがないとか、画面のワイプがないことに不平を言うつもりはない。しかし前半ずっと画面が暗かったのは何なんだろう。戦場のシーンとか列車強盗のシーンとか、リアリズムを出すつもりならそれは失敗していると思うし、誰もSW映画にそんなものは求めてないと思うのだがなあ。後半になって明るくなったからよしとするが。
・現在進行形であるエピソード7〜8が、古参の俳優が枯渇していっているためにフランチャイズを方向展開していってジェダイやフォースなどから離れて行っているのに対し、こちらはプリクエルとして別の俳優を起用して過去の伏線回収というかプロットの補足をバンバン行えるわけで、まあオールドファンを喜ばせられる強みはあるわな。
・個人的には「ケッセルランを12パーセク」はソロがでっちあげたホラ話であってほしかったけど。観客の想像に委ねればいいことをいちいち余計に補填してくれるのが、SWプリクエルの大きなお世話ですな。
・全体の4分の1を脱出ポッド(しかも進行方向にある)が占める宇宙船って何だよ。
・ハリソン・フォードは演技が下手ながらも「不敵にニヤッと笑う」ことだけは完璧にできてた人なので、それに比べるとオールデン・エアエンライクはまだその域に達してないかな。若き頃の姿とはいえ、なんかディズニー化されているというかいい人すぎる設定なのよな。ファンの間で論議を呼んだ「先撃ち」をやったのは良かったけど。
・エミリア・クラークはなんかぷにぷにしていて、最初から貧困感がなかったような。ドナルド・グローバー演じるランド・カルリジアンよりもベスピンのヘッドセットの人の登場を期待してたのですが、出てこなかったですね。
・最後の赤い人の登場、今作が「エピソード1」よりも後の話であることを忘れていたよ。なんかスピンオフのために無理して伏線張ってるような気もするが。彼の声がアニメ版と同じになっていることも含め、アニメシリーズへの言及がずいぶん多いようですね。
前述したようにオールドファンを喜ばせるという仕事はしていて、可もなく不可もない作品といったところか。工業的にこけたことで、今後のスピンオフ展開もいろいろ見直しが入ってくるんだろうが、変なテコ入れがはいってこないことを願うばかりです。