米EPIXの新番組。第1話を某ストリーミングサービスで提供してたのを視聴。最近は配信サービスが多過ぎて、どこで何が提供されてるのか探し当てるのが難儀だわぁ…。
上の画像のDCコミックスのロゴと「ペニーワース」という題名でピンと来る人もいるかもしれないが、バットマンことブルース・ウェインの忠実な執事であるアルフレッド・ペニーワースの若かりし頃の冒険を描いた作品。バットマンといばキャットウーマンとかバットガールとかロビンとか、いろいろスピンオフが作れそうなキャラクターはいるだろうが、まさかアルフレッドとはね!なおバットマンの前日譚である「ゴッサム」にもアルフレッドが出演しているけど、あちらとのつながりは特にないみたい。
アルフレッドはバットマンと同じくらい古くから登場しているキャラクターなので、年齢設定は微妙にぼやかされておりまして、このシリーズでも舞台となるロンドンは60年代っぽいようで上空に飛行船が飛んでいたり、路上で犯罪者が首枷にかけられていたりと、ちょっとパラレルワールドっぽい世界になっている。アルフレッドはロンドンのクラブの用心棒として働く元兵士という設定になっていて、コミックみたいな元舞台役者ではないみたい。彼はいずれ自分の警備会社を立ち上げるのが夢だが、妹を連れ返すためアメリカからクラブに来ていたトーマス・ウェインとたまたま知り合う。そして会計士であるウェインはイギリスの闇組織に資金が流入していることを知ったために組織から狙われ、アルフレッドもまたその騒ぎに巻き込まれていく…というようなあらすじ。
トーマス・ウェイン(ブルースの父な)に妹なんていたっけ?というのは置いておいて、今後はマーサ・ケイン(ブルースの母)も登場するらしいが、バットマンにゆかりのあるキャラクターはそれくらいじゃないかな。というかこの番組、バットマンと切り離して観たほうが面白いと思う。アクションがあるかといえばそんなに多いわけでもなく、1話の前半はロンドンの闇社会におけるやりとりが淡々と続くわけだが、マイケル・ケインの「狙撃者」みたいな60年代ギャング映画のオマージュとして見ればそれはそれで面白かったりする。舞台がロンドンで役者がみんなイギリス人ということもあり、アメリカのシリーズというよりもBBCの「フレミング」みたいな番組を観ている感じでした。
どうもイギリスの闇社会では2つの反目する組織がそれぞれ社会転覆を狙っているという設定のようで、トーマス・ウェインはそれを監視する目的でアメリカ政府に命じられて当面はロンドン在住になるみたい。第1話の時点ではアルフレッドは彼のために働くのを断ってるのだが、自身は口うるさい両親と一緒に自宅に住んでいる、というのが妙にリアルで面白いところでした。
アルフレッドを演じるのはジャック・バノン…って「フューリー」とかに出てた人なのか。髪型がかつてのジュード・ロウみたいで、それはつまり、今後は…まあいいや。あとは知った顔だと闇組織の中堅ボスとしてジェイソン・フレミングが出ています。第1話の監督はダニー・キャノン。「ゴッサム」の第1話の監督も彼だったよな。もともとはスタローン版「ジャッジ・ドレッド」を監督したりとコミックへの思い入れはある人なので、「CSI」とかからこっちの世界に戻ってきたのは嬉しいことです。
批評家にはそんなに評判が良くないようだけど、バットマンという要素を忘れれば結構楽しめる内容であった。番組のほうもあまりバットマンとのつながりを強調しないほうが良いかもしれない。